首都圏ネットワーク (ニュース)
会席料理におすしといった和食は2013年にユネスコの無形文化遺産に登録され海外で日本の食文化が再注目されるきっかけにもなった。そして今回は日本の伝統的酒造りについてユネスコの評価機関は登録がふさわしいとする勧告をまとめ、発表した。東京・港区にある23区唯一の酒蔵は改装したビルで酒造りが行われている。杜氏の寺澤善実さんは日本の伝統的酒造りが無形文化遺産に登録される見通しになったことについて「うれしいを通り越して光栄」と語っていた。日本の伝統的酒造りの原型が確立したのは500年以上前、米や麦などを蒸す、こうじを作る、もろみを発酵させるなど伝統的に培われてきた技術が各地の風土に応じて発展し自然や気候と深く結び付きながら伝承されてきた。こうした技術で製造される酒は儀式や祭礼行事などにも使われ、日本文化で不可欠な役割を果たしてきたとされている。日本酒造組合中央会によると登録に向けて政府などへの働きかけを続けてきたという。日本伝統の酒は日本酒や焼酎、泡盛、それに本みりんも含まれいずれもこうじを使っているのが大きな特徴。素材に応じた独特のうまみがあり、近年、海外で評価が高まっている。一方で酒蔵が減り、日本の酒は国内では消費量や製造量も減少傾向にあるということで無形文化遺産の登録が再び国内でも注目されるきっかけになってほしいと期待している。文化庁によるとこの日本の伝統的酒造りは来月2日からパラグアイで開かれる政府間委員会で登録が正式に決まる。