- 出演者
- 豊島晋作 原田亮介 竹崎由佳 横堀拓也
オープニング映像。
高市総理大臣は日本を訪れているアメリカのトランプ大統領と初めて対面で会談し経済安全保障分野での協力強化を確認した。今回の会談を3つの視点で読み解く。高市総理とトランプ大統領の会談は予定より5分ほど遅れて開始。その理由について、高市総理は会談前に急きょ、大谷翔平選手が出場したワールドシリーズの試合を一緒に見たと説明した。高市氏の発言にトランプ氏も笑顔で応じ会談は和やかな雰囲気で始まった。会談で両首脳が繰り返し挙げたのが安倍元総理大臣の名前をあげた。高市総理は総裁選でも訴えた「JAPANISBACK」と書かれた帽子に加え安倍元総理が使っていたパターをトランプ氏に贈呈し親密さをアピールした。さらに、ホワイトハウスは、高市総理がトランプ大統領をノーベル平和賞に推薦すると伝えたと明らかにした。トランプ氏との会談の中で表明したものとみられる。トランプ氏と蜜月な関係を築いた安倍元総理。前嶋教授は今回の会談では安倍元総理が陰の主役だったと指摘する。一方、トランプ氏が高市総理を不安視する側面もある。番組が注目したのがトランプ氏が、これまで不十分だと不満を示してきた日本の防衛費について。今日の会談で、トランプ氏は日本政府による防衛費の増額やアメリカ製の装備品の購入を評価した。高市総理は、防衛費をGDP比2%に引き上げる目標を2年前倒しして今年度中に達成するとしていてトランプ氏に対し直接、防衛費の増額に取り組む決意を伝えた。規模感に関するやり取りはなかったとしている。
会談の後、高市総理は大統領専用ヘリ「マリーンワン」に乗り横須賀のアメリカ軍基地に停泊中の原子力空母、ジョージワシントンに向かった。海兵隊隊員およそ数千人を前に高市総理は「日本の防衛力を抜本的に強化し、平和と安定を一色積極的に貢献する」と述べた。これに対しトランプ氏は日本が運用する最新鋭のステルス戦闘機、F-35用のミサイルを自衛隊に近く納入すると明らかにした。そして、番組が注目した3つ目のポイントが「対米投資」を巡る交渉。会談後、レアアースなど重要鉱物の安定確保に向けた協力覚書にも署名した両首脳。中国が採掘の69%、加工で92%のシェアを握るレアアースについて中国への依存から脱却するため半年以内に投資を開始し日米両国で新たなサプライチェーンを築く狙いだ。さらに先の交渉でアメリカが日本への関税を引き下げる代わりに日本側が受け入れた5500億ドル、およそ80兆円規模に及ぶアメリカへの投資の実現を約束する文書にも署名した。こうした日米の経済分野での交渉についてピクテ・ジャパンの市川眞一氏は日本による対米投資の実現は不透明だと指摘した。今回の日米初顔合わせはうまくいったと見ているが今後、アメリカがより厳しい要求を突きつけてくる可能性もあると強調した。
今回の日米首脳会談で日本側の最大の狙いはトランプ大統領とともに日米同盟がかつてなく強固であることを国内外に示すことだった。外務省幹部は「日米同盟の強さを見てわかる形で発信したい」と意気込んでいたが、両首脳がアメリカの軍事力の象徴である原子力空母、ジョージワシントンに降り立ち戦闘機や多くのアメリカの軍人たちの前で揃って演説する姿にはかなりのインパクトがあった。まさに日米同盟が目で見えるという演出が効果を発揮したと思う。今回の首脳会談ではトランプ大統領から想定外の要求をされるんじゃないかという懸念もあったが、高市総理は相当に入念な準備をして首脳会談に臨み、首脳会談に同席した1人は「総理の対応はパーフェクトだった」と話すなど満足のいく内容になったようだ。両首脳についても「2人は相性が良いようで会談の雰囲気は終始良かった」と評価する声が聞かれた。ワシントン支局の宇井五郎記者はその理由は「トランプ大統領がこのあと最大のヤマ場を控えているから」と指摘。それがあさって、次の訪問先の韓国で行われる米中首脳会談だ。トランプ氏としては、この会談の直前に日本との同盟関係を強調する必要があったという。2019年にも当時の安倍総理とトランプ氏は海上自衛隊の護衛艦「かが」を共に視察していて高市総理になっても、この方法を踏襲しジョージワシントンへの視察でインド太平洋の安全保障への関与を強調。さらにレアアースに関する合意を含め中国への圧力を強める狙いがあった。