2025年8月15日放送 21:00 - 22:00 NHK総合

ニュースウオッチ9
▽終戦の日各地で80年目の祈り▽まもなく米ロ首脳会談

出演者
広内仁 星麻琴 久保井朝美 竹野大輝 吉岡真央 姫野美南 野口葵衣 
(オープニング)
オープニング

オープニング映像。

(ニュース)
まもなく米ロ首脳会談 侵攻後初の対面は

アメリカのトランプ大統領は、ロシアのプーチン大統領との首脳会談に向け出発する前に「ことは重要だ!!!」と自身のSNSに投稿した。ロシアによるウクライナ侵攻が始まってから約3年半、侵攻後初めて対面で行われる首脳会談は約7時間後に迫っている。

日本時間あす まもなく米ロ首脳会談

トランプ大統領とプーチン大統領が、このあと日本時間のあすに直接対峙する。アラスカ州のアンカレジにはロシア側の代表団も続々と到着し、ラブロフ外相は「われわれには明確で分かりやすい“スタンス”がある。それを伝える」とコメントした。ウクライナを支援する人たちも集まり、現地で開かれた集会には500人余の市民が参加しウクライナに連帯を示した。州内に住むロシア系の住民からは、今回の会談で事態を打開することを期待する声も聞かれた。戦闘の早期終結の実現に意欲を示してきたトランプ大統領が、「ノーベル平和賞の受賞を望んでいると閣僚に伝えた」とノルウエーの経済紙が伝えた。出発の前日には、停戦に向けウクライナを交えた次の会談の重要性を強調した。ただ専門家は、今回の会談はトランプ大統領にとってリスクにもなり得ると指摘する。一方のプーチン大統領からは、会談の前日にトランプ政権の外交努力を評価する発言があった。欧米の制裁で経済状況の悪化が進む中、会談に焦点を移し制裁強化回避するねらいがあるとみられる。ロシア大統領府のウシャコフ補佐官はウクライナの問題が中心の議題としながらも、経済や貿易の分野も含めた2国間関係も議論されるとの認識を示している。

中継 まもなく米ロ首脳会談 現地の様子は

アメリカ・アラスカ州から中継でリポート。首脳会談は約7時間後に始まる予定で、高い関心が集まっている。前日には、会談が予定されているメディア米軍基地に関係者が次々と詰めかけていた。トランプ大統領は「プーチン氏は平和を望んでいる」と述べ、停戦交渉の進展に期待を示した。一方で会談が上手くいかない可能性について「25%ある」と回答し、予防線を張っているともとれ今回の会談が手探りであることもうかがえる。

まもなく米ロ首脳会談 希望と諦め 交差する思い

停戦を切実に望むのは、現地の人たち。ロシアの侵攻が始まって約3年半、人々の暮らしが脅かされ続けている。ウクライナで攻撃に巻き込まれて亡くなった市民は、少なくとも1万3,000人を超えている(OHCHR=国連人権高等弁務官事務所発表)。市民の会談への思いは、希望とあきらめが入り混じっているかのよう。

まもなく米ロ首脳会談 キーウでの受け止めは

ウクライナ抜きの首脳会談に現地の人たちは何を感じているのか、キーウ取材班の杉田沙智代は「期待を抱くというよりも、何かしらの変化につながってほしいとすがるような願いに近い感情を抱いている人が多い。ロシアによる侵攻が3年半にも及び、長期化によるウクライナの人たちの疲労は増すばかり。ウクライナ政府関係者は“突破口になるような結果はすぐには得られないのではないか”という見方を示していた」などとコメントした。2人の会談の行方は予断を許さない状況。

