戦後補償ない民間被害者 国と雇用関係なく対象外/国民等しく「受忍」の方針/救済求め法案提出も廃案/軍人と区別された民間人/空襲で被害に 救済求めるも遮る壁/広島や長崎の被害者訴え 原爆裁判 判決までの経緯

2024年8月15日放送 12:40 - 12:53 テレビ朝日
大下容子ワイド!スクランブル NEWSドリル

日本の民間人犠牲者数は50万人にのぼるが、軍人や軍属が60兆円超の補償を受け、被爆者・引揚者・シベリア抑留者などには救済措置があったが、民間人には補償どころか実態調査もなかったという。政府は、民間人が対象外の理由として「国との雇用関係がないから」としている。1979年、当時の橋本龍太郎厚生大臣のもと、「原爆被爆者対策基本問題懇談会」が設置された。被爆者に補償すべきかなどを検討するため設置された厚生大臣の私的諮問機関で、議事録には橋本大臣の「率直に申しまして、国家補償という言葉をできるだけ使いたくない」という言葉があった。また、当時の厚生省企画課長は「被爆者対策を国家補償でやるとなると、額が大きくなるだけでなく、シベリア抑留者や一般戦災者の要求が強まり、甘くできないという考えだった」などと話している。懇談米の基本理念は「戦争被害受任論」で、戦争という非常事態のもとで、国民が何らかの犠牲を余儀なくされたとしても、全ての国民が等しく我慢しなければならないというものだった。1970年代~1980年代、野党が中心となり空爆被害者の保証をする「戦時災害援護法案」を14回国会に提出しているが、与党の反対で全て廃案となっている。2020年、超党派の議員連盟の会合が行われ、「空襲等民間戦災障害者特別給付金支給法案」が出たが、与党内の調整が進まず、提出に至らなかった。核兵器の廃絶をめざす日本法律家協会の大久保賢一弁護士は「財政の問題より、根本的に、戦争について国家が責任を負わないというのがあると思うんですよ。この国の政治責任者や最高裁が、その考え方に囚われており、それが被害者に手を差し伸べられない理由になっているのだと思います」などと話した。1955年4月、広島と長崎の原爆被爆者5人が、国を相手に損害賠償を求めた「原爆裁判」では、三淵嘉子裁判官が原爆は残虐な兵器と明確に認定したが、原告は国際法上も国内法上も請求の権利を持たないとして、原告の訴えを棄却した。しかし、三淵裁判官は「被爆者の救済は『国会及び内閣の職責』」、「政治の貧困を嘆かずにおられない」としている。


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