2023年10月19日放送 23:06 - 23:55 テレビ東京

カンブリア宮殿
【宅配ネットスーパー躍進の舞台裏、収益化への戦略に迫る】

出演者
村上龍 小池栄子 
(オープニング)
オープニング

オープニング映像。

カンブリア宮殿
「鬼速」がウリ!品揃え豊富 急拡大中のスーパー「オニゴー」

ネットスーパーのオニゴーは入会金や会費は無料で、サイトを開いてほしい品物をクリックする。配達料は300円だが、5000円以上頼むと無料になるという。オニゴーは最短10分で鬼速で届くと謳っているが、注文後配達員がやってきてその時間は実際に10分ほどだった。オニゴーのアプリ会員数は13万人を越え、今は多くのスーパーでネット注文を行っているが配達する時間帯が決まっていて時には翌日になることも。あのアマゾンですら二時間かかる。一方でオニゴーは最短で10分。平均で20分でその速さが魅力。目黒区にあるオニゴーの店には中は倉庫のようなダークストアがあり、客が入れない商品をストックする店。ここには10分で届けるための様々な工夫がある。画面の10個の商品を集める時間は1分30秒。これを可能にするのは自社開発アプリ。棚には商品ごとに番号がふられ、スタッフのスマホにどの商品がどの棚にあるのか表示される。アプリが一番はやく商品をピックアップできるルートを教えてくれるという。新人でももれがなくピックアップできる。配達するのはライダーと呼ばれるスタッフで配達エリアは店から半径4キロに設定し店の地図には道に関する様々な情報が書き込まれる。登録ライダーは全員自社で採用し担当する店を固定している。なので自社開発したアプリに表示されるのは大通りだが、最短距離で行ける道を選ぶという。エリア内の近道や中道をこうして共有しているという。 オニゴーでは赤ちゃん用品やコストコの商品も扱っていて購入ができる。またレア商品の センブヌードルも購入できるという。

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OniGoOniGO【鷹番店】オニゴーセンブヌードル バスタ麺センブヌードル マカロニホノルルクッキー ダウルチョコレートマカダミアリンドール アソート世田谷区(東京)

週末にオニゴーの店を訪ねると大量の注文が入っていた。スタッフはてんてこ舞い状態で応援のスタッフが登場した。この男がオニゴー創業者の社長の梅下直也。梅下は実店舗をもたないダークストアの即時配達をいち早く立ち上げた。今年に入ってオニゴーの店舗は急増し今や70に増えている。梅下はダークストアとは別の方法で店舗数を増やしている。ヨークフーズ with ザ・ガーデン自由が丘 新宿富久店の店内にはオニゴーの社員がいてその内場の小部屋にもスタッフの姿が。オニゴーは既存のスーパーと提携しバックヤードに拠点を作り店舗数を増やしている。いわばこのスーパーがオニゴーのダークストアになっていて、店内を回って商品を集めている。値段は商品によって異なるが、スーパーの店頭価格より1割ほど高くなっている。オニゴーにとってスーパーとの提携は場所や設備の初期投資をかけずに店舗数を増やせるメリットが。またスーパーにとっても実際の来客エリアよりにオニゴーの配達エリアが広いので多くの客に存在を知ってもらえるというメリットがある。オニゴーと提携するスーパーとのウィンウィンな関係はそれだけでなく、注文が少ない時間に訪ねてみるとオニゴーのスタッフが品出しをしていた。これは提携するスーパーからオニゴーが正式な業務として受け取っている。スーパーの人手不足もあり、助かっているという。

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OniGoOniGO【鷹番店】アコレ 西葛西店オニゴーヨークフーズ with ザ・ガーデン自由が丘 新宿富久店

今オニゴーが取り組んでいるのは顧客満足度のアップ。そのために進めるのはオジリナル惣菜の開発。今試作しているのはおかずの定番の唐揚げ。メインのおかずに加えてもう一品というのがオニゴーの狙い。オニゴーのオリジナル惣菜は一部の店舗で販売している。また全国展開に向けて準備中で愛知のアオキスーパーとの提携では11月から愛知県でサービスを開始予定。オニゴーに入会する理由の中で何が多いのか?について梅下は他のネットスーパーは大きくて重い商品を頼むときは便利だが、配達の二時間は家にいなければいけないという部分に不便さを感じている人がいて、普段の買い物ではオニゴーを使用しすぐ届くのが一番の理由だという。また既存のスーパーとの提携は売上が上がる他にメリットがあるか?については、スーパーからするとデリバリー分野には興味を持っているがオペレーションの負担や人手不足、システム開発での負担が大きくなりやりたいができないという状態なので自分たちがそれらを担当し、ニーズのあるお客に商品を届けると答え、品揃えの分野ではスーパーには及ばないのでお互いの強みを生かしてやっていくことになったという。また店頭の商品価格とはほどんど変わらない価格で買える商品も準備し、少し利益をのせた商品もあるがデータをみながら試行錯誤して価格を調整しているという。

