サタデーウオッチ9 (ニュース)
中国政府は日本人に対する短期滞在のビザを免除する措置を再開。15日だったピザなしの滞在期間を30日に延長し来年末までを実施期間としている。ただ初日のきょうはビザを取得したうえで入国した人が目立った。岡山県内で酒などを醸造する機械の製造に販売を行っている企業。中国向けの輸出が売り上げの4割を超える年もあるが、現地に出張する際ビザの発行に長ければ2か月ほどかかることもあったという。愛媛大学は北京や上海などの大学と対面で交流を再開できることを期待している。新型コロナウイルスの感染拡大を受けて停止されてから4年8か月ぶりとなる今回のビザの免除。中国が日本との関係安定化に動く背景には国内経済の減速が鮮明になる中で日本からの投資などを呼び込みたいねらいがあるとみられる。一方、ことし9月には日本人学校に通う男子児童が刃物で襲われて死亡する事件が発生するなど日本人の安全確保が大きな課題。この事件では現場で拘束された容疑者が正式に逮捕されたことが分かったが、詳しい動機などは依然明らかにされていない。さらに改正反スパイ法の施行と中国当局による摘発の強化に対して強い懸念もある。今回のビザ免除。中国への旅行をメインに扱っている旅行代理店ではどう捉えているのか。東京都豊島区の旅行代理店ではコロナ禍前には中国への渡航を中心に年間7800件ほどを手がけてきたが、去年は2割以下に落ち込んだ。今月22日にビザの免除が発表されてから中国旅行についての問い合わせはまだ20件ほどだが、今後の拡大に期待している。一方、中国国内での安全面について心配する問い合わせも寄せられているという。ビザの免除はことし9月の日本産水産物の輸入再開合意に続く措置。中国としては日本から観光客や投資を呼び込んで景気を刺激したいという思惑があるものと見られる。その一方で中国国内では最近、閉塞感からか日本人だけでなく、不特定多数の人を巻き込んだ凶悪な事件が相次いでいる。人の往来を増やすうえで、まずは治安を立て直すことが喫緊の課題となっている。