- 出演者
- 矢内雄一郎 平出真有 藤井由依 齋藤陽 藤原崇幸 大島一宏 小林千紗
テーマは、AI投資の“臨界点”。AI投資が過剰なのでは、というのが市場ではくすぶっている。大島「グローバル全体のAI投資額は、昨年が1.75兆ドル程度。今年が2.5兆ドル程度に推計。結論から申すと年間投資額2兆ドル上回り続けるようであれば、私は警戒が必要かと。基準は、AI投資がもたらすリターンと、米国債を買ったリターンを比べるというマクロ経済を使ったシンプルなアプローチ。リスクを取ってAI事業に投資しているに関わらず、結果的に米国債の投資に負けてしまうとがっかり。その場合は過剰投資かな」と分析。AI投資のリターンを具体的にどう計算すべきか。大島「AI資本ストックの粗リターン率-資本減耗率、これで考えたい。AI分野は、半導体とかAIアルゴ率のこの陳腐化が非常に激しい。資本減耗率は年率18%くらいではないか。」とのこと。アメリカの国債に勝つには、どれくらいのリターンが必要か。米国債利回りが4~5%で四捨五入して。AI資本ストックの粗リターン率23%-資本減耗率18%≧米国利回り5%。額を見るには、先程計算した23%×積み上げたAI資本ストック額。米国債投資でも事実上得られたリターン額といえる。
大島「もうひとつ、AI投資からの期待収入額も大切。AIの基本ストックが生み出す収入額のこと。AI導入で、労働力がAIに置き換えられてしまうことが一般的に指摘されている。そこで仮に米国、欧州、日本、中国、主要国の雇用者報酬合計の10%、これをAIが置き換えると仮定。置き換えられた人件費が、AI基本ストックが生み出す収入額と見ることができる」と話す。ここまでは中長期の目線ですが、足元の株価については。大島「短期的には、先程のファンダメンタルズだけでは、決まるわけではない。数カ月から半年の場合はマネーフローの影響を受ける。伝統的には株価は企業収益で決まると理論上言われているが、最近は理論的な変化が起きていて、マネーフローの影響が広がっている」と話す。マネーフローの影響とは。大島「マネーフローの源泉は2つ。AI投資ブームで、AI関連の借入/貸出拡大の世界的なマネーフローの増加。もうひとつが、地政学リスク恒常化によって、インフレヘッジで債権から株へのマネーフロー増加。ポイントになるのがマネーフローを株式市場に橋渡しする機関投資家の顔ぶれが変わってきている。かつては、安く買って高く売る、アクティブファンドの存在感が大きかった。その場合は株の需要曲線は右下がり。2020年代に入ってから価格に関わらずとにかく機械的に買うとパッシブファンドの存在感が増している。そうすると同じ額のマネーが流用したとしても、今の市場だと株価が大きく跳ね上がりやすい」と話す。大島「短期的な株価はマネーフローの動きから目を離してはないけない。その一方でより本質的なAIの事業投資の持続性を考えるなら、先ほど申し上げたように鍵は2兆ドル。この水準まで、今後数年でどれだけ緩やかに減速できるか、そこにAI投資の先行きがかかっている」と分析。大島「条件が崩れることの懸念は2つ。1つは、資本減耗率18%いつ上がるか、半導体、AIアルゴリズムに傾斜してる時は上がりやすい、データセンターの場合は減耗率が高くないので下がりやすい。幅を持ってみる必要がある。もう1つは、AIの収入額で人件費の10%を置き換えると。これが、5%か15%になるかもしれない。ベストシナリオは経済のパイが増えることだ」と話した。
調査は 8月7~9日にかけてインターネット経由で実施し、28人から回答を得た。日経平均株価の8月14日(金)終値の予想、中央値は66400円と先週末の終値から800円ほど高い水準。UBSSUMITRUSTウェルス・マネジメントの青木さんは、68600円と予想。FRBの利上げ観測後退は、テック株の良好な業績見通しと合わせて株式市場には追い風。一方松井証券の窪田さんは66800円と予想。為替介入後に再び円がじり安となっており、円建てで見た日経平均を支える形になると分析。ドル円相場の今週末の終値の予想、中央値は158.00円。157.50円と予想したあおぞら銀行の諸我さんはFRBの利上げ期待の剥落に加えて、為替介入への警戒感から上値が重い展開と見た。一方159円のみずほ証券の山本さんは、介入がなく米指標が下振れなければドル押し目買い需要広がるとした。
