東京・葛飾区にある弁当店には、手ごろな価格の総菜がならび、地元から愛されている。物価高騰で値上げを迫られる中、将来の年金について、店長は、雇う側として負担が増えていくかもしれないなどと不安を抱えていた。厚労省は、年金見直しについて、議論の土台となる5つの項目を発表している。国民年金の納付期間を65歳まで延長する案では、納付期間が5年延びることになり、合わせて100万円近く、負担が増えることになる。年間10万円ほど、受け取る年金が増える可能性もある。在職老齢年金は、現在、給与と厚生年金を合わせた金額が50万円を超えた場合、超えた分の半分が厚生年金からカットされているが、廃止または緩和が検討されている。パート従業員が厚生年金に入りやすくなる案も検討されている。厚生年金に加入することで、将来もらえる年金額は増えると見込まれる。現在、パート従業員らが厚生年金に加入するには、条件があり、加入者は一定数に留まっている。厚労省は、従業員規模の条件の撤廃や、労働時間などの水準を引き下げた場合などについて、検証することにしている。パート従業員らが厚生年金に加入し、1ヶ月の保険料が約8000円とすると、年間の負担は、約9万6000円となる。都内の弁当店では、14人いる従業員が厚生年金に加入すると、年間約200万円の負担になるという。