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オープニング映像。今夜は昨年デビューしたばかりの新型船「ベルーガエース」に密着。ルートは太平洋を横断しアメリカまで35日、航海距離2万キロの航海で船長の松本さんら総勢24名の乗組員が運航する。
航海初日、広島港ではベルーガエースでは新車の積み込み作業を行う。船内では高さを変えることができるデッキがあり、無駄なスペースを無くす工夫がされている。積み込む車は降ろすことを考えてバックで駐車し、ドライバーが降りるのを確認して次の車が入ってくる。その作業は1台13秒くらいで1フロア約300台が約1時間で終了し、約2000台が積み込められる。その日の午後6時30分に出港。経費節約のため着岸は短時間で行う。翌日には中関港で2日間かけて約3000台の車を積み込む。車の積み下ろしをするチームは「ギャング」と呼ばれサイドミラーをみないで車を駐車していく。
フロアには穴が多数あり、これは車を固定するためのベルトフックを引っ掛けるものとなっている。最終的には通路も駐車スペースとして活用。車には降ろしやすいように順番を指定したカードを置き、ベルーガエースには計約5000台の車が積み込められた。
積み込み作業が終了したベルーガエース。クレーンを使って食材などが積み込まれている。ベルーガエースには3つの冷蔵・冷凍庫があり、日本を出港後メキシコで補充する。燃料は重油で満タンで2000トンを入れる。車の出入りするランプウェイが閉じたら海面近い所が出入り口なる。さらには船内にはエレベーターが設置されている。操舵室は高さ45mの所にあり船長の松本さんらが出港準備が進められていた。そして、午後6時30分に山口・中関を出港した。
ベルーガエースの操舵室には最新鋭の機器が設置されている。操舵を行う機器のハンドルは小さく、自動操舵モードにより設定進路を入力する事で船の進路を保針するようになっている。船は無人で操舵はするが見張りの当直は人の目で確認している。船の受ける潮の流れなどを確認し調整のため進路を変えたりしている。
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ベルーガエースにある船員たちがどのように過ごしているのか潜入。大島さんの部屋には机やベッド、トイレ・シャワーなどが設置されており、船の揺れ対策もOKとなっている。船長の部屋は大型テレビなど豪華な使用となっている。船長室からは操船の様子も確認できミニ操舵室となっている。松本さんは船乗りになったキッカケは大阪湾で開かれた帆船祭りで帆船に乗りたいと学校に入ったと話す。そんな松本さんは10年前に妻が病死してしまい残された娘のために船を降りたが、母が世話を引き受けてくれ再び船乗りに戻った。
広島港から出港してから4日目。食事風景をみせてもらった。食事は船内の食堂&ラウンジで取り、この日はピーマンの肉詰めなど。夕食は和食が中心で日替わりとなっているが飽きさせないため中華やイタリアンの日もある。厨房ではオスカーさんをはじめ3人のフィリピン人の方が調理を担当。メニューは曜日感覚を養うため日曜日は肉料理と決められている。調理場のコンロは電気コンロが使用されている。また、食堂のテーブルにも船の揺れ対策がされている。
広島港から出港してから7日目。船員立ちは約5000台の車をチェックしている。船は横揺れ以外にもジュゲに揺さぶられる時があり、その場合ベルトが切れ車がぶつかり何十台という損傷も発生した事例がある。車のチェックを終えた永井さんは海面に近い部分で波の様子を確認した。
エンジンルームに潜入すると運動不足解消のため毎日行われているビデオ体操が行われた。エンジンにはスクリューがあり船を動かしている。そんな中、エンジンルームでアラームが鳴る。このままだと船の電源がすべて落ちる可能性があるという。3つある電源のうち1つに原因があるようで予備のものに切り替え危機は回避した。そんなエンジンルームのトップである機関長の三宅さんはプラモデルから始まりいろいろ作るような事が大好きで繋がっているなど話す。そんな三宅さんは後輩の育成にも力を注いでいる。
広島港から出港してから9日目。ベルーガエースは暴風雨に襲われる。操舵室では11本あるワイパーがフル稼働。その頃永井さんは積荷をチェック。船内には波が船体を叩く音などがし、目視も大切であるがこれらの音で正常か異常かというのも判断するという。寒冷前線を通過し事なきを得た。ベルーガエースは日付変更線をまもなく通るところだった。食堂では誕生日の進められていたその相手は乗船している「ベルーガエース」だった。料理に出ていた生野菜は船内で栽培されていたもので海水を汲み上げ、蒸留して船内すべての水をつくっている。
