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オープニング映像。
今回のガリバーは名刺や封筒などオフィスの紙製品を手掛ける山櫻。山櫻は1990年に業界で初めて再生紙の名刺を販売した。ところが、2008年に製紙メーカーによる古紙配合率偽装問題が発覚した。そこで生まれたのがエシカル製品。エシカルは環境以外にも社会や人権などに配慮した考え方を示す。
山櫻の年商は120億円、従業員数は505人。紙製品の取引先企業は1万9868社。名刺の作り方は創業以来90年以上変わっていない。正確にカットするポイントはロータリーカッター。断裁機でまとめて切ると重ねた紙の上下で大きさが微妙に変わり、刃と紙がこすれた所から紙粉が出る。紙粉が残っているとインクがつかず白い点になる。そのため、名刺用の紙はロータリーカッターで1枚1枚切っている。1本のロータリーカッターを1日かけて研磨する職人技が品質を支えている。
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- 八王子市(東京)山櫻山櫻 八王子の森工場
山櫻の無地の名刺用紙は印刷会社に納入される。プリンターを使うなどして大量に印刷することが多いが、昔ながらの活版印刷で名刺を刷る会社もある。名刺に記載している情報以外にもプロフィールや経歴なども表示できるデジタル名刺も手掛け、オンライン会議でも二次元コードを送れば名刺交換ができる。
山櫻の創業は1931年。当時の社名は「市瀬商店」。名刺・私製はがき・あいさつ状等の紙製品を製造していた。名刺箱の桜のマークから1951年に社名を「山櫻名刺」に改称。1985年、名刺箱はプラスチック製に。耐久性を考え、日本で初め山櫻が採用した。1972年、現在の社名に変更。1990年、業界で初めて再生紙を名刺箱にも採用。2000年には業界で初めて窓に半透明の紙をつけた。山櫻の紙製品の中には賞状用紙がある。手書き文字の要望を受け、2021年に手書きの部署を設けた。賞状以外にも手書き文字のニーズは多いという。
紙の原料は木材が一般的。紙をつくることが森林破壊につながることもある。問題解消の一手が古紙を混ぜた再生紙。山櫻では1990年に業界で初めて名刺に再生紙を使った。ところが、2008年に製紙メーカーによる古紙配合率偽装問題が発覚した。
山櫻のエシカル製品・森林認証紙は森林資源を将来的に持続させるため適切に管理・保護された森林の木材を使用している。ケニアから輸入したバラを扱う店では森林認証紙を使った容器を含めて胡蝶蘭に代わり贈られる祝い花を作った。ザンビアのオーガニックバナナの茎を使用したバナナペーパーも作っている。バナナは実をつけた後、茎を根元から切らないと新たな実がつかない。これまで、切った茎は廃棄されるか放置されていた。茎から繊維を取り出す仕事は現地の人が担当し雇用が生まれ地域貢献につながった。廃棄されるおからを減らすためにおからペーパーも開発した。
「小さな企業ですが少なくとも貢献をしていきたい」などと市瀬社長は語った。
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知られざるガリバーの次回予告。