18日にルーマニア大統領選挙の決選投票が行われ、親EU派のダン氏が勝利した。大統領選挙を巡っては去年11月に行われ、極右のジョルジェスク氏がトップだったものの、その後ロシアによる選挙介入疑惑が浮上して選挙が無効となって延期されていた。やり直し選挙ではジョルジェスク氏の出馬禁止されたため後継候補を辞任するシミオン氏が立候補し、決選投票でダン氏に敗れる形となった。一方ダン氏の得票率は54%と僅差で、国民には共産主義時代に懐古し、現在の民主主義体制が西側諸国から押し付けられた不平等なものだと感じて自国第一主義を掲げる極右政党を指示する人が少なくないことを示している。選挙前の調査ではシミオン氏優勢だったものの、反EUを掲げるシミオン氏を当選させると親ロシア的な外交を取らざるを得ないことになることに多くの人が抵抗感を抱き、結果としてダン氏が票を伸ばす形となった。ルーマニアは東欧に位置していて、NATO非加盟国のモルドバやウクライナと国境を接していることから西側諸国の最前線としても知られている。冷戦期は旧ソ連の衛星国としてワルシャワ条約機構に加盟していて、1965年からはチャウシェスク氏の独裁体制が確立されていった。その後89年に革命が勃発してチャウシェスク氏が処刑され、民主化が加速して2004年にNATOに、2007年にEUに加盟した。
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