オープニング映像。

今夜のゲストの小説家で元高校教師・汐見夏衛、クイズプレーヤーで会社経営者・伊沢拓司を紹介。

アメリカ・トランプ大統領がイランのフォルドゥ、ナタンツ、イスファハンの3つの核施設をアメリカ軍が攻撃したと明らかにした。トランプ大統領は攻撃は成功としたうえで、作戦に参加したアメリカ軍を称賛した。ニュースは瞬く間に世界を駆けめぐった。アメリカ・ニューヨークタイムズ「アメリカがイランとの戦争に突入」、イスラエルメディア「アメリカがイスラエルとともにイランと対立」。

発端は今月13日、イランと長年にわたり対立を続けるイスラエルがイランの核開発を阻止するためだとしてイランの核施設を攻撃。 イランもすぐさま報復攻撃。攻撃の応酬が続く中、世界の関心はイスラエルの後ろ盾であるアメリカが参戦するかどうか。ホワイトハウス・レビット報道官は今月19日、「2週間以内に攻撃を行うか判断する」と発表。たった2日で直接攻撃に踏み切った。

今回、アメリカが攻撃した核施設はフォルドゥ、ナタンツ、イスファハンの3か所。トランプ大統領は「フォルドゥには予定していた爆弾の全てを投下した」とSNSに投稿。アメリカメディアは攻撃にはバンカーバスターと呼ばれる特殊な爆弾が使われたと報じた。バンカーバスターは地中の多く深くまで貫通してから爆発する爆弾。CN Nによると今回使われたのは地下60メートルまで届くものだった。地下90メートルの施設を破壊するため、12発が投下された。IAEA（国際原子力機関）によると外部への放射能漏れは今のところ確認されていない。

イラン国内ではこの攻撃による被害はどのように報道されているのか。イラン・ テヘランに住む男性は「あまり破壊力がなかったと伝えられている。アメリカの攻撃について批判する報道がされている」とコメント。イラン国営メディアは被害は少なかったと主張、トランプ大統領の発言ははったりかもしれない、イラン周辺のアメリカ軍を攻撃の標的とみなすとした。

イランはすぐに反撃に乗り出した。イスラエルに向けて20発から30発のミサイルを発射。現地メディアによるとイランによるミサイル攻撃で10発以上が着弾し、テルアビブや北部ハイファなどで少なくとも16人がけがをした。

アメリカの攻撃は日本国内にも衝撃を与えた。石破総理は事態を早期に沈静化することが何よりも重要と述べたうえで、関係省庁に対し関係国と連携して情報収集を徹底すること、イラン、イスラエルをはじめ地域全体の邦人の安全確保にむけた万全の措置を講ずることを指示。アメリカ大使館前（東京・港区）ではアメリカがイランの核施設を攻撃したことに対して抗議活動が行われていた。

東京・武蔵野市でペルシャ絨毯専門店を営む在日イラン人の男性に話を聞く。東京・杉並区でペルシャ料理を営む男性もイランにいる家族に電話を試みたが、うまく連絡が取れていない。

ワシントン支局・増田理紗から最新の情報を伝えてもらう。トランプ大統領は19日にイランへの攻撃に踏み切るかどうか2週間以内に決めると表明をしていたが、わずか2日後に攻撃に踏み切った理由はトランプ大統領がイスラエルによる攻撃でイランが軍事的に弱体化したと判断し、譲歩を引き出すチャンスだと考えた。アメリカメディアは「イランの軍事力がいかに弱体化したかを改めて浮き彫りにした、イランとの外交努力を繰り返すことにアメリカが泡が価値がないと判断したことを明確に示している」と報じている。アメリカメディアによると共和党議員は「世界最大のテロ支援国家に核兵器を保有し、使用する機会を許すわけにはいかない」とトランプ大統領の決断を支持する声がある一方、慎重な声も出ている。一部の共和党議員や民主党議員からは大統領が議会の承認なしに攻撃に踏み切ったことに憲法違反だとの批判の声が上がっている。イランが本格的な報復措置を取るかが焦点。複数のアメリカメディアは 関係筋の話としてアメリカがこれ以上、イラン国内での攻撃は計画していないと報じているが、依然として予断は許さない状況。

イスラエル、イランの反応についてエルサレム現地からNNNエルサレム・佐藤篤志が伝える。アメリカ軍の攻撃の後、イランはイスラエルに対し、ミサイル攻撃を行い、各地で空襲警報が鳴り響いた。イランは40発にのぼるミサイルを発射したが、10発以上がテルアビブなどに着弾。少なくとも86人がけがをした。これまでで最大の1500キログラムの弾頭を搭載したミサイルも発射されたと報じられている。イスラエル軍は国内に向けて制限措置を発表。全ての活動を必要不可欠なものに限定するよう求めていて、必要な場合を除き、学校や職場などへの出勤や登校を禁止。多くの人が1か所に集まることを避ける狙いがあり、現地の危険度が一段と引き上げられた形。イラン外務省はアメリカの核施設への攻撃を強く非難。イスラエル軍もイラン西部の軍事目標を新たに攻撃していて、双方の攻撃の応酬のさらなる激化が懸念されている。