韓国では、賃金や労働条件などをめぐる「夏の労働争議」いわゆる夏季闘争が最盛期。今年は労働組合側が強気な姿勢。イ・ジェミョン大統領の目玉政策の実現にも影響が。先月15日、ソウルの中心部で行われた労働集会。労働組合の全国組織・全国民主総連盟(民主労総)が開催したスト集会。この日、民主労総は「元請け企業に下請け企業の労働者との団体交渉に応じるよう要求」、応じない場合はストライキを辞さないとした。韓国では各地でストが実施。ヒョンデ自動車労働組合では、3週連続で部分ストを実施。純利益の30%分の成果給支給を要求。半導体業界ではじまった、「N%成果給」純利益や営業利益の一定割合を成果給として配分する仕組み。半導体大手のSKハイニックスが去年から導入。営業利益の10%が成果給の原資として労働者に配布される仕組み。サムスン電子は、今年5月に営業利益の10.5%を成果給として支給することで合意。各業界で要求が広がりつつある。労働組合を強気にさせたのは、イ・ジェミョン大統領が3月に施行された改正労働組合法いわゆる「黄色い封筒法」の存在。ストライキででた損失を企業側は組合側に過度な損害請求を制限された他、企業の事業再編といった経営上の重要な意思決定もストライキの対象になるなど、労働側の権利が強化された。
ただ、この黄色い封筒法が、大統領のちからを入れるプロジェクトに影を落とした。イ・ジェミョン大統領「スピード感を持って韓国型人工知能エコシステムを構築するために政府と民間の能力を総結集しなければならない」と話した。6月に発表されたのは、韓国南西部の光州にサムスン電子とSKハイニックス合わせて約84兆円を投じ4つの半導体工場を新設する予定。大統領としては、韓国の半導体産業だけではなく、地方経済活性化の切り札にしたい考え。しかしこれに待ったをかけたのが、サムスン電子労働組合。組合員を対象にしたアンケートには、84%が反対。「黄色い封筒法」を盾に今後の労使交渉の対象にすると宣言している。これに対し、大統領は「光州工場を建設すれば自分が転勤になる可能性もあるから労働争議の対象だという主張だが、しかしそう考えるなら会社の経営権行使に関係のないものなどあり得ない」としたが、保守系の野党側は、大統領への批判を強めた。代表「労組が経営にあらゆる干渉を可能にする悪法を作っておきながら自分たちは例外、政府の政策は例外だと言う。黄色いゴムひも法と呼ぶべきだ」とした。半導体クラスターと労働者の権利強化、自ら推進する政策がぶつかり合う中、大統領の今後の舵取りは。
ソウル支局から中継。サムスン電子労組はなぜ反発したか。組合は、工場新設に伴う転勤や、工場周辺での住環境の整備などについて説明がなされていないため、協議の場を設けるように要求。半導体クラスターが作られる地域について政府が特区に指定し、労働規制の緩和を検討していることが分かった。韓国では労働時間の上限を週52時間までと定めるが、特区案では、管理職や研究開発職を対象として週52時間勤務の上限を撤廃する案が盛り込まれた。有期契約労働者の使用期間を現在の2年から最長4年へ延長することも検討。こうした労働規制の緩和にはサムスン電子だけでなく、労働界も声をあげて、長時間労働は「質の悪い雇用」だけを生み出すと法案の撤回を要求。大統領が強気な理由には、世論の後押しが。サムスン電子は組合側がN%成果給を求めてストライキ直前までもめたが、ただ、すでに高給をもらいながら、さらに高額な成果給を求める組合に多くの国民が厳しい視線を向け、組合に批判的な世論。一方で大統領の支持率が低下。世論調査では、肯定的45.9%、否定的50.5%を超えた。下落の要因は高騰する不動産価格抑制や株価下落に対応策が打てていない不満が背景にある。支持率が下落傾向の中で、労働組合とどう向き合うか、今回の判断が今後の政権運営にも影響を与えそうだ。
