ニュースウオッチ9 (ニュース)
世界の自動車販売台数7位・ホンダと8位・日産自動車。今回の経営統合が実現すれば、7位と8位だったのが、世界3位の巨大な自動車グループが誕生する。経済部自動車担当・鈴木啓太キャップがスタジオで解説「キーワードは変革。両社の社長からは変革する勇気、大胆な踏み込んだ変革といったことばが聞かれた。発言の背景にあるのが、自動車産業の競争のステージが大きく変わり、1社単独では生き残れないという強い危機感。今後普及拡大が見込まれるEV(電気自動車)の分野やソフトウエアの開発で両社は出遅れている」。経済部自動車担当・鈴木啓太キャップがスタジオで解説「合が実現すれば世界3位の自動車メーカーが誕生するとあったが、EV(電気自動車)の分野では勢力図ががらりと変わる。EVの販売台数1位・米国・テスラ、2位・中国・BYDで日産とホンダは大きく溝をあけらている。重要性が増すソフトウエア開発も大きな課題。次世代の車作りでは、スマートフォンのようにソフトウエアをアップデートし、購入後も安全機能や省エネ性能を高めることができるかが競争の鍵となっている。この分野でも米中の新興メーカーが存在感を示している。このため、両社はこの分野で連携を深めて開発力を高めるとともに、巨額の費用を負担することで対抗しようとしている」。ホンダと日産が経営統合してどのような車を作ろうとしているのか、競争力強化のための課題は、という疑問に鈴木啓太キャップは「従来のハードを中心とした車作りから、ソフトウエアを軸とした新しい車作りへの転換を進めようとしている。自動運転などのいわゆる車の知能化や、脱炭素に向けたEV(電気自動車)などの電動化を強化するために、1社単独ではなく、経営統合が必要だと判断。ただその道のりは簡単ではない。新興メーカーは経営判断と開発のスピードの速さを武器に、急拡大してきた。ホンダと日産は、企業文化の違いを乗り越えることはもちろん、統合効果を発揮できる戦略をスピード感をもって作り、実行していけるかが課題となる。自動車産業をけん引していた大手メーカーと、台頭する新興メーカーの新たな戦い。想定を上回るスピードで産業構造が変わる中で、変革を迫られた大手メーカーが、時代に応じた戦略を打ち出せるかが問われている」。