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オープニング映像。
戸田建設・新本社ビルの建設現場を紹介。こうした超高層ビルを支えているのが強度の高い大きな柱。この柱を作れるのは全国で2118ある認定工場のなかでも、わずか1%ほど。今回は鉄骨加工大手の「川岸工業」。川岸工業が製造する鉄骨の柱は「東京スカイツリー」「東京都庁」「麻布台ヒルズ森JPタワー」など日本を代表する超高層ビルで使用されている。また国立競技場やさいたまスーパーアリーナなど大空間建設にも携わってきた。
久保光代が千葉・柏市にある川岸工業の千葉第一工場を訪れた。案内してくれたのは代表取締役会長の金本秀雄さん。川岸工業の年商は260億円。従業員数は357人。国内6か所に工場があり、コンクリート事業も行っている。強みは超高層を得意としている数少ない鉄工所。柱を製造する工場は、建物の高さや規模などによって5段階のグレードに分けられている。高さ制限のない3つのグレードのうち、超高層ビル用に鋼材の厚さが60ミリを超える柱を製造できるのはS言ったグレードに認定された工場だけ。千葉第一工場はSグレード工場に認定されている。一般的なビルの建設に使われるのは1枚の鋼材を曲げたり、2枚の鋼材を曲げてつなぎ合わせた柱でコラムと呼ばれている。超高層ビルで使われる柱は4枚の鋼材を箱のように組合わせた4面ボックス柱。厚みのある鋼材をつなぎ合わせるには高度な溶接技術求められる。その1つがサブマージアーク溶接だった。
超高層ビルで使われる柱は4枚の鋼材を箱のように組合わせた4面ボックス柱。厚みのある鋼材をつなぎ合わせるには高度な溶接技術求められる。その1つがサブマージアーク溶接だった。人の手でボックスを溶接すると約1週間かかるが、工場にある機会を使用すると1日で2~3本施工することができる。4面ボックス柱を作るのに、もう1つ必要な技術がある。それがエレクトロスラグ溶接だった。溝の中に直接ワイヤを入れ一緒に溶かしていく溶接になる。僅かな誤差が製品の制度を左右するため徹底した寸法管理を行っている。また繊細な溶接や機会が使えない場所での溶接には高度な技術が必要となる。最も作業効率のよい、下向き溶接を行う工夫をしている。横向きの場合、20回溶接しないといけないが、下向きにすると溶接は12回で住むという。柱を立てることによって下向き姿勢で溶接ができるようになる。複雑な溶接作業の場合はまず原寸大の模型を作って作業工程を念入りに確かめている。
川岸工業は1906年に川岸太一郎が大阪で立ち上げた川岸組が始まり。舗装曲の鉄塔や鉄道の橋梁などに関わった。1947年、川岸工業を設立。九州に拠点を移し八幡製鉄所や九州電力の建設工事に携わった。1962年に東京に本社を移転。4面ボックス柱をいち早く導入して作ったのが東京都庁だった。信頼を積み重ね、東京スカイツリーや横浜ランドマークタワーなども手掛けた。いま、川岸工業は新しい溶接試験場を建てていて、指導者による若手の教育と資格試験の試験場として使用している。
見据える未来について金本秀雄会長は「人材育成が何よりも優先。これから先、100年先までも建築の鉄骨でトップを走っていきたい」などと話した。
エンディング映像。
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