- 出演者
- -
オープニング映像。
畔から田んぼに投げ入れる除草剤は浮いたまま動いて農薬の有効成分を田んぼ一面に拡散する。除草剤を背負って田んぼの中を歩くと30分~1時間未満。畔から豆つぶの除草剤を投げ入れると3~5分。今回のガリバーは農業の省力化と品質向上に貢献する豆つぶ型の除草剤を開発した国内大手農薬メーカー「クミアイ化学工業」。
クミアイ化学工業の年商は1704億円、従業員数は2153人。静岡県内に3つの研究拠点を持ち、生産工場は全国に3か所。50以上の国や地域に製品を販売している。農薬の売上は7割近くが海外。雑草を防除するのが除草剤。病害を防除するのが殺菌剤。農薬の剤型も色々ある。300種類以上の農薬製品を生み出してきた。クミアイ化学工業が約5年の歳月をかけて独自に開発したのが豆つぶ剤。一般的な粒剤は巻かれた場所でほどなく沈んで土壌に有効成分が溶け出すため、水田に均一にまく必要がある。豆つぶ剤は水田にまくとすぐには沈まず少しずつ溶け出してまんべんなく拡散し沈んでいく。
クミアイ化学工業の豆つぶ剤が水面で動き回れる理由は界面活性剤の作用。有効成分同士が反発してすき間へ動く。雑草の種は代かきで土壌が混ぜられるなどして多くが土壌の表層にある。水田にまかれた除草剤は土壌の表面に薬剤の効果をもたらす層を作って雑草は処理される。稲は田植えの時に一定の深さまで植え込まれているので除草剤の影響を受けにくい。また、稲だけが持つ特有の代謝酵素が薬剤を素早く分解できる。ある雑草に効く有効成分を見つけ出したら、稲にその有効成分を代謝する酵素があるか調べなくてはならない。
有効成分の性能評価をする現場では正確な検証データを取るために手作りで田んぼを再現する。農薬の有効成分の開発には10年以上の期間と300億円以上の莫大な費用がかかると言われる。商品化できる確率は一般的には16万分の1。クミアイ化学工業は7400分の1と高い創薬確率を誇っている。クミアイ化学工業は有効成分を20種類自社開発した。それらをベースにして300種類以上の製品を世に送り出してきた。
- キーワード
- クミアイ化学工業
クミアイ化学工業の歴史は1928年、現在の静岡清水区のみかん農家の組合が農家のために農薬を製造したことに始まる。1949年、農薬メーカーとなってカビによる稲の病気「紋枯病」を防ぐ農薬が殺菌剤国産第一号として大ヒット。1968年、東亜農薬との経営統合でクミアイ化学工業に。1980年代に入ると減反政策の影響や競合メーカーの台頭で業績は低迷。
クミアイ化学工業は1980年代に入ると減反政策の影響や競合メーカーの台頭で業績は低迷。同じころ、農薬開発の研究所を新設した。その結果、海外で競合できる製品が次々誕生。発がん性の試験は従来の動物実験では2年以上かかっていたが、培養細胞試験だと1週間程度で評価することが可能。ブドウの根頭がんしゅ病はこれまで効果のある農薬はなかったが、効果のある微生物農薬を開発した。フリーズドライで微生物を生きたまま休眠状態にすることを可能にした。
知られざるガリバーの次回予告。
