捜索隊はポツンと一軒家にたどり着き、主である90歳の善次郎さんに話を聞いた。麓にある実家は農家で100年ほど前に越後開墾で開拓したという。善次郎さんは5人兄妹の長男として生まれ、祖父母が開墾した畑を両親が受け継いだ。善次郎さんも14歳から農家を手伝っていた。その後家畜商の免許を取得し、農耕牛・馬の売買を仲介していた。24歳で結婚し子どもが2人生まれたが30歳で離婚。次男が農家を継ぎ、善次郎さんは50歳で上京した。東京では型枠の解体業をしており、上野駅のホームなどを請け負った。11年後61歳のときに福島にUターンし、実家から2キロ離れた山奥に約4000坪の土地を購入。牛舎を建てて畜産農家を始めた。