- 出演者
- 藤田大介 畑下由佳 伊藤大海
オープニング映像。
トランプ大統領が表明した相互関税の影響で、けさの東京株式市場で日経平均株価は取引開始から10分もたたず1600円以上下落。3万41000円台をつけた。去年8月上旬以来の水準。取引時間中の下げ幅としては今年最大。日本に課される追加関税は24%だが、市場関係者からは「同盟国である日本の数字が他国と同じような水準だったことは驚きだった」との見方が出ている。こうした市場の受け止めに加え、先行きの不透明感から為替も円高が進み、全面安の展開となった。その後はディールを好むトランプ大統領が各国との交渉次第で完全緩和の可能性もあるのではないかとの見方から株価はやや持ち直している。
トランプ大統領が打ち出した相互関税はる事前の予想をはるかに上回るものとなった。「自由貿易体制の終焉だ」との声も上がっている。トランプ大統領は事前に用意したボードを示しながら各国への関税率を発表。日本には追加関税24%を課すとした。税率は最高で50%に及び、世界中の国と地域を対象に最低でも10%の追加関税を設定している。すでに品目別で追加関税を表明していた自動車や鉄鋼、アルミニウムなどは対象外。トランプ氏はそれぞれがアメリカにかけている関税の税率や貿易障壁を考慮したとしているが、国を狙い撃ちにした側面もある。先に25%の関税を課していたカナダとメキシコは今回の対象外。同じく20%の追加関税を課していた中国に対してはさらに34%を上乗せし、計54%の高関税となる。カンボジアは49%、ベトナム46%の高関税をなっているが、その狙いについてアメリカ政府高官は中国企業がこれらの国を通じて迂回輸出することへの対策として指摘している。アメリカ国内の各業界団体からは懸念の声が上がっている。小売業界からは「有害だ」との声が上がったほか、製造業界から「お「サプライチェーンを脅かす」と批判している。さらにアメリカメディアも「物価の上昇がアメリカ経済に打撃を与える」と指摘していて、市場への影響も懸念される。
相互関税24%を受けて、ある外務省幹部は「高すぎる。数字の根拠も良く分からない」と困惑。林官房長官は会見で「今般の措置が極めて遺憾である旨伝えるとともに措置の見直しを強く申し入れた」と述べ、石破首相からアメリカに除外を求めることに加え、国内産業への影響を精査し、資金繰り支援などの対応に万全を期すことを指示があったことを明らかにした。相互関税24%という数字は政府与党でも驚きを持って受け止められている。ある自民党幹部は「想定以上だ。国内産業に壊滅的な被害が出るかもしれない」と警戒感をあらわにしている。焦点はアメリカとどう向き合うか。石破総理は周辺に「トランプ大統領には日米の貿易関係をめぐり事実誤認がある」と話していて、相互関税から除外されるよう働きかけを強める考え。
コメなど農林水産物へのアメリカへの輸出も右肩上がりに増えている。相互関税がその流れに水を差す可能性も考えられる。何よりも大きいのは、きょう午後発動される自動車への追加関税。日本経済全体への影響について。一般の人たちの消費マインドの低下。今後、景気の先行きへの懸念が市場で高まった場合、物を買うときのお財布のひもが固くなる可能性がある。エコノミストは日本のGDPが「マイナス成長になりうるくらいインパクトの大きい発表だ」と驚き。自動車産業や製造業に関わる人の給料へも打撃。日本には自動車産業に関わる人が人口の20人に1人、約560万人いるという。発動後、トヨタなど大手メーカーが輸出を控えた場合、その下請け、中小企業の経営にも直撃する。ある自動車関連の中小企業の幹部は「日本として今、何も手を打っていない状況。どんどん日本が不利になる」としている。追加関税の影響を抑えられるかどうか。政府の交渉力が問われる。
34%の相互関税が課されることを受け、中国政府は「強く反対し自国の権益を守るために断固たる対抗措置を講じる」と声明を発表した。アメリカに対し、「国際貿易ルールに合致せず一方的な威圧行為だ」と強く反発。「一方的な関税租賃を直ちに撤廃し、貿易相手国と平等な対話を通じ適切に対立を解決する」ことを求めた。10%の相互関税が課されるオーストラリのアルバニージー首相は「トランプ政権の関税には論理的根拠がなく両国の協力関係の基盤に反する。これは友好国の行為ではない」と述べ、「関税はアメリカの家計コストを押し上げるとして最大の代償を払うのはアメリカ国民だ」と指摘した。「底辺への競争に加わるつもりはない」と述べ、報復措置をとらない考えを示した。EUに20%の関税が課されることについて、アイルランド・マーティン首相は「本当に残念だ。関税は誰のためにもならない」と述べた。
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