- 出演者
- 宮根誠司 藤本万梨乃 高橋弘樹 坂井風太 坂井風太
いま、世界のファッション界を熱狂させるアイテムがある。名だたる有名ブランドのスニーカー、ジャケット、そしてキャップに施された精緻な模様。うん万円の値がつくその限定品に、世界からオーダーが殺到し、グラミー賞10冠のポップスター・ジャスティン・ティンバーレイクや、アップルのCEO・ティム・クックまでもが愛用するそのブランドの名は「サシコギャルズ」。世界が絶賛するそのクリエイターは、パリでもニューヨークでもなく、岩手県大槌町の笑顔あふれるおばあちゃんたちだった。4人の平均年齢は77.5歳。賑やかな作業風景からは想像もつかないが、その指先には決して消えることのない15年の記憶が刻まれている。
岩手県大槌町は10mを超える津波で町の5割以上の家屋が全壊した。サシコギャルズの1人・石井ルイ子さんは、寒い避難所で毛布に包まり、ただ天井を見つめるだけの日々。そこにやってきたのがあるボランティアの青年だった。青年が「お母さん、手持ち無沙汰でしょう。これやってみないですか?」と話しかけたのがすべての始まりだった。彼女を追うように参加した人たち。誰もがそうだった「悲しみを口にすれば涙が止まらなくなる」。だから心を空にしてただ針を刺した。針を刺している間だけは亡き夫の顔を、なくしてしまった暮らしを忘れられた。始めの作品はコースターや布巾といった簡単なものだったが、彼女たちの丁寧な手仕事は復興支援の中で注目され、全国から注文が殺到。それが働く場所さえ津波に流され外へ出る元気すらなくしていた彼女たちにとって、有り難かった。「人に必要とされている」、それが生きがいとなり、一時刺し子は約200人にまで増え、取引先も185店舗にまでのぼった。だが時の流れは残酷だった。震災から5年、10年と経つ内に、人々の記憶から被災地という存在は薄れ、やがてコロナ禍が追い打ちをかけた。取引先はわずか28店舗にまで減り、刺し子チームの若手として事務を任されていた佐々木と黒澤は、積み上がった在庫を前に頭を抱えていた。思い詰めた2人は長年、取引を続けてくれている東京のアパレル会社の藤原にすがるように相談を持ちかけた。数か月後、藤原は大槌町を訪ねると、「確かに布巾やコースt-あじゃもう戦えないかもしれない。でもスニーカーだったらどうですか」と切り出した。さらにマーケティングに長けた藤原には「面積が小さいという意味でも、刺し子を表現する上で多分一番適していた」との戦略もあったという。面積のある服などは刺し子のイメージを分散させてしまうが、ぎゅっとデザインが詰まったスニーカーなら十分に戦えると考えた。だが、スニーカーに刺し子は10年間、やわらかい平面の布にしか針を通したことのない彼女たちにとって、あまりにも無謀な注文だった。
若い2人は針を持った。大きな皿型指ぬきを使って針を押し込み、突き出た針をペンチで引き抜いた。針が折れてはため息をつき、それでもまた新しい針を取ることの繰り返し。手の平にはまめができ、指は絆創膏だらけ。1足仕上げるのに約40時間かかったが、こうして完成した刺し子スニーカーが世界のファッション界に奇跡を起こした。その始まりはHIDDEN NYに取り上げられたことだった。今やHIDDEN NYがカッコイイと言えば、一流の仲間入りと言われる程のファッションウェブメディアが、サシコギャルズを認めた。その噂はすぐに世界を一周し、やがてニューバランスが、ザ・ノース・フェイスが喜んでタッグを組み始めた。ニューバランスジャパンのマーケティングマネージャー・阪本朋之氏は「私個人としてはすごくカッコイイと思います。ジェラシーもありました。すごく自由な発想で新しい伝統文化・刺し子の形を提案しているところが、すごく面白い点でした」と話す。さらにザ・ノース・フェイスの飯島和宏マネージャーは「今ここに掛けているダウンジャケットは2日間で完売しました。1着50万円とかなり高額なアイテムだったんですけど、とても反響があって、特に海外の方にすごく好評をいただいて」と述べた。そんな世界の熱狂などお構い無しのおばあちゃんたちは、ビッグブランドなど気にもとめない欲の無さが良いのだろう。「サシコギャルズ」と名付けられたカスタムブラドは今、MLB公式キャップを手がけるニューエラともコラボが進んだ。津波で多くを失ったあの日、絶望の底ですがるように握りしめた小さな針と糸は、いつしか大槌の海を越え世界を繋いだ。
サシコギャルズについてスタジオトーク。宮根さんは「かっこいいですよね」とコメント。
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モータースポーツの最高峰・F1の第2戦・中国GP決勝がきょう、上海で行われ、メルセデスのK.アントネッリ選手が初優勝した。2位は同じメルセデスのG.ラッセル選手。3位はフェラーリのL.ハミルトン選手。
気象情報を伝えた。
あすからの1週間の主なニュース予定を紹介。18日には2026WBC決勝、19日には選抜高校野球大会が開幕、日米首脳会談も行われる。
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