毎週土曜日午前10時放送「モーサテサタデー」との連携企画。モーサテサタデープロデューサー・滝沢孝祐の解説。テーマ「変わる証券ビジネス 次の一手は?」。大手証券2026年4~6月期決算(前年比)を紹介。野村HD:純営業収益6867億円(+31.2%)、純利益1455億円(+39.2%)、ROE(年率換算)15.4%。大和証券G:純営業収益2203億円(+42%)、純利益564億円(+80.6%)、ROE(年率換算)12.7%。証券会社には法人取引、投資銀行業務、海外ビジネスなど様々な業務がある。2社が注力し収益を伸ばしているのは個人富裕層向け部門に注目。大和証券グループ本社4~6月期決算(前年比)のウェルスマネジメント部門の経常利益は372億円(+88.9%)。大和証券グループ本社・吉田光太郎CFOは「単に市場環境に恵まれたとは捉えていない。まさにストック型ビジネスの強みが一段と発揮されていると考えている」とコメント。資産管理型のビジネスに力を入れるなか、ウェルスマネジメントや資産運用部門などで稼ぐベース利益は増加を続けている。今年さらなる成長の一手として打ち出したのは過去最大の金額となったオリックス銀行の買収。先週、子会社化が完了した。大和証券グループ本社・荻野明彦社長は「大和証券は資産には非常に良いアドバイスをもらえるが融資や信託についてももっと提供してほしいとの声が継続的に上がっていた。大和ネクスト銀行とオリックス銀行が組み合わされば補完性が非常に高い。オリックス銀行の機能を活用することでウェルスマネジメントの顧客に付加価値を提供できる」と説明。大和証券グループ本社は融資や信託の機能を取り入れ、資産管理型ビジネスを進化させる考え。
野村ホールディングスも資産管理型のビジネスを進めている。野村HDストック収入費用カバー率は72%で、2030年の目標は100%。次の富裕層をどう獲得していくのか。ウェルス・マネジメント部門長の戸張彰人執行役員は「持株会や企業型確定拠出年金、職場つみたてNISAという制度があるが社員の資産形成に資するようなことができれば業容の拡大にもつながっていくと思う」と話した。野村が注目するのは「職場」。職域口座での取引をきっかけに次の富裕層との取引を拡大する狙いがある。新たな目標では職域口座での預かり資産残高を2030年には15兆円に拡大する方針だという。勝ち筋について戸張執行役員は「多様な顧客のニーズに的確な答えを出していく」などと述べた。
野村HDの戸張執行役員が資産管理の質という話に加えて、もうひとつ話していたのが、「面を取りに行く、自社の店舗や人員には限りがある。地域金融機関や事業会社との提携を通じて野村HDだけでは接点を持てない幅広い顧客にサービスを提供する」と話した。格付け会社S&P グローバル・レーティング・ジャパンに取材。格付け見通し(アウトルック)は、野村ホールディングス(2026年2月)、大和証券グループ本社(2025年8月)を「安定的」→「ポジティブ」に変更。S&P 松本さん「ホールセール(法人取引)の変動性に対しいかにウェルスマネジメントやアセットマネジメントからの比較的安定的な収益による基盤の強化が重要だと思っている。一方で資産残高も株式市場が低迷した場合には資産残高自体の下落もあるので、そういった側面は資産管理型ビジネスにも生じてしまう」と話した。この10年、大きくビジネスが変わった。資産管理型営業という言葉が、株高の流れを追い風にして貯蓄から投資の動きが本格化してることの現れ。ストック型ビジネスの進化は相場が下落したときに問われる。下落した際に顧客が解約せずにアドバイザーを信頼して資産運用を続けられるか。会社からしたら残高の純増を維持できるか。進化が問われてくる。両者のインタビューはテレ東BIZで完全版を配信中。「モーサテサタデー」の番組宣伝。