ただ今後の日米関係について宇井記者は「楽観はできない」と指摘。アメリカからのハードルの高い要求は今回はなかったが、首脳会談の冒頭に注目するとトランプ氏は官僚による何らかの紙を用意したり見たりすることなく、日本による防衛装備品の購入、あるいは貿易について発言していた。あくまで交渉、ディールに来たんだというトランプ氏の普段の姿で、今後、日本がGDP比で2%としている防衛費を例えばヨーロッパ並みの5%程度に引き上げるそういったことを求めてくる可能性もある。また横堀キャップも「日本はサハリン2でロシアからLNGの購入を続けているがトランプ政権はロシアへの圧力を強めるため日本に購入をやめるよう働きかけており今後、その要求を強めてくる可能性もあると思う」と指摘した。
日米両政府は今日、総額で最大4000億ドル、およそ60兆円規模に上る投資案件を公表した。午後6時前。東京・港区のアメリカ大使公邸に黒塗りの車が続々と集結。降りてきたのはトヨタ自動車の豊田章男会長やソフトバンクの孫正義会長など日本企業のトップ。午後7時過ぎから開かれたのはアメリカで新たな投資を検討する日本企業がアメリカ政府などとの間で交わした覚書の披露式。ソフトバンクグループはアメリカの大規模電力インフラのために最大250億ドル、およそ3兆8000億円を投じる。トランプ大統領は、トヨタが全米各地に工場を建設する予定でその総額は100億ドル、およそ1兆5000億円を超えると明らかにした。これに先立ち、日米両政府はアメリカに対する投資案件を列挙した文書を公表。エネルギー供給やAI向けのインフラの整備など総額4000億ドル、60兆円相当の案件に企業が関心を持っているとしている。日立製作所は先月、送配電網の強化などに10億ドル規模の投資を表明していて日米両政府の戦略的投資は歓迎するとしている。ただ企業によっては実現に向けて、温度差もあるようだ。赤沢経産大臣も関税交渉でアメリカ側と交わした総額5500億ドルおよそ80兆円の対米投資のうち、今回の4000億ドル分がどこまで成立し組み込めるかは見通せないとの見解を示した。
今後は日本の企業がどうトランプ政権と向き合っていくのかということが課題になるわけなのだがこの対米投資枠80兆円で本当に採算が取れるのか。原田涼介は「今日、公開された文書を見て金額が最も大きいのは日立製作所とGEベルノバっていう会社が手掛ける次世代の小型原子炉の開発で1000億ドル、ウェスティングハウスと三菱重工、東芝などの陣営が従来型の原子炉も含めてやっぱり1000億ドルっていうことで合計で30兆円を超える大事業になる。日立陣営のSMRはカナダで当局の認可を受けて30年末に稼働しようっていうそういう実績がある案件なのだ。ただ、このリストにはAI時代の電力需要に対応する発電や送電のインフラっていうのが数多く含まれていて、多くの企業も実際、日本企業も手を挙げてる部分もある。」と指摘した。一方「この紙にはないのはアラスカのLNGの案件があるですけれど、これは言及がない。つまり採算性などでハードルが非常に高いってことなんだろうと思う」とコメントした。3月にJETROが海外事業やってる会社にアンケートしたところによるとアメリカに対する事業、アメリカで事業拡大をしようっていう会社が圧倒的に今、多い。自動車などの関税は今、アメリカに対して15%で負担になるですけれど製造業の採算レートが127円くらいで15%の円高。つまり140円台半ばなら採算自体は取れる。それでも関税は今後も税収としてビルトインされるので政権が例えば今後、民主党に代わったとしてもおそらく税率は下がることにならない。とすれば中長期的にやっぱり投資をしてそこで市場開拓してはメリットが大きいという。また中国は経済低迷、人口減少、日本人の社員が拘束されるといったリスクもあるということで輸出先としてもアメリカは伸びて中国は減速していくと見込まれるという。
