2025年7月21日放送 19:30 - 20:15 NHK総合

大追跡グローバルヒストリー
アラスカにかけた謎の日本人を追う

出演者
上田晋也 劇団ひとり 佐藤大史 
File04 アラスカにかけた謎の日本人を追う
世界に眠る歴史記録を徹底調査!

世界各地のアーカイブに眠る歴史記録を徹底調査すると謎の日本人の存在が明らかになった。今回はアラスカ。アラスカの可能性に100年以上前に着目し、事業を起こし尊敬を集めた謎の実業家がいた。

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アラスカ(アメリカ)
スタジオトーク

アラスカ在住経験のある劇団ひとりと写真家の佐藤大史がゲスト。劇団ひとりは小学生の頃約3年間アラスカに在住。川にシャケがみっちりいて子ども頃は手で捕まえていたという。佐藤さんはアラスカに通って15年、毎回野営しながら大自然や動物、先住民の暮らしを撮影している。

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アラスカ(アメリカ)シャケ
アラスカで謎の日本人を徹底取材

追跡班はアラスカの州都・ジュノーにある今回の調査起点にやってきた。1階のアラスカ州立博物館ではアラスカの風土や歴史に関わる美術品などが2万7千点以上ある。2階のアラスカ州立図書館には18万点以上所蔵されている。アラスカで活躍した日本人の調査を依頼した。最初に紹介されたのは冒険家・植村直己。さらに、時代をさかのぼって調べてもらうと、犬ぞり師・和田重次郎。そんな中、ランドリー経営者のハリー・カワベと呼ばれていた川部惣太郎が尊敬を集めていたという情報を得た。日本の記事や新聞を検索したがヒットしない。今回は川部惣太郎を追跡する。

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川部惣太郎がランドリーを営んでいたスワードにやってきた。小さな港町で人気の観光地でもある。ボートハーバーで聞き込みをすると、カワベパークという公園があるという。手がかりを求めて市役所に行くと公文書が残っていた。2002年の市議会で公園の名称がカワベパークに決まった。名称を検討する議会に参加していたダグ・カプラ氏から話しを伺う。ダグさんはアラスカの歴史を研究している。この場所にハリー・カワベのランドリーがあったことを知っていて、スワードの発展に大きく貢献し尊敬されていたという。ダグさんはカワベの名前を後世に残したいと考え提案した。カワベはシアトルにいて、そこからアラスカに来たという。

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追跡班はカワベのルーツを追いかけるためシアトルに移動。カワベ メモリアル ハウスにやってきた。ここは主にアジアからの移民者が暮らす高齢者施設でカワベの遺言によって建てられたという。多くの写真とカワベの履歴書があった。経営者として成功することを夢みて、16歳のカワベは1人でシアトルにやってきた。当時は日本人街も形成され5000人もの移民がいたという。カワベも日本人街周辺で暮らしたとみられる。日本人街の歴史を後世に伝えようと写真を展示しているカフェを訪ねた。カフェが入る建物は戦前はホテルだった。

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グローバルヒストリークイズ

戦前、ホテルの地下で営まれていた商売とは?という問題が出題。正確は銭湯。

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アラスカにかけたカワベとは?

シアトルでカワベについて調べた作家のローレンス・マツダさんを訪ねた。カワベはハウスボーイとして働きながら英語を習得したという。その後、モンローでホテル・カフェの経営に乗り出したが、そこは農村で客が来ず経営は行き詰まり、すぐに破綻してしまった。18歳のカワベは事業に失敗し無一文になった。そんなときに、アラスカでは料理人の給料が高いと聞き、アラスカ行きを決意した。

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知られざる日本人の足跡を徹底調査!

劇団ひとりさんはカワベが18歳で倒産したというのもデカいかもしれない、まだいくらでもやり直しがきく年齢だと話した。佐藤大史さんは年齢もさることながら、行動力・決断力がすごいと話した。

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謎の日本人はなぜアラスカで尊敬されたのか?

