G7サミット開幕。移民問題が、先日行われた欧州議会選挙で大きな争点となり今、各国で最も重要な国内問題として浮上している。議長国、イタリア・メローニ首相は移民に対する厳しい取り締まり姿勢を示しEU諸国の中では比較的うまく立ち回っている。欧州議会選挙でも、みずからが率いる与党が首位となるなどヨーロッパの政治の中で存在感を増している。フランスでは移民に厳しい姿勢の極右政党が支持を広げた結果、マクロン大統領は議会下院を解散し今後、総選挙に臨むが、支持は伸び悩んでいる。また英国・スナク首相も同じく議会下院を解散し総選挙を控えるが、みずから率いる与党保守党は政権を失う可能性が高いともいわれている。首脳たちの最大の懸念は、来年、米国でトランプ氏が大統領に返り咲くシナリオ。G7がこれまで一致してきたウクライナ支援などで結束が一気に乱れるおそれがある。国内問題、国際問題の両方をめぐって今年のG7はまさに正念場。