グリーンランド領有のポイントは欧州との関係と領有のシナリオ。ヨーロッパ諸国はここ数年ウクライナ対応で圧倒的軍事力の、最大の支援国・アメリカを必要としてきた。ヨーロッパは防衛費増額を求められれば応じ、関税交渉にも対応、NATO・ルッテ事務総長はおべっかと揶揄されるくらいの持ち上げ方でトランプ大統領の機嫌を損なわないようアメリカに譲歩してきた。グリーンランドを巡り“トランプ大統領をなだめる時代は終わりつつあるようだ”と報じられた(英フィナンシャル・タイムズ)。領有のシナリオとしては、影響工作、甘い誘い、欧州を巻き込む、軍事侵攻がある(Politico)。影響工作はグリーランド市民に独立を呼びかけ、水面下で働きかける。デンマークとの亀裂を深めることだ。ホワイトハウスに関係する3人のアメリカ人がトランプ大統領を支持する人のリストを作成していたとデンマーク公共放送「DR」ウェブサイトにある。甘い誘いはアメリカからの財政支援やビザなしでアメリカで生活し働けるなどの権利を与える。引き換えにアメリカ軍がグリーンランドで自由に行動できるようにする。この取り決めはアメリカが太平洋の一部の島嶼国とすでに結んでいるものだ。欧州を巻き込むというのは、ウクライナを支持するというカードと引き換えにヨーロッパ各国に譲歩を求めることだ。こうした工作が実現しない場合、軍事侵攻ということである。このシナリオはロシアがウクライナにしたシナリオに似ている。
