- 出演者
- 眞鍋かをり 織田信成 高橋茂雄(サバンナ)
オープニング映像。
ニッポンにご招待したら人生が変わっちゃったのはフランス・セロンスに住むのブノワさん。彼の家を訪問。部屋の中には日本の民芸品がずらり。ブノワさんはこの家で息子、妻と3人暮らし。彼が特に好きなものは浮世絵。歌川広重の東海道五十三次 二川がお気に入り。
ニッポンに行ったことがないブノワさんは浮世絵の技法を使った木版画製作に挑戦している。パソコンで図案を作成し板を削り数枚の版木で色を重ねていく。伝統的な浮世絵の技法を使い忠臣蔵をモチーフにした浮世絵が完成。版木の見当という印に和紙を置くためズレないという。休日は浮世絵製作に没頭するブノワさん、家族で遠出の旅行などに何年もいけていない。妻は彼の幸せが私の幸せだと語った。そんなブノワさんを日本にご招待。報告を受けたブノワさんは涙を流して家族と喜んだ。
約4年前に初来日し、ブノワさんは茨城・常総市の浮世絵の工房・渡辺木版へ。彫師の渡辺和夫さんと摺師の吉田秀男さんはコンビを組んで50年以上、主に江戸時代の浮世絵を手がける。ブノワさんは工房の浮世絵を見学した。近年は北斎とドラえもんのコラボ版画など新しいモチーフの作品も製作しているという。ブノワさんは歌川広重が好きだと話し、渡辺さんは広重作「大はしあたけの夕立」を特別に制作した。大はしあたけの夕立は広重の最高傑作のひとつ、ゴッホも模写した。この日は重要な部分をブノワさんのためだけに見せる。伝統的な浮世絵はまず地墨で輪郭を摺る。そして木版画の鍵は水。版木を水で濡らし水で溶いた絵の具と糊を加える。紙は越前の手漉き和紙。湿らせた和紙に摺ると繊維まで絵の具が浸透する。
全部で25摺り。使う色は17色。和紙や版木は季節などによりわずかに伸び縮み。摺師は見当を削ったりして合うように調整する。
近日公開予定の内容を紹介。
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約4年前、浮世絵を愛してやまないブノワさんを日本に招待。摺師は見当を削ったりして合うように調整する。そしてここから摺師最大の見せ場。それは当てなしぼかしとよばれる高等技法。いよいよ大はしあたけの夕立の主役の雨。そこには雨の激しさを表現する広重ならではの工夫が。まず渡辺さんが雨の彫りを見せた。激しい夕立を表現する秘密は、版木全体の黒い絵の具。さらに雨の角度が違う2枚の版木を重ねる。ここでブノワさんが摺りに挑戦。ばれんを包む竹の皮には筋目があり横方向に動かし筋目の跡が出ないようにする。ブノワさんが彫師・摺師の渡辺さん、吉田さんに自分の作品を見せた。課題は色のノリの不十分さ。改善するための道具の使い方を教わった。
その夜、渡辺さんの奥さんが日本の家庭料理をブノワさんに振る舞った。常総市石下名物のクロサワの若鶏などを味わったブノワさんはお土産のワインをプレゼント。彫師の渡辺さんと摺師の吉田さんは一緒に仕事をして50年以上、後継者はいないという。そして渡辺さんは秘蔵コレクションを見せた。
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浮世絵を愛してやまないブノワさんを日本に招待してから4年が経ち、ブノワさんからのビデオレターを渡辺さんと吉田さんに届けた。ブノワさんは吉田さん達にもらった広重の版画を大切にしているなど話す。そして現在進行中の浮世絵の制作の様子を見てもらった。渡辺さん達は糊はダメだとダメ出しするがぼかしはきれいに摺られていると褒める。ブノワさんから「見当がずれる」と相談され吉田さんは親指の爪を伸ばしておいて押さえると説明した。
ブノワさんが作った新作は来日した時に思いつき、町の中にいたカラスが印象的だったと話した。作品をみて「4年であれだけ摺れるようになったら大したもんだ」と感想を述べた。さらにブノワさんの「モルガット」という作品は2018年に出版されたブルターニュ地方がテーマの木版画全集に掲載され、さらにブルターニュの美術館に所蔵された。そんなブノワさんから「雲母摺り」に使う糊について質問。吉田さん達は牛革から作る「膠」と説明。膠をお湯で溶かし、版木に馴染ませ摺り込み、貝でできた雲母を振りかける。固まれば雲母は落ちないと説明した。
VTRを振り返りトーク。ブノワさんの作品がブルターニュの美術館に所蔵されていることに驚く一行。4年で版画もレベルアップしていたと述べた。
- キーワード
- ブルターニュ(フランス)
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4年前ご招待したブノワさん続いて、神奈川・大磯町にあるばれん工房 菊英の本ばれん職人・後藤英彦さんを訪ねた。後藤さんは日本唯一の本ばれん職人。ばれんの構造を見て写真を撮るブノワさん。後藤さんはばれんの当皮を一つを作るのに6~8ヵ月かかると説明した。当皮の和紙は明治時代の大福帳の紙を使用する。和紙を50枚貼るのに最低50日間必要。漆を塗り重ねて当皮ができる。
後藤さんは摺師が一日使う道具のため軽く弾力性が必要と説明。そして作品の仕上がりを左右するのがばれん芯。福岡・八女市のみで生育するカシロダケを使う。10年前に生産者が廃業、後藤さんは自らカシロダケの竹林を整備している。使える僅かな部分のカシロダケをカットし水に浸してさらに選別する。細く割いた竹の皮でばれん綱を編む。さらに合わせて太いものを作っていく。円形に巻いたら完成。
そして後藤さんがブノワさんに相模湾を一望できる高台に案内。なかでも後藤さんが見てほしかったのが富士山を眺める景色。ブノワさんは自身の作品、使っているばれんを後藤さんに見せた。中身はナイロン製のばれん芯。後藤さんはこの道具でよくやっているとコメントした。後藤さんは中身が違う5つのばれんを用意。違いはばれん芯。摺師は場所によってばれんを使い分けるという。ブノワさんが試してその違いを体験した。
そして、ブノワさんはばれん職人の後藤さんと月宮で乾杯しいなり寿司などを食べた。後藤さんは奥さんと美術学校で知り合った。ブノワさん夫婦も美術学校で知り合ったと語った。