戦後80年
天皇陛下のおことば 初めて「語り継ぐ」の表現

日本が戦った先の大戦で、戦没者は約310万人にのぼった。長崎、長野・松本、兵庫・甲子園など、各地で祈りが捧げられた。都内で開かれた政府主催の全国戦没者追悼式には、全国から遺族代表など約4,500人が参列した。 総理大臣の式辞で「反省」の言葉が使われたのは、2012年以来となった。日本遺族会によると全国の遺族会会員は約35万世帯で、6年間で4割近く減少した。「記憶の継承」が課題となる一方で、秋田では子どもたちも戦没者に心を寄せた。特攻隊の基地があった鹿児島県南九州市の知覧町では、平和への願いを込めたスピーチが行われた。東京・九段の靖国神社には、早朝から多くの人が訪れた。国会議員では超党派の議員連盟のメンバー52人が揃って参拝し、閣僚では小泉農相と加藤財務相が参拝した。このほか自民党の小林鷹之元経済安保相、高市前経済安保相も参拝した。石破首相は参拝せず、自民党の総裁として私費で玉串料を収めた。先月の参院選で躍進した参政党は、当所属のすべての国会議員18人がそろって参拝した。閣僚らによる靖国神社への参拝などについて、韓国外務省は「深い失望と遺憾の意を示す」などとしている。中国の王毅外相は、記者会見で終戦から80年に触れ「日本の一部の勢力が歴史をゆがめようとしている」としたうえで「日本が正しい選択をするよう求める」と述べた。戦没者追悼式での天皇陛下のお言葉には、これまでなかった「語り継ぐ」という言葉が加えられた。ノンフィクション作家の保阪正康さんは「びっくりした。かなり主体的な意味の強いことば。主体的に戦争のことを語る、苦しかった人たちの思いを伝えていくという強い意思がある」などとコメントした。戦争当時に政府は徹底した情報統制に乗り出し、ラジオは国民の戦意高揚を図るメディアになっていた。広内仁は「世界に目を向けると、一瞬にして日常が破壊される危うさを感じざるを得ない。あの惨禍を決して繰り返さず、どう平和な暮らしを守っていくのか、報道する側も自問自答しながら伝えていく」などとコメントした。

(ニュース)
知床半島 羅臼岳 山中で遺体見つかる 不明の男性と確認

北海道でヒグマによる被害が相次いでいる。食害が確認された江差町の畑で昨夜スイカを食い荒らす1頭のヒグマ。知床半島にある羅臼岳ではきのう登山中の男性がヒグマに襲われたあと行方がわからなくなっていたが、きょう山中で1人が遺体で見つかった。警察は地元のハンターなどと共にけさから捜索した結果、一緒にいた登山者が110番通報した現場付近で男性のものとみられるシャツの一部や財布などが見つかった。午後には周辺でヒグマ3頭がハンターに駆除された。駆除されたクマのそばで1人が遺体で見つかったという。先ほど警察は行方不明だった東京の26歳の男性と確認されたと発表した。駆除されたヒグマについては北海道立総合研究機構が遺体に付着していた体毛などからDNAを分析し、男性を襲った個体か調べる方針。

きのう羅臼岳にいた男性は「友人がヒグマに襲われた」と通報した登山者から話を聞いたといい「『友だちの声がしてクマに襲われていた。自分は大きなクマで一瞬怖くて逃げ出してしまって、勇気を振り絞って助けに行ったがクマはたたいてもびくともしなくてそのまま連れて行かれてしまった』と憔悴しきった様子で泣きながら語ってくれた」と話した。現場付近の登山道は木が生い茂り見通しの悪い場所も多かったという。下山できなくなった登山者たちは集まってクマ撃退スプレーでを続けていたという。この男性はその後ヘリコプターで救助された。

知床半島は手つかずの自然が残り2005年に世界自然遺産に登録された。観光客や登山者は多い年で年間約180万人。その一方、世界有数のヒグマの生息地でもあり半島全体に計400~500頭が生息しているとされる。男性が行方不明になった登山道では今月に入り登山者に至近距離で近づくヒグマの目撃が相次いでいた。斜里町はおととい町の職員3人で登山道に入りパトロールを行ったがヒグマは確認できなかった。男性が襲われた様子を聞いた登山者は人気の山で人がたくさんいるので「多少安全だろうという思いがあったから非常にショック。(人を襲う)可能性は低いと感じていたので正直怖い」と語った。専門家は ヒグマは本来、人と遭遇すると立ち去ることが多いが観光客が多い知床半島では人に慣れているクマが一部いるとしたうえで「人に接近するヒグマが目撃されるような地域は立ち入り禁止にするなどの対策が必要」と話している。

今後の景気のカギ 「個人消費」に影も…

きょうGDPが発表された。今年4月から6月までの速報値で前の3カ月と比べた実質の伸び率が年率換算でプラス1.0%になった。しかし記録的猛暑の影響が懸念される。今後の景気のカギを握る「個人消費」に影を落としかねない。

猛暑での過ごし方に変化はあるのか街の人に話を聞くと「過度な外出はしなくてもいい」「(お盆は)外に出ないようにしていた」などの声。暑さの影響でビアガーデンも空席が目立つ。集客を見込んで平日の営業時間を正午に早めたが厳しい暑さが続き、平日の日中時間帯は600ある席のうち100席程度しか埋まらないことが多いという。開催期間を1か月延長し利用客を増やしたいとしている。動物園ではサルもぐったり。7月の来場者数は6000人程度と過去10年平均の6割ほどに落ち込んでいる。動物園では午後に行っていた乗馬体験を午前中に実施するなど対策をしているが「集客に苦労している」と話す。