NISAオルカンだけで大丈夫?“自分流”の資産見直し術。NISAがはじまって2年半。NISA対象投信年初来の純流入額。eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)が一位。eMAXIS Slim米国株式(S&P500)が二位。金額の桁が違う。藤原さん「新NISAがはじまってから、オルカンとS&P500は急速に純資産総額も伸ばしている。資産形成を長く続けていくには、何を買うかだけではなく、資産全体をどう組み合わせていくかという視点を持つことも大切。まずお伝えしたいのが、NISAを「旅行」に例えると…NISA=スーツケース(制度・箱)。どんなにいいスーツケースでもそれだけでは旅行には行けません。行き先や期間に合わせ、必要なものを必要なだけコンパクトに組み合わせないといけません。NISAも同じで、制度というスーツケースの中にどのような資産を入れ、どう組み合わせるかを考える必要がある。NISAを使うことは資産形成のスタートラインに立つこと。」と説明。オルカンは世界中の株式に投資しているから、すでに分散しているが。藤原さん「分散には、地域の分散と資産の分散がある。投資する地域を分け、資産は株式、債権、オルタナティブ、現金など投資する資産の種類を分ける。オルカンは、世界中の企業に投資しているため、すでに地域は分散しているが、基本的に主要投資対象は株式。それぞれの役割を理解する必要がある。株式は資産を育て、債権は値動きを和らげ、オルタナティブは値動きの異なる資産を組み合わせ、現金は必要なときに備えることが期待される。それぞれに役割があり、うまく分散することでリスクを押さえ、安定的な資産形成を目指すことが大切」と話した。藤原さん「自分にあった形を作っていく。誰にも共通する正解はない。資産配分は違っていい。1、いつ使うお金なのか。2、どこまで値動きに耐えられるのか。お金を使う時期や目的によって使うタイミングが違う。無理な配分にすると、下落時に売却をしてしまい、長期投資の効果を得られないことがよくある。安心して続けられる範囲を考えることが大事」とした。“自分流”資産見直し術。1、NISAは資産形成を後押しする制度。2、地域の分散と資産の分散は異なる。3、お金を使う時期や目的・時期、値動きの耐性に合わせ定期的に見直す。藤原さん「実は、定期的な見直しも大事。年に1度など、時期を決め、必要に応じて調整。尚、分散投資は資産全体の値動きを和らげる効果が期待できるが、損失を無くしたり、利益を補償することを目的とはしない。NISAを始めることをゴールにせず、自分にあった資産の持ち方をよく考えて無理なく長く続けて」と、投資は自己責任でと締めくくった。
天気予報を伝えた。
ガザ和平の工程表を。イスラエルのネタニヤフ首相はアメリカトランプ政権が主導する暫定統治機関平和評議会が示した工程表を拒否すると述べた。工程表では、イスラム組織ハマスの武装解除について、ガザの警察などが所有する武器が引き渡し後に重火器を廃棄が行われ、個人が所有する武器は、パレスチナの法律に基づいて処分されるとしていた。しかし、ネタニヤフ首相は「重火器に限らずあらゆる武器の放棄が必要」とし、「ハマスが武装解除するまでイスラエル軍は撤退しない」と強調。
イラン最高指導者事務所は9日、最高指導者モジタバ・ハメネイ師がペゼシュキアン大統領と面会したと発表。アメリカとの軍事的緊張や経済状況などについて意見交換。また、イランのメヘル通信は9日、モジタバ師が宗教講話を行っているとする映像を公開(日時・場所は不明)。モジタバ師は3月の最高指導者就任以降、一度も公の場に姿を現しておらず、こうしたイラン側の発表は、国民の不安を払拭する狙いと見られる。
大島さんの見立てはFRB年内据え置き、来年には利下げか。大島「インフレの基調は大事。中長期のインフレ予想が安定しているかどうかと、賃金の伸び率が軟化している状況が続くかどうか。ウォーシュ議長はインフレの基調が大事と言っているので、本音は利下げしたいと思っているのではないか。データ的にも見えなくない。賃金の伸びがインフレを決めていく。FRBメンバーの中で理論的なウォラー理事の発言は、注目したい」と話した。決算の山場は超えたが、振り返ってみて。小林「日本も想定上回る進捗だが、アメリカはもっと強い、6月の決算。50%増益ほど。日本もアメリカもAI半導体関連中心に株価を下げてきた。日経平均は7万円を超えてくると予想」と話した。
