2025年9月23日放送 22:15 - 23:13 テレビ東京

ワールドビジネスサテライト
WBS【トランプ大統領 国連演説で何を語る】

出演者
豊島晋作 竹崎由佳 原田亮介 
(オープニング)
オープニング

オープニング映像。

(ニュース)
トランプ氏 国連演説 何を語る

日本時間午後10時からニューヨークで国連総会の一般討論演説が始まった。現在は国連のグテレス事務総長が演説しているがこのあとアメリカのトランプ大統領が演説を行う予定。トランプ大統領はこの演説で自身の功績を世界に向けてアピールするものとみられる。また各国で広がっているパレスチナを国家承認する動きやウクライナ情勢についても何を語るのか注目されている。ホワイトハウスは「国際機関が世界秩序を著しく衰退させたとの批判にも触れる」としており国連に対するトランプ大統領の批判的な姿勢が鮮明に打ち出されることになりそうだ。

国連は今年創設80年の節目を迎える。グテレス事務総長はウクライナやガザでの紛争などに対して「今回こそ、答えと行動が求められている」と強調していた。ただ当事者たちを取材すると国連に対する不満が多く聞かれた。一般討論演説を前にイスラエルに抗議するデモが国連前で行われていた。その怒りの矛先は、国連にも向けられていた。紛争を止められない国連に対して不満が募る中、22日にパレスチナ問題をめぐる会合が行われ、フランスなど5か国がパレスチナの国家承認を宣言。承認した国は国連加盟国の8割を超えるおよそ160か国となった。各国は紛争終結に向けてイスラエルへの圧力を強める狙いだが、イスラエルとアメリカは会議に出席せず承認を表明した国に反発。日本は今回、承認を見送った。

ニューヨーク市内の教会では多くのウクライナ人が平和への祈りをささげていた。ロシアによるウクライナ侵攻の開始から今年で4回目の国連総会になる。ホリーナさん親子の故郷パブログラードはは前線にほど近く、幾度となくロシア軍の標的になった。ほとんどの財産を失いながらも2年半前、ニューヨーク郊外の街にたどりついたという。しかし、トランプ政権は1月、ウクライナからの避難民を受け入れてきた特例制度を突如、停止した。ホリーナさんは就労資格を失い娘のヴィクトリアさんも大学を退学。在留資格の延長の見通しは、まだ立っていない。国連総会でもトランプ大統領が大国のリーダーとして何を語るのか祈るような気持ちで見守る。ニューヨークでウクライナ人コミュニティ向けに発行されている新聞でも、国連総会の特集記事出ており国連を体が大きく動きが遅い象になぞらえて「象がついに動くときがくるか」といった見出しをつけてウクライナでの戦争を止められない国連を批判している。

常任理事国で最大の存在感を持つアメリカがもう反国連である以上、厳しい状況の中で国連が存在感を取り戻すためには国連自身が変わったと世界に向けて発信する必要がある。国連は、来年の予算を前年比で15%カット、そして職員数も19%減らす方針を明らかにした。痛みを伴う改革で国際社会からの信頼を取り戻す狙いがある。ただ、結局はアメリカの動向に左右される側面が強く、こうした予算削減も国連分担金の支払い停止をちらつかせるトランプ政権に対応したもの。国連を軽視するトランプ大統領がカムバックしこのあとの演説でどんなメッセージを発するのか、国連の組織改革を占う意味でも大きな意味を持つことになりそうだ。