暑さと消費がどう関係するのか、第一生命経済研究所・新家シニアエグゼクティブエコノミストは「暑すぎる夏は景気を悪化させるのではという見方が増えている。昔は暑いと消費が増えると言われていたが35℃を超えるような異常な暑さとなると消費を冷やしてしまう」と語った。要因としては生育不良で食料価格が高騰したり、電気使用量など生活費が増え、暑さや大雨で外出が減ることなどを指摘。

静岡・三島市にある屋外の観光施設では観光客を呼び込もうと様々な暑さ対策を施している。吊り橋やアスレチックなどが楽しめるこの施設ではことし初めて熱中症対策グッズブースを設置。ボディミストや冷感タオル、塩分タブレットなどを無料で配布。日傘も貸し出している。用意してある70本すべてが出払うこともあるという。暑い時間を避け来場できるようにことしは例年より1か月ほど早く朝7時から営業。これまでは例年並みの集客を維持しているという。猛暑に企業はどう向き合えばいいのか、新家氏は「サービス関連だと涼しい状況を作り出す、暑い夏でも来たくなるようなイベントを開催するなど”異常な暑さが通常のものとなる”と覚悟を決め暑さに対応した人々の行動を盛り込んだ企業の対応が必要になる」と話した。

九州 記録的大雨 過酷な環境で捜索・復旧作業続く

記録的な大雨が降った九州では過酷な環境で捜索や復旧作業が続いている。橋が崩れた霧島市。九州での最初の大雨特別警報からきょうで1週間。広範囲で浸水被害が出た福岡・福津市ではボランティアによる活動が始まった。午前中から気温が30℃を超える暑さの中、作業が続く。きょうは九州など各地で気温が上昇。日中の最高気温は三重・桑名市で38.2℃、埼玉・久喜市で37.7℃、大分・日田市で37.2℃など猛烈な暑さとなった。最高気温36.4℃を観測した熊本市では行方不明者の捜索が規模を拡大して行われた。行方不明の60代男性は11日の記録的大雨で市内の川が増水し、車の運転中に流されたとみられる。九州ではこれまでに6人が死亡、2人が行方不明。

避難所での生活を余儀なくされている松崎さんは今月8日の大雨で住宅が床上まで水に浸かった。室外機が浸水しエアコンも使えなくなった。松崎さんは自宅の片付けに追われながら熱中症への懸念から避難所で過ごしている。熊本・八代市ではきのうから保健師を避難所に派遣し避難している人たちの健康状態を確認している。市はあす以降も保健師による健康確認を毎日予定。保健師は「無理して自宅の掃除をしている状況がある。熱中症予防に気をつけてもらいたい」と話した。西日本を中心にあすも18の府と県に熱中症警戒アラートが発表されていて熱中症に要注意。

父親を殺害か 男子中学生を逮捕

群馬・桐生市の自宅で父親の首などを包丁で刺し殺害したとして、殺人の疑いで15歳で中学3年の男子生徒が逮捕された。男子生徒は交番に自首してきたという。調べに対し「父親を刺して殺したことは間違いない」と供述。凶器とみられる包丁は自宅で見つかった。捜査関係者によると、事件の動機について原因が複数あったという趣旨の供述をしているという。

米ロ首脳会談へ 稚内市は

ロシアによるウクライナ侵攻で日ロ関係が悪化する中、ロシア極東のサハリンと経済的なつながりが深い北海道・稚内市ではアメリカとロシアの首脳会談で事態の打開につながるか関心が高まっている。稚内市は旧ソビエト時代から文化や経済の交流を進め人の往来も盛んだった。稚内市サハリン事務所・佐々木陽平所長は「状況を注視していくほかないが早く正常な形に戻ってほしい。状況が許せば従前どおりの交流を復活させたい」と語った。

空自機墜落 エンジンなど回収開始

ことし5月に航空自衛隊のT4練習機が愛知・犬山市の池に墜落し隊員2人が死亡した事故で、池の中に沈んだままとなっているエンジンなど大型部品の回収作業が始まった。きょうは機体の一部がクレーンでつり上げられた。この事故では航空自衛隊が事故調査委員会を立ち上げ、部品を調べるなどして事故原因の究明を進めることにしている。

3週ぶり↓ 値下がり幅わずか

全国の約6000店舗で今月10日までの1週間に販売されたコメの平均価格は5キロあたり税込み3508円と前週より7円値下がりした。3週ぶりの下落となったが値下がり幅はわずかで、農林水産省は”備蓄米の販売ペースが落ち着き価格に与える影響が薄れてきている”とみている。地域ごとでは最も高かった北陸が4022円、最も安かった東北は3235円だった。

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