- 出演者
- 高橋彩 別府正一郎
オープニング映像。
ガザ地区への支援物資について、海上からの支援準備が進められている。地中海にあるキプロスでは、食料品や医薬品の積み込み作業が行われている。Oscar Camps氏は「この艀をガザ地区まで引っ張ることが一番複雑になる。」と話した。荷解きはワールド・セントラル・キッチンが建設している桟橋で行われる。なお、200トンの支援物資はEUが11日までに開設予定の新しい海路を通って行われる。ガザ地区は飢餓待ったなしの状態で、国連は50万人が飢餓のリスクに晒されていると言われている。Dr Thaer Ahmanは「人々は飢餓で死亡している。多くの支援物資を海上から送ることによる効果は大きい。支援を受ける人を殺さないでほしい」と話した。一方アメリカでは別の桟橋を作ろうとしている。支援団体はイスラエルが占領している地域に食料を搬入するのに苦慮している為である。ラマダンの開始による戦闘中止はないとの事で、170万人の避難者は気を抜けない状況となっている。そんな中、スウェーデンとカナダはEUと主にUNRWAへの資金拠出を再開する。資金についてはUNRWA一部社員がハマスのイスラエル攻撃に関与している疑いがあるとして停止されていた。これは現在も調査中で、オーストラリアは拠出を再開していない。
イスラエルはガザ地区全体を封じ込める政策を撮ってきた。そのうえで、ハマスの戦闘が始まると同時に電気・水・食料の搬入を止める「完全封鎖」を発表し、人道支援物資の搬入も交渉材料としていた。WFPは毎日最低でも300台のトラックによる食料の搬入が必要だが、現状は150台程度しか入れていないとの事。またガザ地区北部では治安の悪化に伴い、配給そのものが出来ない状況となっている。食糧事情は悪化し続け、大飢餓が起きる直前まで来ているとの事。そのためアメリカは食料投下を行い、11万3000食を提供した。しかしこれはガザ地区の5%の住民のほぼ1週間に1回の食事分にしかならないとの事。この状況に海上輸送を加えるとどうなるのか。海上輸送では1回にトラック200台分の物資が運べると見られている。支援ルートとしてキプロスから輸案が送する挙げられている。そのためにはガザ地区側に桟橋のある埠頭の仮説が必要だが、米国防総省は建設に2か月掛かる可能性があるとの事。また、イスラエルの攻撃によって倉庫が破壊され、道路網が寸断されている現状、輸送後にどのように配るのか、配給は誰が担うのかもはっきりしない。空からの投下にしても、海からの輸送にしても苦肉の策として進められている。そもそもイスラエルが支援物資を積んだトラックの搬入を制限しており、これは国際人道法に反している。危機的な事態の改善のためには食料を積んだトラックが市内に入り、安全に移動できるようにすることと停戦が求められる。
ロシアを最大の脅威と位置づけるNATOは、ロシアによる侵攻を想定したヨーロッパ最大規模の軍事演習を行なっている。軍事演習には2万人の兵士が参加しており、アメリカがNATOを脱退する恐れはあるが、軍事演習自体がロシアへのメッセージになっているという。
きょうは先日来日したUNFPA(国連人口基金)のナタリア・カネム事務局長に話を伺った。「国連人口基金」は1969年設立、世界の人口問題に取り組み、途上国などで妊娠・出産を支援する国連機関。インタビューではガザ地区・ウクライナで女性が直面する問題や、デジタル暴力、日本の人口減少、気になる日本語などについて聞いた。
UNFPAのナタリア・カネムさんへのインタビュー。「ガザ地区の状況は非常に深刻で国連の人道支援組織は飢餓まで起きるとしている。どう見ているか?」との問にカネムさんは「私たちは妊婦のケアを行っているが、助産師は暗い通りの中を歩き回って出産が近い女性を懸命に探しています。出産は幸せで大切な瞬間のはずです。しかし危険だらけの中で命がけなんです。最悪です。ガザには安全に出産できる場所はありません。妊娠中は少なくとも母と子2人分の水を摂取しなければならない。また、母乳を飲ませている時は乳児に栄養を与える状態を保つことが大切。現状では海が多く塩分が多く混ざっている。また、人々が空腹で絶望しているため食料の配給も容易ではない。ガザでは過酷な状況で毎日約180人が出産している。母親たちは恐怖の中で暮らしている。また、お腹のお腹の胎児にとっては脳をはじめ体を成長させる重要な時期。そのときに母親が栄養不足であれば正常な出産は望めない。爆音などのストレスでアドレナリンが出て流産が増加し、帝王切開が必要なケースも増加している。(空からの食料投下は)焼け石に水。知っていただきたいのは、事態は極めて危機的だということ。死者はすでに3万人を超えているが、何人が死ねばちゃんとした支援が必要だと分かってもらえるのか。しかも私たちにとっても悲しいのは、これまでに亡くなった人の多くが女性・子どもだということ」などと話した。「露によるウクライナ侵攻が始まって3年。ウクライナの女性の権利は過去2年でどれくらい後退したか」との問には「ウクライナの女性たちが受けている苦しみやさらされるリスクは理不尽。女性の選択肢はこの紛争が続く中で狭まっている。ウクライナの女性の多くは高い教育を受け、紛争前は社会進出していた。しかしパートナーが戦場になった今、自分が稼ぎ手になると同時に子どもたちの世話もしなければならない。多くの女性が貧困に直面している」などと話した。