18歳のカワベはアラスカのポートグラハムで造船会社の料理長の職を得た。その頃からハリー・カワベと名乗りはじめた。しかし、皿洗いをする白人の給料が自分の倍だったことに愕然とする。努力しても不条理な待遇は変わらなかった。カワベは転職を決意し、コルドバに移り住み、再び料理人として働く。そんなとき、コルドバ近郊のシュシャナで金が採掘された。ゴールドラッシュはアラスカの複数の場所で起き、金で富を得ようと思った人々が各地に押し寄せた。

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グローバルヒストリークイズ

ゴールドラッシュで大成功をおさめた先祖を持つ有名人とは?という問題が出題。正確はトランプ大統領。祖父のフレデリック・トランプはゴールドラッシュで採掘者を相手にホテルやレストランを経営し、その後、トランプ家はニューヨークで不動産業を手がけるようになった。

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謎の日本人はなぜアラスカで尊敬されたのか?

23歳のカワベもゴールドラッシュにかけた。アラスカの日系移民の研究者・ロナルド・イノウエさんはカワベについて調べ論文を書いていた。新たなビジネスに挑むカワベだったがゴールドラッシュは長く続かなかった。採掘者は立ち去り、カワベの商店は借金だけが残った。それでもカワベはくじけず、借金返済のために、街の人のために水を運ぶ仕事をはじめた。借金を完済した25歳のカワベは心機一転新天地のスワードへ向かう。スワードにある博物館の学芸員のアリソン・ステイシーさんに話しを聞く。この頃、スワードからアラスカ鉄道の建設がはじまり街は活気づいていた。カワベは鉄道が敷かれ、ビジネスが確立されていくと予想してこの地にやってきたという。カワベは生活に不可欠な選択に着目しランドリー経営をはじめる。1921年の新聞にカワベの記事があり、アラスカで最も近代的なランドリーと記されていた。事業は波に乗り、メインストリートに店を構えるまでになった。今回の取材で貴重なランドリーの店内の写真が見つかった。さらに、カワベは港に停泊する船をみて、衣類を回収し洗濯して届けるサービスをはじめた。1924年、日本からアメリカへの移民を事実上禁止する法律が成立。晩年、カワベは当時のことを反日感情のために多くの困難に直面したと語っている。ある時、停泊する船の船長が日本人のランドリーは使わないと言った、懸命に働くカワベの姿を見て市長がそれなら船を停泊させないして手を差し伸べた。カワベは多くの仲間ができたとも語っている。カワベは誠実な仕事で信頼関係を築き上げていった。アラスカ鉄道や陸軍など大手とも次々と契約を結んでいった。カワベは一部のビジネスが移民に制約されている中で不条理な法律に立ち向かい、訴えは認められ酒類などの販売ができるようになった。その後、幅広い事業を手がけ、街の発展に貢献していった。子どもがいなかったカワベは事情を抱えた子どもたちを積極的に受け入れた。

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知られざる日本人の足跡を徹底調査!

佐藤大史さんは、カワベはアラスカで受けるエネルギーがあったのかもしれないと話した。劇団ひとりさんは、移民の制約について、今も同じことを繰り返していると話した。

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アラスカで活躍したもう1人の日本人とは?

スワードの海沿いにあったのは和田重次郎の銅像。和田重次郎は17歳のときに渡米し、伝説の犬ぞり師となった。犬ぞりは極寒の雪道で薪や水などの生活物資や郵便物の輸送手段としても活用されていた。今は国際的なレース大会が開かれるなど、アラスカの国民的スポーツとなっている。元スワード市長のエドガーさんは、彼の犬ぞりによる開拓が今の高速道路や鉄道の整備につながっていると話す。和田の最大の功績はスワードからアイディタロッドの鉱山まで約900キロに渡る道の開拓だった。道の開拓は危険の連続だったが、和田は先住民を頼りにした。スワードハイウェイは和田の開拓をきっかけに作られ、今も人々の生活を支えている。

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知られざる日本人の足跡を徹底調査!

上田晋也は寒いところに必要なのは熱、言葉が通じなくても情熱は通じるんだと話した。

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劇団ひとりさんはカワベは最初の頃は自分のためだったが、それがいつしか周りのためとなって力がより一層大きくなったんじゃないかと話した。佐藤大史さんはカワベの事を知らなかったので、驚いた、バイタリティに打たれる部分があったなどと感想を話した。

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