野党連携や経済政策で論戦

ポスト石破をめぐる自民党の総裁選挙。今年7月の参議院選挙で大敗し党の立て直しが急務となる中、5人の候補は野党との連携や経済政策などをめぐり論戦を交わした。今日午後、5人の候補が自民党の青年局と女性局が主催する討論会に出席。質問に立った地方議員らからは自民党が今、直面している厳しい現状が指摘された。衆参両院で少数与党となる中、討論会に先立つ共同記者会見で高市前経済安全保障担当大臣は「安定した政治ではなければさまざまな重い課題が解決出来ないことを考えると連立の拡大を目指したい」と述べた。また、林官房長官は大敗した参議院選挙の公約に掲げた現金給付について「これをベースにして与野党で成案を得る努力をしていきたい」と述べた。一方、茂木前幹事長はアメリカと合意した関税交渉をめぐり「さらなる引き下げも考えたい」と踏み込んだ発言もあった。物価高への対応をめぐりいずれの候補も早期に経済対策の策定を指示する考えを表明。また、5人ともに派閥の政治資金事件をめぐり収支報告書に不記載があった議員を要職に起用することは否定しなかった。こうした中、自身の後任となる総裁について石破総理大臣は5人のうち閣僚を務める林官房長官と小泉農林水産大臣を念頭に「基本的な政策を引き継いでくださる方」と発言したが、具体的な名前を挙げなかった。5人の候補者は明日、都内で開催される街頭演説会に参加するなど来月4日の投開票に向けた論戦が活発化している。

公共事業 各地で計画に遅れ

野音の愛称で親しまれる日比谷公園大音楽堂ではきょう、使用休止を前にステージや楽屋が一般公開された。野音は大正12年に日本初の本格的な野外音楽堂として開設。フォークの殿堂やロックの聖地として愛されてきた。前回の改築から40年以上がたち再整備工事のため来月1日から使用を休止する。バリアフリーを充実させるほか舞台裏の設備を拡充させる予定だ。野音をめぐっては東京都が2023年に整備から運営までを一括で担う事業者を公募したものの建設資材の高騰などが影響し応募はなかった。その後、都が主体となって設計と工事を行うことにしたが、当初の計画から1年遅れて解体工事に着手し2029年度中の完成を目指している。このような公共事業の計画の遅れは各地で相次いでいる。伝統芸能の聖地と呼ばれる国立劇場は建て替えのため2023年に閉場したが2度にわたって入札不調が起きている。国は当初の事業費500億円に予算を200億円積み増したが、更なる上振れが想定されていて入札条件を緩和するなど計画が見直されている。さいたま市では公園内に5000人規模のアリーナを建設する予定だったが今年1月に実施した入札が不調に終わった。事業費は当初の見積もりよりもおよそ60億円膨らんでいるという。建設資材の物価指数は今年1月から8月までの平均が141.2ポイントと5年間で40ポイント近く上昇している。公共事業の入札不調による再開発の遅れは各地で続きそう。

解説 相次ぐ文化施設 建て替え 人件費・資材急騰で難航も

多くの公共施設で入札の不調などで再開発が遅れるという影響が出ている。東京周辺では文化施設の建て替えや改修が相次いでおり、帝国劇場の他に東京文化会館などもこれから休館になる。これらは高度経済成長のときに建てたもので老朽化や耐震強度が足りず時代に合わなくなってきている。公共施設だと一般競争入札が原則なので、当初計画に比べて資材や人手不足の問題があって建設コストが急騰しており、入札不調で工事が始まらない原因になっている。自治体だと議会の承認も必要で、純粋な民間施設の改修とか修理だとコストが上がった分は民間の負担ということになるが、公共施設は基本的に税金で改修されるのでひいては住民の負担増になったり安全にも関わるのだ。原田亮介は「人手不足が日本経済のボトルネック、経済成長のくびきになっている。問題の構造は埼玉県で起きた下水道管の破裂による道路の陥没事故と同じで、インフラの老朽化で改修が追い付かずに費用の増大に伴う予算の確保ができない」と指摘。できることは、とにかく早い段階で手を打つ、例えば補修費用を事前に積み立てておくなどしかないという。