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OniGoアオキスーパーオニゴークラフト鬼丸カレークラフト鬼丸ミニメンチクラフト鬼餃子世田谷区(東京)
“薄利多売”の収益モデルは 配達効率化と独自開発がカギ

オニゴーのビジネスモデルは薄利多売。いかに効率よく配達できるかが収益を出すポイントになっている。注文した客同士の距離が近い場合はできるだけまとめて配達できるように各店舗で調整。時には三軒同時に配達することも。一時間に10件以上の注文が黒字化を達成できるラインだという。ダークストアの場合、普通の小売店と同じように仕入れ値に利益をのせた価格で販売する。一方でスーパーとの提携との場合はオニゴーはスーパーとの独自の取引価格を決めている。スーパーが100円で販売している商品をオニゴーは80円で仕入れ、オニゴーはそれに、30円の利益をのせて110円で販売するという具合。利益の幅はオニゴーが商品によって調整し平均すると店頭価格よりも1割ほど高い価格で販売することになる。スーパーにとって店頭で販売するより利益は減るが間接的な商圏の拡大などメリットの方が大きい。梅下はすぐ商品を届ける体験で言えばそこまでライバルが多くはなく、やろうと思ってもなかなか手が出せない領域で、自分たちがしっかりとポジションを築くことがサービスを広げていく上でも重要だという。

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オニゴー
東大野球部&ロシア駐在 祖母の死が起業に影響を…

梅下は横浜出身で勉強も運動も得意だったという。東大経済学部へ入学すると、野球部に所属し引退すると、ベンチャー起業でアルバイトを始めた。その理由はITブーム真っ只中で億単位の資金がすぐに調達できるスケールに圧倒されたという。自分もいつか新しい事業を起こしたいと三井住友銀行に入社した。四年後にロシアの現地法人の立ち上げに1から携わり1兆円規模の事業へと成長させた。しかし2014年にロシアがウクライナのクリミアに侵攻し取引先の企業のほとんどが制裁の対象になってしまった。なんとかしたいと梅下は当時制裁の対象外だった国営の巨大企業のガスプロムへの資金調達を上司に進言した。このプロジェクトは大成功し、社内ではロシアといえば梅下と言われるほどに。ロシアでのビジネスに区切りをつけた梅下は目標だった企業を目標に銀行を退職した。2015年には中古車販売業者のカープライスを創業。自分の車がいくらで売れたのか確認できる当時の日本では新しいビジネスモデルだった。事業を軌道にのせた梅下は新しい挑戦にアメリカで増えていたダークストアによる宅配ビジネスをスタート。企業の準備を進めている最中に祖母が100歳で亡くなった。その葬儀がネットスーパーの価値に気づくきっかけに。もっと話しておけばよかったと後悔したが、意識的に10分でも話すことは大事で、そういう時間を忙しい中でも生み出せるサービスにしたいという。祖母との時間を作れなかった事を悔やんだ梅下は、日常のちょっとした時間の大切さを痛感。そしてネットスーパーが生み出す10分の価値がその人にとって大切な時間になるかもしれないと気づいた。2021年にはオニゴーを創業し1号店をオープン。しかしできたばかりの企業で、なかなか商品をおろしてもらえず。そこで自分たちの足で開拓して回った。

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オニゴーカープライスガスプロム三井住友銀行東京大学目黒区(東京)

オニゴーとの店舗が近い米農家の卸売業者は梅下が飛び込み営業した店の1つ。他にもお酒や日用品やペット用品などの仕入先を自分たちが開拓し商品数を増やしていった。しかし軌道に乗りかけた矢先大きな危機がやってきた。

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オニゴー大沢商店
ロシアのウクライナ侵攻で既存スーパーとの提携に注力

