ワールドビジネスサテライト (ニュース)
今日の外国為替市場では円高ドル安が進み、およそ2か月半ぶりに1ドル149円台後半を付けた。きっかけの一つが昨日の日銀の高田審議委員の発言だった。設備投資や賃上げをめぐり前向きな企業行動の持続性が確認されれば今後も利上げを進めていく必要があるとの考えを示した。発言を受けて市場では、早期の追加利上げ観測が広がり、長期金利の指標となる10年物国債の利回りが1.44%まで上昇。円買いドル売りの動きが強まり、日経平均株価は輸出関連銘柄を中心に売りが入り、終値は400円以上値下がりした。マーケットが動く中、総理官邸を訪れた日銀・植田総裁。およそ1時間にわたって石破総理大臣と面会し、金融経済の動向について議論した。長期金利は議題に上らなかったという。さらに国会で講演を行ったのが日銀の前総裁・黒田氏。黒田氏を招いたのは安倍元総理が生前、後見人を務めていた積極財政派の議員連盟。特に自民党では積極財政派を中心に日銀の利上げが時期尚早との不安も。黒田氏の講演を通じて積極的な財政出動と金融緩和路線の継続を訴える狙いがある。