2023年11月12日放送 10:05 - 10:50 NHK総合

明日をまもるナビ
(101)ここまで進んだ“ドローン防災”

出演者
塚原愛 
(オープニング)
オープニング

新たにサービスが始まったドローンは農作業からビルの点検までデリバリーが出来たり、空を飛び夜空のショーまで披露している。今注目されるのはドローンで防災と災害現場での活躍でこの夏に豪雨で孤立した家に全国で初めて救援物資を届けていた。新たな機体も続々と登場し5機がチームで飛ぶドローンは災害現場の緻密な画像を数分で作成し、行方不明者などを迅速に捜索できる。自動で避難を呼びかける世界初のシステムなど防災への活用をドローンは広げている。オープニング映像が流れた。

(明日をまもるナビ)
火災現場で活躍広がるドローン

ドローン防災の「59.3%という数字」のクイズについて村上佳菜子は「ドローンを扱える方々で日本中の59.3%」などと答えている。正解は全国の消防本部の内ドローンを導入している割合で約6割に上っている一般的な防災ツールだという。防災に活用するのにドローンは期待されていた物なのかの質問に対し、内山さんは「災害現場は行けない・見えない・分からない為ドローンで見る事が出来れば安全に次の救助の計画が立てたり二次災害のリスクが無いか確認して活動している」などと話している。期待されているツールは機体の所有者などの登録が必要で飛行が禁止されている区域などがあるため許可申請が必要。ドローンの主な機能を3つ見ると「知る」は被害状況の把握や記録、「伝える」は情報伝達や避難の呼びかけで「運ぶ」は救援物資の運搬だった。「知る」についてはこれまでドローンを使った事が無かった住民の方々が自分達の街を守るために動き出しているという。

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防災科学技術研究所 火山研究推進センター
ドローンで災害を把握 市民も担い手に

地域の人が集まって始まったのは災害に備えたドローンの飛行訓練で地震や災害の被害を察知し、自分達で守ろうと動いていた。神奈川県・相模原市の光が丘地区では町内会が共同でドローンを災害への対策に活かす活動を去年始めていた。立ち上げたのは堀口眞さんで、この街に住んで50年で防災活動のリーダーを長年勤めている。堀口さんがドローンを使い始めたのは地震による火災の備える為で光が丘地区には住宅が密集している場所が少なく大地震が発生したとき建物の焼失が多い地区だという。阪神・淡路大震災のような大地震が起きれば複数の火災が発生し、強制の消防活動が追いつかない事態も懸念されている。自分達で初期消火をしても119番通報の情報は地域に入らず火災を早期に発見出来るか不安だったが、ドローンなら早く火災を発見できると堀口さんは法制度の勉強会を開いていた。堀口さんが目指している構想は大地震が発生した際、地区に5か所ある学校の校庭から技術を持ったメンバーがドローンを飛ばし空から煙や火の手を探すという。火災が見つかれば町内の6か所にある設備で消化し、消防車を待たずに自力で消し止めたいと考えている。

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光が丘地区(神奈川)冨田林市(大阪)火の見櫓阪神・淡路大震災

ドロー ンを使って市民が強制に貢献する動きがあるのは大阪・富田林市で活動する防災ボランティアサークルのスクラムだった。メンバーは30人で防災に係る出前講座や避難所の運営などを行っていた。4年前からドローンを使った活動もスタートし、操作方法の勉強会などを開いていた。活動の中心を担うのはメンバー8人のドローン部会で去年からは全国でも珍しい任務を担い富田林市と災害時の情報提供で協力する協定を結んでいる。協定では市から依頼を受けたスクラムが土砂災害の発生現場などで動画を撮影し、市は人や車が近づけない場所の被害情報を知る事が出来る。動画は市の各部署で共有するほか将来、消防や警察なども共有し救助や復旧に活かす事を目指している。今年の9月には市と共同で初めて撮影の訓練が行われ訓練は土砂崩れの範囲が拡大していないか調べるという想定で行われた。訓練は持ち主から許可を得た土地で周囲の安全を確保して行われ飛行ルートに人が近づかないようにスタッフを複数配置。高さやスピードなどどんな画質で撮影すれば適切な被害を記録出来るのか検討しながら撮影している。訓練は無事終了し市役所で映像を再生しようとするとSDカードが読み込めず画面に使用禁止の通知が表示され共生のパソコンでは情報漏洩などを防ぐため記録媒体の仕様が制限されていた。セキュリティのかかっていないPCを用意すると動画再生が可能となりドローンの映像を市の各部署の他、警察や消防で共有する方法は今後検討する事になったという。

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スクラム冨田林市(大阪)富田林市役所
ドローンで災害を把握 市民も担い手に/ドローンの精密画像を共有 救助を迅速に

災害時ドローンの能力を最大限いかす方法は、ドローンで撮った画像を関係機関に共有すること。2018年、西日本豪雨のとき、広島市の要請を受けて内山さんがドローン調査を行った。3箇所で834枚写真を撮影した。撮った写真を100枚以上つなぎ合わせオルソ画像を作成した。オルソ画像と普通の地図を重ねるとどの住宅が被災したかなどがすぐに分かるという。SDカードが読み込めないことについて内山さんは「情報セキュリティーって非常に厳重に守られていて、全国の自治体、警察、自衛隊でも課題になってる」などと話した。

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伊能忠敬平成30年7月豪雨自衛隊
ドローンで災害を把握 最先端の開発

