井出さんは東京都区部の物価指数について「全国版に先行して発表されるので、日銀の金融政策を占う上でも注目されると思う。これまで東京都区部と全国のインフレ率は連動してきたが、4月に乖離した。これは都内の高校の実質無料化が影響したとされている。ただ、高校無償化は一部の大都市に限られているので、仮に5月に都区部に低い数字が出ても全国版の方は高止まりが想定される。したがってたとえ都区部のインフレ率が下がったからといって『日銀の追加利上げはないよね』という話にはならないと思う。食品などの値上げは対象品目が減り、値上げ率も去年より下がる傾向にある。ただ一方でサービス価格が幅広く上昇している他、足元の円安・補助金の縮小で電気・ガス・ガソリンなどの上昇も見込まれる。総じて全国版では2%前後のインフレが続くんじゃないかなと思う」と話した。