- 出演者
- 桑子真帆 小倉康嗣
オープニング映像。
広島・平和公園から中継。桑子真帆が、草の根の活動を続けてきた被爆者の全国組織・日本被団協が12道県で解散・活動休止となっている状況を説明した。
今直面している大きな課題、それは関心の低さ。新潟県原爆被害者の会 事務局代表、被爆2世の西澤さんは駅前で核兵器廃絶のための署名活動に取り組むが、特に若い人たちの無関心さが目立ち、署名活動も進んでいないと話す。全国各地に37万人超いた被爆者。どんな逆境にあっても諦めることなく被爆の実相を伝え、核兵器の廃絶を訴えてきた。しかし、その数はことし初めて10万人を下回り、活動が困難に直面し始めている。北海道では、今春、被爆者団体が解散に至った。解散するにあたって課題となったのが、これまで活動拠点となった会館をどう存続させていくか。会館には独自に集めた被爆資料を展示している。札幌市などの自治体に引き受けてもらいたいと働きかけたが良い反応は得られなかったという。そこで考えたのが、地元の学校法人に譲渡すること。平和教育に力を入れてきた北星学園が申し出を受け入れた。
広島・平和公園から中継。原爆体験の継承について研究している小倉康嗣さんは、継承が難しい理由について「継承が形骸化した結果だと考えている。継承するということが一体何なのかということをよく考えることなしに継承すること自体が自己目的化されてしまった。それによって一番大事な”なぜ継承するのか”“何を継承すべきなのか”“私たちは何と向き合うべきなのか”といった根本的な所が社会の中で議論されないまま被爆80年になってしまった」などと話した。
広島の平和公園で行われていたボランティア活動。参加するのは兵庫県にある関西学院大学の学生や卒業生たち。学生とともに参加した関西学院大学の職員・鎌田さんは5年前に被爆体験伝承者となり、被爆の実相を伝える活動に取り組んでいる。講話で伝えているのは、ある被爆者の生き様。この生き様は、より若い世代にも影響を与え始めている。
広島・平和公園から中継。小倉康嗣さんは広島の高校生たちが描いた原爆の絵による継承を15年近く研究している。高校生たちは被爆者たちと何度も対話を重ね、半年から1年という時間をかけて絵を仕上げていくという。こういった取り組みを見てきた小倉さんは「継承とは事実を正確に伝達することに尽きるのではない。その事実を背負ってきた被爆者の経験や思いに関わろうとすること」などと話した。
今春、被爆者団体を解散した北海道。会館を引き継いだ北星学園大学の学生たちが訪れていた。学生たちは被爆者が遺してくれたものに触れた。