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オープニング映像。
岡山を拠点に活動する劇団の看板俳優の岡田忠雄さん。本格的に演劇を始めたのは88歳の時。きっかけは認知症を患う妻の介護だった。そんな岡田さんの苦しい日常を救ったものが演劇でいつしか生きがいとなっていた。
認知症の妻・郁子さんはほとんど寝たきりで要介護度は一番重い5。岡田さんはヘルパーなどの手を借りながら自宅で10年以上身の回りの世話をしてきた。この介護の苦しみを救ったのが菅原直樹さんとの出会いだった。俳優と介護職両方の経験を持つ菅原さんが提案したのが演技。老いや認知症をテーマにした「劇団OiBokkeshi」。岡田さんは看板俳優のおかじいとして舞台に立つようになった。こどもの頃から演劇が好きだった岡田さんは 若い頃日本舞踊を嗜んでいた。定年退職後、岡山で撮影された映画にエキストラで出演した。
ポータブルトイレットシアターは岡田さんの介護生活を題材にした作品。認知症の妻・春江を演じるのは20代の俳優。自分が20代だと勘違いしている妻の世界を表している。妻の世界を演技で受け入れることで夫婦の形を取り戻した。劇団OiBokkeshiに舞い込んだ熊本での公演依頼。劇団にとって岡山県外での公演は初めて。岡田さん自身の経験を作品にして多くの人に届けた。その2ヶ月後、岡田さんは脳硬塞で倒れ、自身が介護を受ける立場となった。岡田さんが倒れた日から妻・郁子さんは普段通っていた介護施設に預けたままだった。退院から2週間後、劇団の稽古に復帰し生き生きとした表情が戻ってきた。稽古の帰り道、介護施設へ行き妻と40日ぶりに再会した。その後、岡田さんの復帰公演が決まった。
岡田さんは高知市で復帰公演を行った。これまでと変わらぬ熱演を見せ足元がふらついてもアドリブで笑いに変えた。4年が経過し妻が96歳で死去した。夫婦に子どもはおらず70年近く暮らしてきた。岡田さんは胆管炎で倒れ舞台を降板。退院後サービス付き高齢者住宅に入居した。
2年ぶりの舞台に向けて稽古が始まった。出演するのは1年前岡田さんが降板した「恋はみずいろ」、この作品には演劇の経験がなかった人達が多く出演している。菅原さんは役者それぞれの個性にあったセリフや特徴を考え、台本を作る。岡田さんが今回演じるのは父親、娘の夢に反対し仲違いしたことを後悔し続けている役。本番前日岡田さんは最後の稽古にやってきた。流れをなかなか覚えることができず、不安の中本番を迎える。
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公演終了後岡田さんの楽屋には大勢の人が訪れていた。主治医の橋本医師や入居する施設の管理者・柴山さんの顔もあった。劇団はこの岡山公演の3週間後に福岡県久留米市での公演を控えている。柴山さんが久留米まで同行し岡田さんを全面サポートすることを申し出た。岡田さんは本番前の稽古に合流した。同行した柴山さんも医師役で出演することになった。
柴山さんは無事に出演を終え、ラストシーンに登場する岡田さんのサポートにまわった。多くの人達を動かした岡田さん、当初は出演が難しいと思われた久留米の舞台でも輝きを放った。
