全人代での首相会見は国内外の記者の質問に対し首相自ら発信する数少ない機会で30年以上続いてきた。会見の機会が失われたことは習近平国家主席「一強」のもとで政府トップを務める首相の権限が縮小したことに加え、習近平主導部の閉鎖性を印象付けたかたちだ。全人代初日のきょう、李強首相が読み上げる政府活動報告では今年のGDPにの成長率目標について去年の5%前後を据え置くとの見方が出ている。この場合、ゼロコロナ政策終了に伴う反動増があった去年より目標達成は難しくなる。デフレや不動産不況といった中国経済が抱える課題に対し市場の懸念を踏まえた実効的な景気対策が示されるのかが焦点。