- 出演者
- 池田伸子 伊藤海彦 瀬戸光
オープニングの挨拶。
今日も各地で猛烈な暑さとなった。午後4時までの最高気温は、福岡・久留米と宮崎・加久藤で37.6℃を記録した。一方、各地で急な雷雨も。昼過ぎから夕方にかけて東北南部と関東北部では猛烈な雨が降ったとみられ、記録的短時間大雨情報が発表された。これまでの雨で福島県と栃木県では土砂災害警戒情報が発表されている。
憧れの宝石の代表格といえばダイヤモンド。今大きな変化の波が訪れている。科学の力で作られた合成ダイヤ。見た目は天然ダイヤと見分けがつかないが、値段は3~5割安い。合成ダイヤはじわじわと広がりを見せている。
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- エマ・ワトソンサセックス公爵夫人メーガン
東京・銀座の百貨店にあるジュエリーショップ。4年前、合成ダイヤの市場拡大を見越して百貨店独自のブランドとしてオープン。天然ダイヤでは実現できない贅沢な使い方も。100粒を敷き詰めた指輪は量産できる合成ダイヤだからこそ実現できた指輪。しかし今、ジュエリーの市場規模は1991年の3分の1ほどに。高価なダイヤなどの需要は減少している。そんな中、ダイヤ離れを食い止めたいと合成ダイヤに期待を寄せる企業が。比較的手頃な価格の合成ダイヤなら若い世代にもアピールしやすいと専門ブランドを展開している。
合成ダイヤモンド市場は今後もさらに拡大するとみられており、世界中で新たな企業が参入している。日本のメーカーも進出しようとしている。合成ダイヤモンドを量産する上でとても大事なものが種結晶。合成ダイヤモンドを作る装置の中に基盤をセットする。この基盤が種結晶と呼ばれており、炭素を結晶化させたもの。合成ダイヤの赤ちゃんのようなもの。装置の中は真空で高温状態で、そこに炭素を含むメタンガスを注入しながらマイクロ波を当てていく。種結晶の上でメタンガスの中の炭素が結晶化して積み上がって厚みが出来ている。大きさにもよるが1週間から10日ほど装置の中に入れておくとダイヤの赤ちゃんが原石に育っていく。周りについた余分な結晶を切り落として研磨すれば合成ダイヤモンドの完成。合成ダイヤモンドによって徐々に天然ダイヤの価値も落ちつつあるという。ただ合成ダイヤモンドの技術が発展していって供給も需要も上がっている。種結晶の基盤が大きければ大きいほど大きな合成ダイヤモンドが出来るが面積を大きくするのが大変なこと。
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- 合成ダイヤモンド
種結晶の製造メーカー社長 藤森直治さん。この会社では半導体デバイスなどに使う工業用の素材として合成ダイヤモンドを扱ってきた。宝飾品需要の高まりを受けて13年前から種結晶の販売に着手、5mm角の小さな種結晶から販売を始めより大きなものを目指し開発を続けている。種結晶の品質をコントロールするのは至難の業。僅かなホコリが混入するだけでも黒い斑点や亀裂などの欠陥が生まれてしまう。面積の広い種結晶を作ろうとするとその分欠陥が生まれるリスクも高まる。そこで藤森さんたちはガスの注入方法や種結晶の成長条件を何度も変えて試行錯誤を繰り返してきた。一般的に流通している種結晶の多くが10mm角前後で30mm角の結晶の開発は10年がかりで得た大きな成果だという。30mm角で暑さを4ミリにすれば原石は約80カラットくらいの重さになる。大きな種結晶を武器にして開発しようとしているのがデザイン性の高いジュエリー。効果な天然ダイヤモンドではなかなかチャレンジできない複雑なカッティングも大きな面積を贅沢に使って試行錯誤出来る。藤森直治さんは、以前の価格帯とは違うものとしてダイヤを扱っていくことはもうできる、今後どのくらいのバリエーションが広がるか魅力的なものを実用化したいと話した。
小宮智可は、昔アフリカのダイヤモンド工場を取材した時に合成ダイヤモンドを見たことがあるが、技術が発達しているのでもう別物のような大きさなものまで出来るようになったと話した。藤森さんたちの会社では来年を目標に合成ダイヤモンドのジュエリー販売をスタートさせたいという。
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