中東情勢が専門の慶応大学教授・田中浩一郎のスタジオ解説。アメリカ軍が3核施設攻撃、なぜこのタイミングなのか、他の国を巻き込むおそれ、日本への影響について聞く。フォルドゥ、ナタンツ、イスファハンの3つの核施設を攻撃。フォルドゥ、ナタンツはウラン濃縮設備がある。フォルドゥはイスラエルの攻撃能力では破壊できないことが最初から分かっていた。ナタンツにも地下設備があり、十分に破壊されたかどうかの確証は持てなかったため、アメリカがバンカーバスターを投入。イスファハンはウラン転換設備、ウランを金属加工するための設備などがあり、弾頭を作るのであれば重要な役割を果たすため、3つを標的にした。トランプ大統領は完全に消滅したと主張。イランメディアは入り口だけにダメージがあるとも報道しているが、衛星画像を確認、IAEAなどが査察を行わないと状況がわからない。

即座に他の国を巻き込むおそれは考えづらい。非対象戦ということであればどこで何か起きることは否定し得ない。イスラエルがレバノン・ヒズボラから狙われる原因はいくらでもある。

日本への影響。原油が運ばれるペルシャ湾、ホルムズ海峡での海域での不穏な動きがあると日本への原油の流れが止まるのではないかと言われている。日本は国家備蓄が20日以上、原油で持っているため、即座に困るほどの問題はない。OECDに加盟している多くの国がそのような状態にある。カタールの天然ガスはバッファーがない。アメリカとイランとの間はそれぞれに一定の範囲内で抑制をしようという思いがどこかにはあるが、問題はイスラエル。イランの体制転換も視野に入れて攻撃を仕掛けてきているため、イランとアメリカで一定の合意ができたとしても、イスラエルが果たして止まるかという問題がある。

参院選の前哨戦ともされる東京都議会議員選挙はきょう投票が行われていて、午後6時現在の推定投票率は25.85％と前回をわずかに下回っている。21日までに期日前投票をした人は172万9224人と前回の1.21倍で過去最多。今回の争点は物価高への経済支援策、子育て、教育政策、政治とカネなど。小池都政を支える自民党、都民ファーストの会、公明党の知事与党で過半数を維持できるかが焦点のひとつ。投票は一部の地域を除き午後8時までで即日開票される。

全国の気象情報を伝えた。

キーワード

汐留（東京）

NNN戦後80年プロジェクト「いまを、戦前にさせない」。あす6月23日は沖縄慰霊の日。沖縄戦などで亡くなった24万人超の戦没者1人1人の名前を読み上げる取り組みが行われている。その活動に参加した沖縄県北中城村の13歳の双子の姉妹の思いを取材。1945年3月、太平洋戦争末期にアメリカ軍が沖縄に上陸。住民が巻き込まれる地上戦が繰り広げられた。平和祈念公園（沖縄・糸満市）にある平和の石路は沖縄戦などで亡くなった全ての戦没者24万2567人の名前が刻まれている。沖縄では3年前から全没者全員の名前を読み上げる集いが始まった。二度と戦争を繰り返してはならないという思いが込められている。今年は世界各地から5000人以上があすの慰霊の日まで23日間をかけて読み上げる。

沖縄県北中城村の13歳の双子の姉妹は沖縄戦で曽祖父ら家族の多くが犠牲となった。沖縄戦で祖母が生き抜いてくれたから今、自分たちの命があるという思いは戦争を知るほど強くなったという。どのように自分たちに命がつながったのか、沖縄戦を経験した親族を訪ねた。祖母の姉が聞かせてくれたのは当時の悲惨な記憶。曽祖父が亡くなった場所を訪れる。今は弁ヶ岳公園（沖縄・那覇市）になっていた。アメリカ軍が撮影した当時の写真（沖縄県公文書館所蔵）を紹介。砲撃で破壊されたガマの痕跡を探す。改めて戦争の恐ろしさを知った。おととい、戦没者の名前を読み上げ、世界に配信する取り組みに参加。

沖縄戦の歴史を知った沖縄県北中城村の13歳の双子の姉妹。おととい、24万人を超える戦没者の名前を読み上げ、配信する取り組みに参加。今回は両親と4人で1000人乗戦没者の名前を読み上げる。平和であることへの感謝と未来への願いを込める。最後は家族4人で亡くなった曽祖父たちの名前を読み上げた。

沖縄県北中城村の13歳の双子の姉妹はおととい、24万人を超える戦没者の名前を読み上げ、配信する取り組みに参加。ゲストの小説家で元高校教師・汐見夏衛の戦争をテーマにした作品も姉妹と同じ中学2年生を描いたもの。あす、沖縄慰霊の日を迎える。