2024年9月27日放送 19:30 - 19:57 NHK総合

首都圏情報 ネタドリ!
コメ・野菜の値上げはどこまで?“猛暑農業”で食の未来は

出演者
合原明子 杉浦太陽 河田皓史 
(オープニング)
コメ・野菜の値上げはどこまで?“猛暑農業”で食卓が変わる?

最近は米や野菜など生鮮食品の価格が高騰している。背景にあるのは気候変動による異常気象。今回は私たちの食の未来を考える。

キーワード
りんごトマトパプリカレタス全国農業協同組合連合会新潟県練馬区(東京)長野県
オープニング

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コメ・野菜の値上げはどこまで?“猛暑農業”で食の未来は
コメ・野菜の値上げはどこまで?“猛暑農業”で食卓が変わる?

今年の夏の平均気温は去年と並んで過去最高となった。ここ数年続いている異常気象について、農林水産省は着色不良や畑の冠水といった作物への被害が生じるとしている。こうした状況が一つの要因となって、一時品薄により店頭から姿を消したお米は去年と比べて約3割上昇している。そしてレタス・たまねぎは過去5年の平均的な価格と比べて2割以上値上がり。トマト・じゃがいもは3割以上となっている。野菜の流通の現場を取材すると異変は価格の変化だけではないことが見えてきた。

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じゃがいもたまねぎトマトレタス全国農業協同組合連合会農林水産省食品価格動向調査(野菜)
私たちが食べる野菜の◯◯が変わる!?“猛暑農業”の波紋

生鮮食品の宅配サービスを行っている企業。野菜や果物などの食材を詰め合わせ36万人以上の顧客に配送している。食材は全国約4000の農家から直接仕入れている。この日食材を調達するバイヤーたちが宮城県産のパプリカについて検討を行っていた。このパプリカは一部が高温で早く育ちすぎ、その後日照不足になったことから、十分色づかずまだら模様になったという。味に大きな違いはなかったため、この食材を使った調理メニューを開発できないか議論されていた。会社では農家と協力して調達する野菜の種類を変える試みも進めている。担当者が訪れたのは群馬県で大根や長ねぎなどを作っている農家。5年前に畑の2割を新しい作物に転換してもらったという。それが普通のレタスより小ぶりなミニロメインレタス。その特徴は暑さに比較的強いこと。収穫までにかかる期間は通常のレタスの半分程で、高温にさらされるリスクを低減できるという。去年は暑さを乗り越え十分な収量を確保することができた。しかし、今年は猛暑は乗り切ったものの豪雨が相次ぎ一部が病気になってしまったという。

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オイシックス・ラ・大地パプリカミニロメインレタスレタス利根村(群馬)大根宮城県海老名(神奈川)長ねぎ
コメ・野菜の値上げはどこまで?“猛暑農業”で食卓が変わる?

生鮮食品の価格変化について河田氏は「生鮮食品はそれ以外の商品・サービスと比べてこの10年間で4倍値上がりしている。背景には気候変動による異常気象がある」などと話した。杉浦氏は「消費者からしたら安いにこしたことはないが、生産者を応援する意味では値段が高くても買うべき」などと話した。また食品の大手卸売会社の食材の調達先にも変化が起きていて、長なすは福岡が主な生産地だったが卸先のスーパーからの要望で北海道からのルートを新たに開拓。さらにワイン用のぶどうは山梨県などに加えて雨が少なく気象の影響を受けにくい北海道からも仕入れることにしたという。河田氏は「気候が変化してくると野菜の産地も変化してくるが、農業は地域に根ざしたものであるので簡単に産地を移動させることは難しい」などと話した。

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YouTubeぶどうトマトパプリカ北海道山梨県福岡県長なす
異常気象から名産品を守れるか 新潟のコメ・長野のりんご

日本を代表するお米のブランド新潟県魚沼産のコシヒカリ。今月、収穫の最盛期を迎えていた。46年間、コシヒカリを作り続けてきた農家の関隆さん。去年は記録的な猛暑に水不足が加わりコメの品質が低下。関さんの収入はおよそ1000万円減ることになった。名産のコシヒカリを将来にわたり作り続けられるのか不安が高まっている。この夏から全国各地で発生したコメ不足。そして今、コメの価格が大きく値上がりしている。去年の猛暑などの影響でコメの流通量が大きく落ち込み市場では品薄が続いた。JA全農は今後の需要予測などからコメの取引価格の目安を引き上げた。そのことが店頭での値上げにつながった。新潟の農家の中にはコメの値上げを複雑な思いで受け止めている人もいる。南魚沼市の農家、青木拓也さんは生産したコメを直接卸売業者などに販売している。コメ不足のため青木さんのもとには去年のおよそ4倍の注文が殺到し2割の値上げに踏み切った。ウクライナ情勢や円安のあおりを受け肥料や燃料などの生産コストが上昇していた。今回、ようやく生産コスト上昇の一部をコメの価格に反映することができた。一方、値上がりへの懸念もある。コメ離れが加速し長期的には消費が落ち込むのではないかという。コメ農家を支えようと新潟県が研究を進めているのが暑さに強いコシヒカリの開発。昨年度からさまざまな稲の品種を分析し暑さに強い性質を持つDNA配列を見つけ出そうとしている。このDNA配列を持つ稲の品種と従来のコシヒカリを交配させ暑さに強い、新たなコシヒカリを生み出そうという。今年度からは実際に交配させた稲を野外で育て高温耐性を調査。新品種の開発は急ピッチで進められている。一方首都圏の百貨店にお目見えした秋の味覚、りんご。その一大産地、長野県。りんごの生産現場もまた猛暑の被害に悩まされてきた。長野市でりんご農園を営む徳永虎千代さん。去年、猛暑によって発生したのが生理落果。品種によっては3分の1が収穫前に落ちてしまった。さらに、強い日ざしによる日焼けの被害も。りんごの表面が傷つき高温で実が傷み売り物にならなくなる。毎年、猛暑が続く中でもりんごの生産を続けるため徳永さんは対策に追われている。生理落果を防ぐため今年、行ったのが落下防止剤の散布。りんごと枝の結合部分の強度を増すことで落下を防止する効果がある。防止剤の費用、収穫前の作業負担。りんご作りの環境は厳しさを増している。多額のコストをかけて猛暑対策に乗り出した農家もいる。東御市のりんご農家、飯嶋明生さん。畑に設置することにしたのが遮光ネット。1つの畑につき50万円から100万円の費用をかけて5つの畑に張り巡らせた。日焼けの被害を減らすことはできたが遮光ネットのコストをりんごの価格に反映することはできていない。長野県の担当者は農家と協力してりんごの品種の切り替えなども行っていきたいとしている。

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りんごコシヒカリ全国農業協同組合連合会南魚沼(新潟)新潟県東御(長野)長野市(長野)長野県魚沼(新潟)
コメ・野菜の値上げはどこまで?“猛暑農業”で食の未来は

新潟の新米のコシヒカリと長野のシナノドルチェという品種のりんごを紹介。今、各国で気候変動対応が進められているが、日本を含む先進国では2050年にこれくらいの目標を達成しようという形で行われている。気候変動対策は効果が出るまで時間がかかるため、長期的に生鮮食品の価格上昇を念頭に置いておく必要がある。

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