ラウンジにやってきた古賀さん。ラウンジにはWi-Fiがあり世界中どこからでも電話ができる。古賀さんは彼女さんに電話していて、下船したら結婚しようといろいろと進めていると話した。当直は24時間体制で交代している。出港から13日目、船内では掃除が行われていた、船内には焼却炉があり燃えるゴミは650℃の熱で焼却している。また、潮風でサビるためペンキ塗り欠かせない作業となっている。また、アッパーデッキにはバスケのコートがあり、船内にはトレーニング部屋などがあった。
問題 「トレーニングルームの中で機関士2人ですることは?」と出題。正解は散髪だった。トレーニングルームで散髪するのは床がフローリングで掃除しやすいためである。
広島港から出港してから18日目。メキシコが近づく中線内ではトラブル発生していた。このままだとメキシコで車を降ろした際船が傾く危険性がある。1等機関士の猪熊さんが配電盤を確認する
広島出港から19日目、バランス装置に異常が発生、不安を抱えて航海する中、猪熊隼人さんは虱潰しに原因を調べるも特定できず。20日目、故障箇所が見つかり部品交換をするとバラスト装置が立ち上がった。21日目、イルカの大群が歓迎してくれた。航海中はイルカやクジラなどと出会える。ラサロカルデナスから無線が入り1隻の小型船が急接近した。メキシコの水先人・クルーズ・セブラさんが乗り込んできた。水先人とは世界の港や海峡で船長をサポートする専門家で海域の地形などを知り尽くし出入港を助ける。出入港の時、タグボートが牽引する。
最初の寄港地ラサロカルデナスは経済特区に指定されている産業の街。日本から満載してきた車の積み下ろしではメキシコのギャング100名が集まり、日本のギャングが車を降ろす順番を指定したカード通りに素早く車を降ろしていく。船に乗せられた約5000台のうち約1000台がメキシコに降ろされた。午後8時、メキシコで野菜や果物などの食料を補充。午後9時、船員たちは広島を出て20日ぶりに上陸した。港近くの屋台街へ行きわずか2時間、買い物や食事を楽しんだ。午後11時、港に戻ると船には煌々と光が灯っていた。
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- ラサロカルデナス(メキシコ)広島県
中米のメキシコシティでは世界各国の外資系自動車メーカーが販売合戦を繰り広げている。高級住宅街で日本車を探してみると多くの数がある。取材を行っているとプエンテスさんが乗り心地を紹介。1年半乗っているが変な音は全くしないとコメント。他の国の車では半年すれば障害が出てくると語る。道路があまり整備されていないメキシコでは壊れにくい日本車は大人気とだという。友人の日本車好きの男性のコルテスさんは、子どもたちからも愛されていたとスマホの写真で紹介した。
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- メキシコシティ(メキシコ)
広島出港から26日目に自動車船のベルーガエース号で、5時間もかけて燃料を切り替える作業を密着。パナマ運河やカリブ海では環境保全のために燃料を軽油にしなければならない。重油のタンクをとめ、軽油を流し養分を少なくしていくという。エンジン・ボイラー・発電機に使う重油を軽油に替える作業を紹介。その間も走り続け、パナマ運河に到着。全長80kmの道を超える。パナマ運河は水位を調整する閘門でカリブ海に出るという。100年前に着工し1914年に開通。多くの船が待つ中、船は順番待ちをせずに通行できる権利を購入。その際には小さい船に注意をしなければならない。いかりは9tで鎖は約340mという。降ろすと船が接近し、パナマ水先人と打ち合わせを行う。通航待ちの船をみながらパナマシティの近くを通る。入り口にはアメリカ橋もある。この先にパナマ運河を通過した後、パナマ運河の通行料について問題が出された。
自動車船のベルーガエース号がパナマ運河を運行する様子を伝えた。ミラフローレス閘門を通過するためが、ベルーガエース号は大きいために両岸の隙間はわずか65cmしかないという。船のエンジンを停止させ、ロックセラーと呼ばれる人がロープを投げ、電気機関車に結び付け牽引させる。小さなミスでも大事故に繋がりかねず、実際に事故担っている様子などが伝えられた。水門を閉じ水を注ぎ、水位を合わせて、水門を開き前進させる様子を伝えた。その後ペドロミゲル閘門を通り、チャグレス川を通り、ガツン湖を通りガツン閘門を通り同じ工程を通る。ドックの幅もギリギリとなっている。約8時間をかけて船を通過させるという。
その後カリブ海を出て、ベルーガエース号はアメリカのジャクソンビルを目指す。船上ではプールもある。そしてカリブ海と言えばキャプテン・フィリップスなどで代表される海賊。実態についてカリブ周辺では被害が増える一方。油を盗む海賊もいる他、人質などさらって船ごとどこかに持って行く海賊が恐ろしいと語る。カリブの海賊の対策に対し、防弾チョッキと防弾ヘルメットを常備している。さらに船を守る装備として、レーザーワイヤーと呼ばれるはしごをかけて入り込まれないようにする取り組みもある。さらにマネキンについても見張り役が甲板にいるように立たせるという。