- 出演者
- 林修 角谷暁子 原田亮介 梶原善 ビビる大木 菅井友香
オープニング映像。
街を歩くと視線の先に飛び込んでくる看板広告。立地やサイズで変わる広告費、一番高いのは一週間で数百万円するものもある渋谷駅前。”高速道路の有名人”きぬた歯科の看板、首都圏で約270枚ある。実際にきぬた歯科を訪れた。クリニックは一箇所、12人の歯科医が勤務する。首都高(新宿~高井戸)約10キロの区間に15枚の看板があり、広告費は年間3870万円とのこと。一般道の脇にある看板は年間5万円ほど。約270枚の看板の広告費を合わせると年間2億5000万円になる。13年前患者さんに行ったアンケートではインターネット広告と看板広告、広告費が異なるのにそれぞれを見て来た患者さんの数が同じだったそう。そこから看板戦略にシフトしたとのこと。歯科診療所の医業収益は年間平均6907万円だが、きぬた歯科は約18億円。原田さんは「看板広告の強みは興味関心に関係なく目に入ってくる所」とコメントした。勝利の法則は「医院に対して大きな国道をマークし、立てまくることで刷り込むこと」だそう。栃木県や三重県にまでも看板を立てている。
首都高(永福IC近く)にレアな1枚がある。約270枚の看板の中で1枚だけの兄・きぬた久和さんとのもの。きぬた泰和さんは「広告費は自分が2/3、兄が1/3で自分のほうが多く出してる」と話した。
きぬた院長は、他の歯医者が看板を出すのを歓迎しているそう。他の歯医者が出した看板もきぬた歯科だと錯覚して認識する人が多いからだとのこと。
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- きぬた歯科永福インターチェンジ
今の広告業界では「視線の奪い合いが始まった」と言われているそう。エスカレータの手すりやトイレの鏡、デジタルの看板マンなど様々な手法で視線の奪い合いが起こっている。
視線の奪い合いで注目を集めている場所が、エレベーター。今急増しているのが、扉に映像を映すプロジェクター広告。エレベーターのプロジェクター広告を手掛けているのは日本で1社のみ。ぴったり扉が閉まった瞬間に広告が始まる、その精度が海外とは違う日本企業の強みだという。開発に約1億円。三菱地所がこの会社「東京」を約50億円をかけて買収。ビルの高層化でエレベーターの中にいる時間が長くなっている、そういったスキマ時間に着目した戦略とのこと。
視線の奪い合いは車でも。自家用車に広告を出す”マイカー広告”。車の持ち主は報酬をもらうことができる。アプリで企業とマッチング、届いたステッカーを貼って走るだけ。
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広告ステッカーを張って車を走らせると収入が貰える「マイカー広告」。月に最大5000円相当の広告が得られたと利用者は話していて、駐車場の代金などに充てているという。このサービスを展開するチアドライブの担当者はアメリカでは既に2~3社ほど存在していたと紹介。マイカー広告は100社以上に登っているといい、アプリには現在約9万人が登録を行っているが、広告主になるための抽選も必要な状況という。
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- チアドライブ
マイカー広告の広告主はゲーム・アニメ・チェーン展開する飲食店が多いという。林さんはバスに掲載されている東進ハイスクールの広告について、自分が一番目立っているバスに乗るのはためらいがあるとコメント。
街の電柱に掲載されている広告は電柱の横に掲載される「かけ広告」と、電柱に巻かれるように掲載される「まき広告」の2タイプが有るという。東京23区だと年間のコストは制作費抜きで4万3560円~7万9200円という。一方で、地方であれば年2万6400円ほどで広告を出すことができるという。明治34年にあんどん型広告が生まれ、明治36年にはペンキで電柱に広告が書かれるようになったと林さんは紹介。
推しを応援する広告の値段を見てみると、こちらは山手線の駅でも1週間につき3万9600円~9万2400円で、渋谷・新宿が最高値の駅となっている。ジェイアール東日本企画という広告事業者では推しのための広告をめぐり推しの所属する事務所への許可取りなども行ってくれると原田さんは紹介し、通勤通学する人の数が減少する中で利用者以外の売り上げを増やす戦略とまとめている。また、菅井さんは櫻坂に所属していた時代に海外のファンがタイムズ・スクエアに1周年を祝う広告を出してくれたことがあったと聞いたと振り返った。
路線バスに乗ると耳に聞こえてくるのはバスのアナウンス広告で、クリニックが近くにあることなどを伝える物も多いがその一方で個性的なものも多い。世田谷警察署前のブリキ・ヘアー&メイクは「雑貨屋さん?カフェ?え?美容室なんだ!」というコールとともに紹介され、長津田駅の中山肉店は「お誕生日に迷ったらお肉を贈ろう!」と紹介される様子が見られる。そのお値段についてこのあと伝える。
バスのアナウンス広告は地元の人をターゲットにした地域密着が特徴。バス広告を数多く取り扱う代理店「博広社」に聞くと「文字数は30文字程度で10秒程度の放送広告」のルールで1日のアナウンス本数とバスの停車回数で変わるという。広告料金は1日のアナウンス本数、バスの停車回数で変わる。実際に都内の24か所に止まる東急バス田園調布駅から渋谷駅の路線バスに乗車した。自由が丘駅の山下診療所のアナウンス広告は年間19万8000円、この路線で最安値だという。バスは1つのバス停に路線の異なる複数のバスが停車、そのバス停を使う路線が多ければ多いほど止まるバスが増えるため広告費は高くなる。自由が丘駅入口は1つの路線しか止まらないため料金が安い。大坂上には3路線が通過、1日の停車183回でアナウンス広告費は年間31万6800円、道玄坂上には4路線が通過、1日停車回数342回で広告費は年間44万8800円だった。終点渋谷駅では16路線で1日の停車回数が約900回のため広告費は年間170万5000円で現在は空いているということ。アナウンスの声は各バス会社が契約しているナレーターの声だということ。
「LIFE IS MONEY」はテレ東BIZ、TVer、U-NEXTで配信中。テレ東BIZでは林先生が企業の方たちと課題解決のために議論する「LIFE IS MONEY特別版 林会議」も配信中。
気になるバスアナウンス広告の収録現場を訪れる。東急バスのアナウンス広告を担当しているのはフリーアナウンサーの高橋満里子さん(83)。昔はテレビ、生コマーシャルやラジオパーソナリティをしていたがアナウンス広告は現役、「ハッキリとしっかりした声」を心がけていて、他社に乗るとこうなってるんだと気になるということ。
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広告についてのトークを展開、林修さんは「これだけみんなが始点の場合、自分たちが知ってくれとアピールしてるとするならば情報提供弱者のデメリットは大きくなってきている。この戦いはますます過酷になる」などと話した。