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オープンAIに最大15兆円投資へ

アメリカの半導体大手NVIDIAは22日、対話型の生成AI、ChatGPTを開発したOpenAIに最大2000億ドル、日本円でおよそ15兆円を投資すると発表した。両者は少なくとも10ギガワット規模のデータセンターを建設し数百万台のGPUを活用して次世代のAIモデルを開発運用する。NVIDIAのジェンスンフアンCEOは声明で「この提携は次なる飛躍を示す。10ギガワットの計算能力で次の知能の時代を動かす」としている。

世界の成長率3.2%に上方修正

OECDはきょう公表した経済見通しで今年の世界全体の実質経済成長率を3.2%と予測した。アメリカのトランプ政権の関税強化に先立ち企業が駆け込みで生産や貿易を行ったことで6月の予測から0.3ポイント引き上げた。日本は1.1%の見通しで0.4ポイント引き上げている。

TikTok巡り 週内に大統領令署名へ

アメリカのホワイトハウス高官は22日、中国系の短編動画投稿アプリTIkTokのアメリカ事業をIT大手オラクルなどの企業連合へ移管させると明らかにした。実質的な買収でトランプ大統領が今週後半に取引を承認する大統領令に署名する。評価額は数十億ドル、日本円で数千億円規模となる見通しだ。また、親会社の中国のIT大手バイトダンスのアメリカ事業の保有株式は20%未満とするという。

4-6月期の経常収支 2513億ドルの赤字

アメリカの商務省が先ほど発表した4~6月までの経常収支は2513億ドルの赤字だった。赤字額は過去最大を記録した前の期から42.9%減少した。モノの貿易赤字が減少したのが主な要因だ。経常赤字のGDPに占める比率は3.3%で前の期から減少した。

旧統一教会の韓総裁を逮捕

韓国の特別検察官は旧統一教会(世界平和統一家庭連合)の韓鶴子総裁を政治資金法違反などの疑いで逮捕した。ソウル中央地裁が逮捕の可否を決める審査を行い証拠隠滅の恐れがあるとして逮捕状を発付した。韓総裁は教団に便宜を図ってもらう目的で尹錫悦前大統領の妻などに不正に金品を贈った疑いが持たれているが容疑を否認している。

習主席 新疆ウイグルを訪問

中国国営メディアは習近平国家主席が今日、新疆ウイグル自治区の成立70年の祝賀行事に出席するためウルムチ市に到着したと報じた。中国の最高指導者がこの自治区成立の祝賀行事に出席するのは初めてとなる。8付きにはチベット自治区成立60年の祝賀式典にも出席する。

(ニュース)
車部品メーカー 異業種に挑戦

続いては100年に一度の変革期にある自動車業界の新たな動き。EVへのシフトが進む中、EVには必要ない部品を作っている企業はこのままでは生き残れないと危機感を強めている。群馬県伊勢崎市に本社を置く山田製作所は売上高およそ900億円の自動車部品メーカー。主力はエンジンの部品として使われるオイルポンプやウォーターポンプ。オイルや水を循環させることで燃費を向上させる重要な部品だが、モーターで動くEVには使われない。山田製作所の佐藤賢社長はEV時代に生き残るため、積極的な投資を始めている。来年度に導入するのはEVのバッテリーケースなどを製造する超大型のマシン。実は山田製作所、得意とするポンプの技術ですでに異業種へ進出している。

群馬県桐生市、山田製作所の施設の中にある巨大水槽の中で泳いでいるのはクエとタマカイという魚をかけ合わせたハイブリッド種。海のない群馬県で3年前から陸上養殖を始めた。現在、育てているのは1500匹のクエタマ。海のない群馬県で大量の海水を運んでくるにはコストがかかりすぎる。そこで生かされるのがエンジンのポンプ技術だ。水の流れを分析するノウハウを生かして独自のろ過システムを開発した。人工海水の汚れを分解するのがバクテリア。繁殖を促すため水の流れを、ろ過槽全体によどみなく行き渡らせている。山田製作所が育てたクエタマを提供しているのが伊香保にある老舗の温泉旅館。山田製作所の社員が養殖場で神経締めした鮮度抜群のクエタマで懐石料理を提供している。

