円安を追い風に日本を訪れる旅行者が増えている。先月の訪日外国人旅行者は初めて300万人を突破し、1ヶ月としては過去最多になった。今年1~3月までの消費額は、速報値で1兆7505億円と過去最高となった。円安に加え桜の開花の時期に合わせて訪日の需要が高まったことが影響。政府は来年、訪日外国人の数をコロナ禍前のピークである3188万人を上回る水準を目指すとしている。岸田総理は観光関連の閣僚会議で、この目標を前倒しで達成できるという見通しを示したうえで、インバウンド需要拡大に向けた対策を検討するよ指示。政府は、全国11か所指定しているモデル観光地での受け入れ態勢の支援や、オーバーツーリズム対策の強化など具体策の検討を急ぐことにしている。円安が進む中、海外からの原材料の値上がりが大きな負担となっているところもある。大田区の金属加工会社は、ひと月の原材料仕入額が2年ほどで約1.4倍になった。少しずつ価格転嫁も行っているが、さらなる対応が必要だという。ただ値上げの手続きに数ヶ月かかるケースもあり、先行きに不安を感じている。日本商工会議所の会頭は「今の円安は非常に困る」などと述べた。