トランプ大統領は、EUとメキシコに30%の関税を課すと発表した。メキシコに対しては3月に合成麻薬「フェンタニル」の流入阻止の対策が不十分だとして、25%の関税を発動していた。そして今回「まだまだ対策が不十分だ」として、30%の関税を課すとした。一方EUに対しては長期にわたる巨額の貿易赤字を批判し、「我々の関係は相互主義からは程遠い」と不満を露わにした。4月に発表した相互関税の税率は20%だったが、その後交渉が行き詰まり5月になると50%に引き上げる考えを表明していた。なぜこのタイミングで30%になったのか、野村総合研究所の木内登英氏は「当初の期限の7月9日がデッドラインだったということ。当初よりも高い関税率を、ペナルティーの意味合いも込めてかけた」などと指摘した。またEU宛の書簡では「巨額の貿易赤字の削減に向け、アメリカに対し関税を課すことなく、完全かつ開かれた市場アクセスを認めるべき」としている。トランプ氏は交渉次第で新たな関税率を調整する可能性を示す一方で、報復措置を取れば関税率をさらに引き上げると牽制している。EUのフォンデアライエン欧州委員長は、トランプ氏の投稿に即座に反応。「8月1日までの合意に向けて引き続き取り組む用意があるが、同時にEUの利益を守るため必要なら対抗措置を含めあらゆる措置を講じる」などと投稿した。EUは14日にもアメリカの関税措置への対応について、閣僚級会議を開く予定。