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1967年に開発された泉北ニュータウン。約12万人が暮らしている。もっとも歴史があるという「茶山台団地」へやってきた。普通の団地の中にある「やまわけキッチン」。団地の一室を改装した食堂で、平日の昼3時間のみ営業している。店主は湯川まゆみさんで、自身もこの団地で暮らしている。この場所は、地域の活性化を目的に府の住宅供給公社が無償で提供している。それを店舗に改装して5年前に、お店をオープンしたとのこと。「日替わり定食(510円)」が定番メニューで、安くてボリュームある献立が人気。食堂が育んだ住民同士の輪が新たな区間を生み出した。それはDIY工房だった。工具や機材の使用はすべて無料なんだそう。スタッフも団地の住人だという。
団地周辺を訪れることにした2人。石津川ほとりに、黒谷さんおすすめのものがあるのだそう。堺市は、さらし染め手ぬぐいが有名で産地だという。今も川沿いには工場が並んでいる。創業57年、高級手拭いを扱う染め物屋さんへ。注染は、明治時代に発明された染色技法。作業台の下には50枚のさらしが重ねている。1番上のさらしに糊を堤防のように囲み、染料を注ぐ。このときエアポンプで吸引すると染料が下まで浸透する。最後に水洗い工程で糊や染料を洗い流すと、美しい絵柄が浮かび上がってきた。こちらでは一般体験もできるとのことで、2人も挑戦することに。奮闘すること30分、水玉模様の手拭いが完成した。
向かったのは西高野街道。平安時代には高野山への参道、江戸期には堺商人が行き交う街道として賑わった。堺で江戸時代に溯る鷹の爪を栽培している辻田浩之さん。今の季節は収穫に追われる毎日。国内に流通する赤唐辛子の約99%は外国産や多品種。一節に一つずつ実をつける堺の鷹の爪は日本に唯一残る純粋種。2年前、大阪府のなにわの伝統野菜に「堺鷹の爪」は認証された。辻田さんは畑の近くにある店舗で鷹の爪の加工・販売をしている。一味唐辛子の風味をオススメのラーメンで確かめた。脂と合わさった時に唐辛子のうまみだけが残るという。店では鷹の爪を使った七味唐辛子も作っている。調合するのは種から育てたゆずやさんしょうなど。堺で守り継がれた、いにしえの風味。
釜室地区へ。見つけたパン屋さんは近所はもとより近畿一円からも客が訪れるほどの人気店。元々洋菓子店で働いていた寺脇孝浩さん家族3人で切り盛りしている。おすすめのクリームパンをいただいた。寺脇さんに誘われ、レモンの木へ。3年前に寺脇さんが苗木を植えた。これは泉北に新たな名物を作ろうという住民有志の呼びかけに応えたもの。プレートの付いたレモンの木は1800本にもなるという。
レモンの木の町おこしを始めた苅谷由佳さんによると、泉北ニュータウンに引っ越した際に父が植えたのがきっかけだという。苅谷さんは、8年前から、個人や学校などの公共施設にレモンの苗木を500円で販売しているという。近くの山を開墾した畑では、無農薬レモンを栽培しており、地元の百貨店などで加工品を販売している。今後も、苅谷さんは泉北をレモンの街にしたいと考えているという。
秋野さんは「古いものを大切にして、新しいものを生み出し、みんなで力合わせてより良い暮らしをする人たちと出会える旅でした」などと話した。
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