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グリーンランドの所有とパナマ運河の管理、カナダの米国合併やメキシコ湾の名称変更について持論を展開したトランプ次期大統領はこのうちグリーンランドについてはデンマークが抵抗するのであれば高い関税を課す可能性にも言及。グリーンランドは米国大陸とヨーロッパの間に位置する。ロシアに近く冷戦時代から米国にとって軍事的な要衝。1951年に米国とデンマークが締結した防衛協定に基づいて基地を展開し、米国軍にとって最北端となる基地がある。また、グリーンランドには豊富な地下資源がある。中でも近年、注目されているのがレアアース、世界有数とされる埋蔵量があり温暖化の影響で氷の溶解が進み採掘や輸送がしやすくなるとされている。レアアースはEV(電気自動車)のモーターや、スマートフォンなど精密機器に不可欠だが世界一のレアアース生産国中国はグリーンランドでも資源開発を進めている。ロシアと中国をにらみグリーンランドは米国にとって、戦略上非常に重要な場所。実は米国がグリーンランドの所有を求めるのはトランプ氏が初めてではない。1860年代アンドリュー・ジョンソン大統領はアラスカに続いてグリーンランドの買収も画策したことがある。また1946年にはトルーマン大統領がデンマークに対し、1億ドルでグリーンランドを購入する案を提案していたことが報じられている。デンマーク・フレデリクセン首相はグリーンランドは売り物ではないとの立場を強調、デンマークは警戒感も強めている。グリーンランドでは人口の9割を先住民イヌイットが占めるが地元の人たちの間では観光など、産業の多角化に伴いデンマークからの独立を求める機運が高まっている。先月、デンマーク政府はグリーンランドの防衛費を大幅に拡大すると発表するなどグリーンランドへの関与を強めようとしている。