今年発売されたあるドローンの特徴は全機そろって動くことができる。広大な土地の画像を撮る場合は分担して飛行。解像度も高く行方不明者の迅速な発見などに大きな効果を発揮するという。一方、ドローンで注目される、もう1 つの特徴が認識技術。SOSを求める人や煙を探知。人の目に頼らず災害を把握できる。千葉大学ではキャンパス内にベンチャー企業も設立し最先端の機体も製造している。

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千葉大学
ドローンで災害を把握 強みは多彩なカメラ/災害現場で役立つドローン 飛行のルールは/ドローンで避難訓練 AIが自動音声で

サイバー攻撃の対策を施した国産初小型空撮ドローン「SOTEN」は、サーマルカメラも搭載されていて闇の中でも被災者を発見できるという。サーマルカメラはある程度煙もある程度通すので、煙の奥に人がいないかどうかを見ることもできるという。ドローンに搭載して防災に役立てることができる機器にはレーザーもあり、距離や高さ、土砂の量などを測ることができる。災害の種類によってドローンに乗せるものが変えられることが強みだという。平常時はドローンの飛行に許可が必要な場所があり、人口集中地区の上空や空港などの周辺、150m以上の上空などがある。災害時には、自治体の要請があれば飛ばせるようになるという。一方、場合によっては現場上空は緊急用無空域と指定されると、ドローンの飛行が禁止になる。ドローンを防災に役立てる機能で「伝える」があり、情報の伝達や避難の呼びかけをするドローン「災害対応アナウンサードローン」というものがある。4年前から品川区で導入されている。AIが29の言語に自動で翻訳してくれる。

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SOTEN品川区(東京)東日本大震災
ドローンで避難訓練 津波から命を守りたい

仙台市が「津波避難広報ドローン」を6年がかりで開発し、去年運用を始めた。サーファーや釣り人など海辺にいる人たちに呼びかける。仙台市では津波の情報を市内50カ所のスピーカーで伝えてきた。しかし東日本大震災では津波の浸水などでその半数以上が機能しなかった。そこで情報伝達の方法を増やそうと開発したのがこのドローンだという。開発メンバーの1人の高橋さんは、長年消防局に務めてきたという。高橋さんたちが目指したのは、市民だけでなく市民を守る人たちの安全も確保すること。東日本大震災では、避難を誘導していた消防職員や警察官なども数多く津波の犠牲になった。高橋さん自身もあの日、消防の司令室で津波に襲われた人の119番通報を受けていた。新たなドローンのシステムは、機体から通信網まで仙台市が独自に開発。津波警報・津波注意報などが発表されると、2機のドローンが自動で飛行。海岸線約7kmを避難を呼びかけながら飛行。映像を送り現場の状況も知らせる。

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仙台市仙台(宮城)大津波警報東日本大震災津波注意報津波警報津波避難広報ドローン

金子さんは、津波が来た時に呼びに行った人も被害に遭われたなどとし、少しでも1つの命を守るという意味ではこれは思いが素晴らしいなどとコメント。内山さんは、ここまで行けたのはレアなケースで凄いことだという。内山さんがドローンに注目したキッカケは、現場の過酷さをみて科学技術で支援できないかという思いがあり、それが10年前に始めたドローンだという。

防災の知恵

「NHK防災これだけは」から。なるべくロウソクの使用は避ける。東日本大震災ではローソク火災が相次いだ。懐中電灯の上にペットボトルを乗せるとランタンになる。細い懐中電灯はコップに入れ、その上にペットボトルを乗せるとランタンになる。スマートフォンのライトでもペットボトルでランタンになる。停電の時には活用するといい。

全国初!救済物資をドローンで輸送

ドローンで運ぶ。救援物資の輸送が成功している。由布市には豪雨災害の爪痕がある。小野さん夫婦は不安な時間を過ごした。6月30日九州地方を激しい雨が襲い、1人が亡くなった。小野さん宅は孤立した。由布市は防災ヘリでの救助を検討。しかし飛ぶことはできなかった。ドローンでの輸送を考えた。大分県に依頼した。大分県では物資輸送の訓練を実施していた。自治体や、企業が参加していた。ドローンの物資輸送は、全国初。小雨でも飛ぶことができた。上空で停止飛行し、操縦者が動き始めた。電波を遮るものがないところへ移動し、ドローンを出発させた。雨が小康状態の中、飛行。小野さん宅へ物資輸送した。たすかったという小野さん。

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大分県庁由布市役所由布市(大分)

準備は大事だと村上さんがいう。ドローンでの物資の運搬は初めての例となった。大きな一歩だった。食料品だけでなく、トランシーバーや衛星電話を運んだ。ピンポイントで届けた。大分県と由布市が連携したこともポイントだろう。ドローンを使ってどうなりたいかのディスカッションが必要だろう。町目線、住民目線が必要となる。ドローンのブレークスルーになるだろう。

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チャレンジ!BOSAIアクション

防災に関する「疑問・質問」を大募集している。

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(エンディング)
大阪公立大学

大阪・富田林の大阪公立大学で、小学生を対象のドローンの体験講座を行った。災害時の物資輸送の練習を行った。みなさんからの報告動画を募集している。

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大阪公立大学富田林市(大阪)明日をまもるナビ ホームページ
チャレンジ!BOSAIアクション

あなたもBOSAIアクションに挑戦!チャレンジ報告動画を募集中。「明日をまもるナビ」 ホームページまで。

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