2024年1月10日放送 15:10 - 15:40 NHK総合

美の壺
「豊かな輝き 金工」

出演者
草刈正雄 
(オープニング)
オープニング

オープニング映像。

File590 豊かな輝き 金工
今回のテーマは

今回は金工の世界を案内する。

一、伸びやかに 表情豊かに

山形・南陽市にある古民家で暮らす川地さん一家の食卓を彩る金属のカトラリーは鍛金で作られている。川地さんは鍛金作家。東京藝術大学で鍛金を学び、以来17年間カトラリーを作り続けている。材料は1枚の洋白の板だ。川地さんは「1枚の板が伸びたり、金属の原子が移動しているわけですよ、その伸びやかさは鍛金の技法ならでは」と話した。

キーワード
南陽市(山形)東京藝術大学

大角幸枝さんは卓越した技術と独自の作風が評価され2015年、鍛金の人間国宝に選ばれた。大角さんのライフワークは自然の景色を形にすること。「苦労して手で作る、そういう仕事が人生そのものの人達がいる」と大角さんは話した。

二、型から生まれる 自由な姿

富山・高岡市は江戸時代、加賀藩主の前田利長により鋳物が主要産業に選ばれた。市内には50近くの鋳物工場がある。鋳金に欠かせないのが型だ。鋳型に用いるのは砂で、わずかな粘土と水分を配合している。微妙な加減で足で踏み固める。足を使い多種多様な鋳型を効率よく作る高岡伝統のこの技は習得するまで5年ほどかかるという。

キーワード
前田利長高岡市(富山)

「吹分」は2つ以上の金属を型に融かし入れる伝統的な技法だ。金属が混ざり合って生まれる幻想的な模様が特徴だ。般若保さんは吹分に出会って以来50年もの間、腕を磨いてきた。2つの金属を同時に扱うので2人がかりで行う。般若さんの長男・泰樹さんは26年来の相棒だ。経験を頼りに阿吽の呼吸で注ぐ。

三、緻密な手仕事が生む 存在感

鈴木祥太さんは大学で金工を学び、10年ほど前から制作を続けている。彫金というたがねなどの道具を使い金属に細かい文様を施す技法に惹きつけられてきた。たがねは現したい模様に合わせて使い分ける。

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京都府

「秋田銀線細工」は細く線上にした銀を総食品などの様々な形に加工する伝統工芸だ。伝統的に使われているのは直径0.3mmの2本の銀線を撚り合わせプレスしたものだ。銀線を巻いたり曲げたりしながら模様を作るのが秋田銀線細工の基本の技だ。銀線と枠を接着するために用いるのは銀に真鍮を混ぜた銀蝋だ。加熱すると銀より先に融けるため接着剤代わりになる。

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秋田県秋田銀線細工
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