今年、中国に返還された和歌山のパンダ。そのエサとなっていた竹が茶室へと姿を変え、大阪・関西万博で展示された。竹100%の茶室は大学生約20人が設計し、展示前日の先週金曜日、組み立て作業が行われた。釘や金具を使わず、竹本来のしなやかさを活かした茶室。中は大人6人ほどが入れる広さ。この竹は全て大阪・岸和田市のもの。市は年間約30トンの竹を20年間、パンダに提供してきた。5年前からはその食べ残しを資源として循環させる取り組みを進め、食器や竹アート作りに挑戦。万博では3日間展示され、約6万5000人が訪れた。取り組みの背景にあるのが放置竹林の問題。岸和田市ではこれまでパンダに竹を提供することで竹林の整備を行ってきた。しかし、パンダの返還を受け、新たな活用策が課題となっていて、持続的な資源の循環を目指している。