日産自動車がきょう発表した今年3月までの決算で最終赤字は6708億円と4年ぶりの赤字、赤字額としては2000年3月期に迫る水準。この時期は経営幹部にカルロス・ゴーン氏を招き日産が経営再建に取り組んでいたころで、ゴーン氏は「日産リバイバルプラン」とし2万人超のリストラや国内5工場で生産中止に踏み切った。新体制で再建に取り組むエスピノーサ氏も「RE:NISSAN」を打ち出し2027年度までに車両生産工場を統合し世界にある17工場を10に減らす方針を明らかにし、閉鎖対象は日本国内の工場も含まれる。またグループ全体の約15%にあたる2万人の人員整理を行い、取り組みを通じて2026年度までに5000億円のコスト削減する計画。追い打ちをかけるのはトランプ関税で、来年3月までの1年間で最大4500億円の影響を受けると予想、読みきれないとして業績見通しは売上高以外の公表を見送っている。伊藤忠総研の深尾エグゼクティブ・フェローは「サプライズはなかった。再建に必要なのはリストラを中心としたコスト削減だけでなく商品企画力を強めること」とした。売れる車のラインナップがないと語っていた内田前社長からバトンを受け取ったエスピノーサ氏は日産の商品企画担当。きょうの会見で新たな車の開発計画は出なかったが世界各地でパートナー企業との協業を通じて商品開発を進めると発表、エスピノーサ氏が協業先としてあげた一つは「ホンダ」だが三部社長は統合の再検討は打ち消したがアメリカの関税対応の影響で日産との協業の領域を広げる検討もしていると明かした。会見後にエスピノーサ氏は去年からホンダとの協業検討する一人だったと明かし、「ホンダは候補のひとつだが候補はたくさんいる、統合も資本提携もできる、私たちの戦略的見直しの優先課題はシナジーを見出すこと」とした。