スマートフォンなどでの株取引を提供するmoomoo証券が東京・表参道に初のリアル店舗をオープンした。香港に拠点を置く大手オンライン証券の子会社で、日本でのアプリのダウンロードはすでに150万を数える。店舗ではアプリの操作方法や口座開設などの相談ができるほか定期的にセミナーを開く予定で、今日のセミナーは立ち見が出るほどの盛況ぶり。日経平均が5万円の節目を突破する中、個人投資家から日本株の急ピッチな上昇に過熱感を気にする声も聞かれた。その日本株の今後を占う上で注目されたのが今日の取引終了後に発表された半導体検査装置を手がけるアドバンテストの決算。4~9月期の決算は売上高が1年前から60%増えたほか純利益は2.4倍と大幅に増加した。また来年3月まで1年間の純利益の見通しは従来の2215億円から2750億円に上方修正した。AI(人工知能)向け先端半導体の需要拡大を追い風に2年連続で最高益を更新する見通しだ。日本株の上昇はまだまだ続くのか。moomoo証券の伊澤フランシスコ社長は「短期で行けば過熱感は否めないが、長期的にはまだ日本の指数はあがっていくと思う」と分析していた。
2022年に安倍元総理を銃撃したとして殺人などの罪に問われている被告の初公判が開かれた。事件をめぐってこれまで被告は母親が旧統一教会の信者で多額の献金の末に破産し恨みがあったなどと供述していた。今日の初公判で被告は「間違いない」と殺人罪の起訴内容を認めた。検察側は襲撃によって旧統一教会への批判が高まると考えたと指摘した。一方、弁護側は銃刀法の発射罪など一部の罪について争う姿勢を示した。判決は来年1月21日に言い渡される予定。
アメリカのトランプ大統領は高市総理との会談後、北朝鮮による拉致被害者の家族と面会した。トランプ氏は「拉致問題が常に心の中にある。やれることは全てやる」などと述べ問題解決に向けてアメリカ政府も支援に全力を挙げる方針を伝えた。当初はルビオ国務長官と家族が面会する予定だったがトランプ氏が急きょ参加した。
茂木外務大臣と中国の王毅外相は今日、電話会談し戦略的互恵関係を引き続き進めていくことで一致した。茂木外務大臣はレアアースの輸出管理などについて強い懸念を伝えた一方、王毅外相は「歴史問題や台湾問題は相互の信義に関わる重要な問題だ」と述べ高市政権の姿勢に釘を刺した。
アメリカ財務省は27日、ベッセント財務長官が片山財務大臣との会談で為替レートの過度な変動を防ぐため健全な金融政策の策定が重要だとの認識を示したと明らかにした。ベッセント氏は、アベノミクスの導入から12年が経過し状況は大きく変わったと指摘したとされ円安をけん制する狙いとみられる。
三菱ふそうトラックバスが下請け企業に部品の金型などを無償で保管させていたとして公正取引委員会は下請け法違反を認定して再発防止の勧告をする方針を固めたことがわかった。三菱ふそうは、遅くとも2024年以降、下請企業50社以上に対して、長期間発注する見込みがないにも関わらず、トラックやバスの部品の金型など、およそ5000個を無償で保管させていたという。
映画「国宝」や「鬼滅の刃」などヒット作が続いているソニーミュージックの村松俊亮社長に日本のコンテンツを海外にどう売り込むのかその戦略を語ってくれた。宇多田ヒカルやKing Gnuなど数多くの人気アーティストの楽曲を手がけるソニーミュージック。今年3月までの1年間の売上高は4400億円を突破した。本人は「僕が当てたわけではない。とにかく挑戦したいという機運が強く、われわれ経営陣はそれをリスペクトしている」と話している。村松氏は音楽事業のトップに就いて以降ORANGE RANGEや西野カナといった人気アーティストを輩出してきた。今、新たに注目を集めているのが映画。6月に公開された「国宝」はソニーミュージックグループが制作している。興行収入は160億円を突破し実写の邦画で歴代1位に迫るヒット。さらにアニメ「鬼滅の刃」もソニーミュージックグループの作品だ。世界での興行収入は900億円を超えている。村松氏は「ゲーム、音楽、漫画、実写にしてもセカイでしっかりマネタイズできる可能性が高く、国の基幹産業とすべきではないか」とコメントした。
世界に目を向ける村松社長は経済産業省内で立ち上げられた研究会で講演の機会が与えられた。アニメや音楽など日本のコンテンツ産業の輸出額は5兆8000億円。半導体や鉄鋼産業を上回り自動車産業に次ぐ規模となっているが、政府が掲げる目標はその売上高を2033年に20兆円に拡大すること。村松社長は経団連の一員として会議に参加しコンテンツ産業への投資などを政府に呼びかけている。日本のコンテンツを海外へ。そこで今年、村松さんが会長を務める日本レコード協会など音楽業界の5つの団体が新たな法人を立ち上げ「MUSIC AWARDS JAPAN」を初めて開催した。アーティストやレコード会社のスタッフら5000人の投票でその年を代表する楽曲などを決める新たな音楽賞で「日本版のグラミー賞」を目指すという。村松社長が考える、この時代を生き抜くうえで必要な視点は「情熱を殺さないこと」だと主張した。
