津波避難に課題 見直しの動き

2025年1月8日放送 18:19 - 18:27 NHK総合
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1年前の能登半島地震では発生直後に津波が能登地方の沿岸に到達し震源から100キロ以上離れた新潟県の柏崎市にもおよそ20分後に到着した。津波が5.9メートルまで駆け上がった上越市では当時、沿岸部や内陸に向かう道路で車の渋滞が発生するなど避難の課題が浮かび上がり見直しが進んでいる。去年の元日、県内各地で津波が観測された午後4時半過ぎ、市内の内陸に向かう県道は、多くの車で渋滞していた。このころ、市内を流れる関川の河口付近では津波が遡上。堤防を越え川沿いの港町地区の15棟の住宅に浸水被害が出た。この地区の自主防災組織のリーダーで避難計画の策定に携わる防災士の泉秀夫によると、津波警報が出る中、避難場所の旧小学校の入り口は車で混雑し混乱していた。市の計画では津波からの避難は原則、徒歩で行うこととされている。しかし能登半島地震では市内の内陸に向かう複数の幹線道路が車で渋滞。市は徒歩避難が徹底されず避難に支障が出たとしている。さらに徒歩避難が難しい人たちの避難方法を巡る課題も浮かび上がった。港町地区に住む今井健次は持病で酸素を吸引する必要があり酸素ボンベが手放せないため徒歩での避難は難しいという。しかしこの地区では自力で避難することが難しい住民がいざというときどのように避難するか十分に検討されず決まっていなかった。このため今井は徒歩で逃げることを選択した。津波警報が出たあと、後の避難に向け妻に近くの駐車場に車を取りに行くよう頼んだ。その間に高い場所に避難しようと考え、1人で100メートルほど離れたビルに歩いて向かった。しかし、はやく歩くのが難しいため避難には時間がかかった。そしてビルに着く前に堤防を超えた津波が道路に流れ込むのを目の当たりにした。津波が迫る中、道路沿いの住宅に入れてもらいなんとか津波から逃れた。この経験から今井は自分の場合は徒歩での避難では間に合わないと痛感した。地震のあと、泉が地区の250世帯に行ったアンケートでは、9世帯が家族の事情で避難しなかったと回答した。上越市にはこうした不安の声が沿岸部のほかの地区からも寄せられた。このため上越市は津波の避難計画を見直している。障害などがあり徒歩避難が難しい人に限り車での避難を選択肢の1つにする方針を決めた。一方、車が渋滞しないようにそれ以外の人は引き続き徒歩避難を徹底するとしている。


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関川伊豆諸島南海トラフ巨大地震上越市令和6年 能登半島地震港町地区(新潟)

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