車部品メーカー 異業種に挑戦 チェーンだらけの植物工場

EV化の波を受けて自動車部品メーカーが異業種への挑戦を始めている。京都・京田辺市にある売上高およそ2800億円の椿本チエイン。主力製品がエンジンの動きを正確に伝える役割を担っている「タイミングチェーン」。世界シェアは42%でトップだがEVには不要な部品となっている。そこで、生き残りをかけチェーンを使った新たなビジネスに乗り出した。それが「次世代の植物工場」。天井から床までレタスの棚がズラリ。その数16段。種から苗に育つまでは人手が必要だが、そのあとは全自動。出荷まで人の手を介することがないため従来の植物工場に比べ半数程度の人員で生産が可能になった。自動化を支えているのが主力製品のチェーン。種を植えてから42日後、出荷できる状態のレタスが出てきた。EV化が進む中、木村隆利社長は植物工場を新たな事業の柱に育てたいと考えている。

WBS X
大人が熱狂!中国発の新ブーム ブラインドボックス

中国でブームを巻き起こしているブラインドボックスが今、日本でも急速に広がっている。おもちゃビジネスの最前線を取材した。午前8時、東京・池袋では朝早くにもかかわらず施設内にはおよそ400人にも及ぶ大行列ができていた。この日、オープンしたのは中国のおもちゃ会社トップトイの日本1号店。売りは、かわいらしい見た目が特徴のぬいぐるみNOMMIちゃん。ただ、客が次から次へと購入するのは中身の見えない箱。トップトイが仕掛けるのは数年前から中国で流行しているブラインドボックスと呼ばれるおもちゃの売り方。日本でも親しまれているカプセルトイに着想を得たとされているが価格は2000円台や6000円台と高めでその分、商品も高品質なのが特徴。中には72分の1の確率でしか当たらない商品もある。プレオープン時にはこうしたレアな商品を当てようと客が殺到した。

客の行列を見つめていたのは中国から来日したトップトイの孫元文CEO。34歳の若手起業家だ。子供ではなく目当ての種類を当てるまでまとめ買いができる大人をあえて狙っているという。ブラインドボックス旋風の震源地・中国ではこの市場をリードするのがポップマート。多くの客でにぎわっているがほとんどが大人の客。森に住む妖精がモチーフの独自のキャラクター、ラブブをブラインドボックスで販売し世界的に大ヒット。イギリスのロンドンでもラブブを求めて大人が長蛇の列を作った。日本でもラブブをつけて街を歩く女性がちらほら見かける。ポップマートは現在、原宿や渋谷など国内11か所で直営店を展開。今月6日には大阪難波に店舗をオープンした。ブラインドボックスの市場規模は2025年は50億ドルおよそ7500億円に達するとの試算もあり、2033年にかけて年平均15%で成長すると予想されている。

日本企業も急ぐ 大人市場開拓 ブラインドボックス

開けるまで中身のおもちゃがわからないブラインドボックス。日本でも、大人の間で急速に人気が広がっている。その波は国内最大級のおもちゃの展示会「東京おもちゃショー」にも及んでいる。老舗おもちゃ店も動き出していた。トイザらスのバイヤー、越智雅彦さんはブラインドボックスの担当。女性がメインターゲットの中国企業とはブラインドボックスの中身で差別化を図る。この会場で目をつけたのはスポーツユニフォームを着たトムとジェリー。来年2月から発売予定の新商品では今後の販売に向け、話を進めることで合意した。少子化で市場の縮小に危機感を抱くトイザらスでは去年から国内のおよそ3割にあたる店舗で大人向けエリアを設置しブラインドボックスをコーナー化した。こうした店舗を増やし、大人市場の開拓を急ぐという。

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