2021年にオニゴーを立ち上げた梅下。軌道に乗りかけた矢先ロシアのウクライナ侵攻が始まり世界的に株価が下がりスタートアップ企業への投資が一気に冷え込んだ。ダークストアとはいえ、家賃や光熱費などがかかる。そこで考えたのが既存のスーパーとの提携。コレなら少ない投資で配達拠点を増やしていくことができる。その1つが関東を中心に300店舗を展開するディスカウントスーパーのビッグ・エー。ビッグ・エーは、自前のネットスーパーをもっていなかった。オニゴーからの提携話は渡りに船だったという。また、オニゴーとの取引で販路拡大に繋がった小さな食品メーカーも。グリーン・スプーンは瞬間冷凍の技術を使った、野菜スープなど野菜本来の味をいかしたヘルシーな料理をネット販売している。しかし企業としての知名度が低く販路が広がっていかない事に悩んでいた。そこで、オニゴーに直接営業をかけ取引にこぎつけたがそれ以降売上が3倍以上にアップした。さらに評判を聞いた都内のスーパーは取り扱ってくれるようになった。

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Greenspoonオニゴーキングスプランチビッグ・エー渋谷区(東京)
東大野球部でメッタ打ちに 「スタートアップはドロドロ」

東大野球部だった梅下は野球ではメッタ打ちにされたという。しかしその経験はメンタル的に強くなり打たれ強くもなったという。また面接時に面接に来た人にはスタートアップはドロドロと話しているという梅下。面接時にスタートアップに来るのはおかしい選択だと相手に言い、他の大企業で働く方がワークライフバランスもあれば整った仕事ができるのに、スタートアップは成功する可能性は50%より低く合理的な理由がないと後悔すると話したという。ウクライナ侵攻で経営をスーパーとの提携にシフトしたことに梅下は元々スーパーとは何らかの形で組みたいとは思っていたと答え、理想ではスーパーの中にダークストアがあることが一番良いと答え、どうしてもスーパーではピッキングの効率が悪い部分があり、進化できる余地はあると思っているという。

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オニゴー東京大学
新たな収益モデルを模索 企業向けマーケティング

宅配以外での利益を出すためオニゴーは新たな収益ビジネスがあるという。カギになるのはモニター。

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オニゴー

オニゴーのアプリ会員は今は13万人。その力を新たなビジネスにしょうと模索している。その相手は食品大手の味の素。オニゴーでは味の素の新商品を販売していて、おつまみ需要を狙った冷凍の中華シリーズでは味の素は酒とセットで売り出したいという。しかしスーパーではおつまみと酒の場所が離れていてお客に認知されるのが難しいという。そこでオニゴーではそれぞれの酒とあわせて客に提案。商品への賛否両論の生の声が13万人から直接届くようになっている。こうした声を集約し売り方を提供するコンサル的な業務にも乗り出した。さらに提携するスーパでも新たな収益モデルを始めようとしている。モニターにここで流れるCMを誰が見ているのかの視聴データを集める事ができるという。性別や年齢、感情や商品に対する興味を数値化する。こうした顧客調査をメーカーやスーパーから請負い収益化を目指す。梅下は10年ロシアにいた事があるが、人生は楽しんだもの勝ちだと思ってると答え、幸せの定義は色々あるが自分が今やりたい仕事ができているのは幸せなことで日々仕事を続けていれば幸せだという。

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オニゴー味の素
高齢者も施設側も大喜び!「オニゴー」との実用性が拡大

オニゴーは以外な場所でも役立っている。埼玉県にある高齢者施設のイリーゼ武蔵藤沢があるがオニゴーはこの施設専用の注文システムを開発。施設の入居者はオニゴーを使用して食料品や日用品を注文できる。オニゴーは一人分ずつ袋に分けて届けてくれるという。施設側は買い出しの負担がなくなり利用者も喜ぶ。

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イリーゼ武蔵藤沢入間市(埼玉)
(エンディング)
編集後記

村上龍は今日のオニゴーより前の体験。ロシアでの仕事、約10年間、楽しく過ごしていたが、ウクライナ危機が起こり、顧客のほとんどが制裁の対象に。ロシアといえば梅下という地位だったので会社から調べるように言われ、「ガスプロム」が制裁の対象外になっていることがわかり、ファイナンスできれば圧倒的な収益が。今の、オニゴーの仕事は、地味だ。だが、非常に細かいこと、配達エリアの確認など必要で、苦労と、その成果という点では同じだ。日本を起業家フレンドリーな国にしたいと考えている。梅下さんがやれば、そうなるだろう。とした。

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オニゴーガスプロム梅下直也
次回予告

カンブリア宮殿の番組宣伝。

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