近年、国連人口基金が世界的なキャンペーンで訴えているのがインターネット上での誹謗中傷や性的画像・映像の拡散などによるいわゆるデジタル暴力の問題。「生成AIが女性への暴力も引き起こしているが、どれくらい深刻か」と聞くとカネムさんは「恐ろしいの一言。世界中の誰でもパソコンで人の体に別の人の顔を合成できるんですから。さらに驚くほど高い技術なので本物と信じてしまう。そして広く拡散されて閉まったら取り戻す方法はない。国連人口基金は最前線に立ってAI企業と協力し、デジタル暴力について活動している。女性もAIの設計に参加すべき。問題のある画像・映像が数週間も放置されるのを許すのではなく、そもそも作成できない仕組みを作るべき。確かに多くの国で規制は議論を呼ぶ問題だが、女性には権利があり画像を勝手に作り変えてはならない。他人の画像を悪用し、恥ずかしい思いや嫌な思いをさせるのは現実世界では犯罪。規制には皆の納得が必要だが女性の尊厳は尊重すべきで害してはいけない」などと話した。日本の人口減少について聞くとカネムさんは「人類の歴史が始まって以来あらゆる国で人口が増え続けてきたが、2024年の今もはやそんなことはない。人口増加が続いている国もあるが、より多くの国は人口減少に備えなければならなくなっている。人口が多くても人々をケアできず良い教育も受けられなければ、生活の質は低くなる。私はそれを素晴らしいとは思わない。人口が減っても人々が健康的な生活を遅れることが大切。年齢を重ねても活動的で幸せて周囲の人と繋がれる環境を作ることが重要。ですので質問の答えはシンプル。適切な計画があり、生活の質を良好に保てる方策が整えられているなら、人口減少は悪いことではない」などと話した。「日本のような豊かな国で子を持つのが難しいのはなぜだと思うか」との問には「まさにそこです。しかも日本だけではない。興味深いのは女性やカップルが子どもを持つ決断をする期間と仕事でバリバリ働く期間が完全に重なるということ。それだけに子どもを持ちたいという願いとどう実現できるか、先進国が向き合うことが望まれる」などと話した。「”居場所”という日本語に興味があると聞いたが?」との問には「日本には豊かな歴史と文化がある。マネージメントの現場では”改善”という言葉が広く知られているように、”居場所”という言葉ももっと多くの人に知ってほしい」などと話した。別府さんは「カネムさんは”居場所”という言葉に『誰一人取り残さない』というSDGsの根本的な考えに通ずるものがあると話していた」などと話した。
秋のアメリカ大統領選でバイデン氏×トランプ氏の直接対決。大統領と前大統領の再対決を有権者はのぞんでおらず、どちらの候補者にもよい印象をもっていない。9日ジョージア州で選挙運動を行った。夜、真っ向からぶつかり合い支持を訴える。有罪になってもトランプを指示するという声を伝える。バイデン氏は国民のために尽くす方法をしっているなどの宣伝をする。今回も大接戦になるとみていてバイデンはペンシルベニア州などで支持を訴える。
中国企業が運営する動画共有アプリTikTokについて米議会下院のエネルギー商業委員会が国内での利用を禁止する法案を全会一致で可決した。このアプリを巡っては中国政府の情報漏えいへの警戒感があり、法案は近く下院本会議で採択される見通し。TikTokを運営するBytedanceのCEOは議会で「中国政府からデータを求められていないし、提供もしていません」と否定した。Bytedance側は法案を強く非難している。
ガザ地区ではイスラム教の断食月ラマダンを迎えるが、イスラエル軍による攻撃は前日も続き人道危機は深刻さを増している。米バイデン大統領はイスラエルのネタニヤフ首相について、自国を救うよりむしろ傷付けていると批判した。ウクライナをめぐって、ローマ教皇は「最も強いのは国民のことを考え白旗を上げる勇気を持って交渉する人だ」などと述べ物議を醸している。ハイチでは治安が急速に悪化しアメリカ政府は海兵隊を派遣した。
次回は、特集インド「自分らしく」ヒジュラのアート。
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8時間耐久障害物レース(サウジアラビア)の映像が流れた。8時間でどれだけ多く回れるかを競う。約40カ国から1000人以上が参加。優勝者には1200万円の賞金が贈られた。
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