運営管理機関連絡協議会が調査した企業型確定拠出年金の加入者数の推移を見ると年々、加入者は増加していて今年3月末時点では860万人が加入している。ただ、大企業に比べると中小企業の加入者数はまだ進んでいない。こうした中、その導入を後押しする新たなプロジェクトが発表された。名古屋市にある、富士凸版印刷は企業の広告やパンフレットなどを制作している。創業62年目のこの会社で3代目の山本登美恵社長には、ある悩みがあった。それは「社員の老後資金の形成」。富士凸版印刷では今年7月に企業型の確定拠出年金、いわゆる企業型DCを導入した。企業型DCとは企業が毎月決まった金額を拠出して従業員がその資金を自ら投資信託などで運用する制度。運用成績に応じて、退職時に受け取れる金額が変わる。富士凸版印刷は従業員15人の中小企業だが導入には壁があるという。そこで知人から紹介を受けたファイナンシャルアドバイザーの協力を得て、制度を導入。従業員向けに、定期的に研修会を開いている。山本社長は研修会をはじめとした社内での金融教育を重要視している。ただ、こうした中小企業での企業型DC導入は道半ばだとFPの中浜さんは指摘する。こうした課題を解決しようと今日、アメリカの大手資産運用会社とNPO法人が連携し中小企業向けに金融型DC導入を支援する新事業を発表した。専門家から助言を受けられる体制などを整えて企業型DCシリーズを導入した従業員100人未満の企業を認定し1社につき20万円の助成金を交付する仕組みだ。
今日の東京株式市場でニデックの株価が19%下落し値幅制限いっぱいのストップ安で取引を終えた。東京証券取引所が今日付でニデック株を特別注意銘柄に指定したほか日経平均株価などの構成銘柄から除外されることが決まり売りが膨らんだことが要因。ニデックをめぐってはグループ内で不適切な会計処理の疑いが浮上していてニデックは今日「ガバナンスおよび内部管理体制の整備と強化を図り信頼回復に向けて尽力する」とのコメントを発表した。
KDDIは今日、大阪府堺市のシャープ堺工場跡地に建設していたデータセンターを来年1月下旬に稼働させると発表した。アメリカのNVIDIAのGPUを導入し4月から企業や団体の利用を受け付ける。またKDDIはGoogle傘下の日本法人と生成AIを使って記事や出版物を検索する個人向けサービスを来春に始めると発表した。
中国当局は今日、台湾与党民進党の沈伯洋立法委員を分裂主義の活動に関わった台湾独立分子として捜査を始めたと発表した。沈氏は台湾の民間防衛組織、黒熊学院の発起人で中国による武力攻撃や認知戦に関する知識を市民に広めてきた。専門は犯罪学で日本と台湾の与党による外務防衛の会議に出席するなど政党間交流にも関わっている。
アメリカの株式、為替、金利、商品の速報値を伝えた。
株高が今後も続いていくかについて解説。原田良介によると高市政権は意外に財政政策が堅実で、片山財務大臣は放漫財政を懸念する声に対して今のところ歳出カットに力点を置く発言でシグナルとして長期金利が普通上がるが、そういうこともなくて、むしろ下がっているという状況だ。もう一つは自民党内には財源確保のために金融所得課税を求める声がある、この点についても片山財務大臣は慎重だが、ただ今後、マーケットがどう見るか。少数与党で高市政権、国会論戦に臨まなきゃいけないし、野党との交渉もある。1つはガソリン税暫定税率の廃止。財源が1兆5000億もかかり、臨時国会中にやれっていうのが与野党合意の合意だっていうことなのだがこの財源がまだ見えてこないっていうことが一つ。2つ目は、連立を組んでる日本維新の会がセンターピンだと言ってた衆議院議員定数の削減。これが果たして臨時国会中にできるかといえば自民党内にも反対の声があって非常に不透明だという状況。だから、その政治的な安定性っていうのはやっぱり国会の審議の中で少し揺らいでくる可能性があると思う。高市政権以外で今の株高を支えている要素はAIブームだと指摘。明日マイクロソフトやメタの決算発表の行方を注意してみる可能性があると指摘した。
