- 出演者
- 若林正恭(オードリー) 阿部晋士 種田憲人
全国のロードサービスを担うJAF。この日、救援要請を受けて向かった先は、路肩に停まった一台の車。後輪のタイヤが凹み、タイヤがパンクしてしまっていた。JAFではこうした車などのトラブルによる救援を年間230万件以上行っている。そのうちの1万県が電気自動車によるものだという。電気自動車のトラブルで3位が電欠。電気自動車などを動かすバッテリーが0になった状態のことで、JAFでは電欠の給電要請が出ると、給電装置を搭載した専用車がかけつけて給電する。去年12月からこのサービスの実証実験を全国に拡大した。脱炭素社会にむけて政府は2035年までに新車販売の100%を電気自動車やハイブリッド車など電動車にする目標を掲げる。しかし新車における電気自動車の割合は1.57%。選ばれない理由には充電箇所が少ない、充電時間が長いなど、その殆どが充電に関するもの。その普及を阻む原因の一つは電欠。この課題を乗り越えようと奮闘しているのが今回の比類なき挑戦者。
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- 日本自動車連盟
オープニング映像。
愛知県豊橋市の町工場が建ち並ぶ中にオフィスを構えているのが21年に創業したPower Wave。社員25人で平均年齢は40台中盤。豊橋技術科学大学発のスタートアップ企業。CEOは種田憲人。ワイヤレス給電を展開しているが、スマホにも活用されている直接ケーブルに繋げずに電気を供給する。電池やバッテリーは一切使用していないが金属の板に近づけると、後輪が回転している。送電しているのは2枚の板で、電機を送る仕組み。車体側には受電する板がついているが、これらの面が向かい合うと空間を通じて電気が伝わる仕組み。このようにして給電ができれば、バッテリーがなくても車は走り続けることができる。目指すは走行中に給電すること。このワイヤレス充電に欠かせない人物がCTOを務めるのは阿部晋士。自動搬送車にワイヤレス給電の技術をいかそうと試作を続けている。目指すは充電から解放される社会へ。
種田はEV車を走りながらワイヤレス充電できるについて、スマートフォンなどにも使用するコイルを使ったワイヤレスでの方式ではなく、プレートを使用しているので広い範囲で給電ができるという。阿部は給電について電気を送ることで充電は電池に電気を貯めること。充電するには電気を送る必要があるという。EVワイヤレス給電協議会の堀は、EVに搭載される電池の重さは車体重量の約4分の1。重いものを運べば多くの電気を消費する。EVの電池の製造に、大量の電力が必要で環境への負荷がかかっているという。また日本では電池を作ることができず、中国に頼っている状態で、やすいものを作って世界に供給する状況を脱却しないと国防的にも問題があるとした。
実際にEV走行中にワイヤレスで充電する様子をスタジオで再現。車には受電板があり、送り側は黒い板の下に送電版がついている。実際に道路に設置する場合、板の厚さは1ミリで、これで走行中の車に給電ができる。実際に道路に設置するとなると、電気を変電所から持ってきて配電線で電気を供給し道路の近くで電力に変換する仕組みに。また周波数を使って車体に電気を送る仕組みになっているという。また電気は触れていなくても力が発生するという阿部。静電気の髪の毛と下敷きで引き合う力が作用していると答えたが、それを電界結合という技術が使用されているという。ワイヤレス給電には大きく分けて2つの方式がある。Power Waveが採用しているのは電界結合方式。直接触れることなく空間を通じて電力を送る仕組みで、比較的安価で軽量で済むと言われる。
コイルの間に発生する磁力を利用して電力を伝えるのが磁界結合方式。スマートフォンやイヤホンの充電などワイヤレス給電多くがこの方式によるもの。ヨーロッパではすでに磁界結合方式を使って走行中の車に給電できる電化道路の建設が進んでいる。フランスでは去年、パリ郊外の高速道路で送電コイルを埋め込み実証実験が行われている。効果があれば、2035年までに9000キロに拡張する計画に。
種田は世界標準の磁界結合ではなく電解結合方式を扱っている理由には、電解結合方式の課題は大き電力を遠くまで効率よく飛ばず、磁界結合方式の方を採用していたという。しかし大電力を遠くまで飛ばす技術を大学で長年研究してきたために、そういった分野で頑張っていきたいとした。磁界結合方式は、コイルを並べて送電するためにそのを車が通った時に点で給電を行っている。一方で電解結合方式は道路に長い金属の板を敷いて送電。点ではなく面で給電できる。面積の拾い面で電気を受け取れるので、車体が板から多少ズレても給電可能。また効率よく、充電されるので電気の送る板を道路全体に設置する必要もない。高速道路の場合ではインターチェンジから次のインターチェンジまでの一部区間で給電できればバッテリーの残量を減らすことなく走り続けることも可能。
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電解結合方式の基本原理について静電気と同じ。プラスの電気にはマイナスの電気が引き寄せられ、マイナスにはプラスが引き寄せられる。プラスとマイナスを入れ替えて、静電気の力としては離れ合う力も発生する。上にたまっていたマイナスは逃げるために移動する。移動する先に電球を通り抜けるので通る瞬間に電球が光る。同様に左側のプラスを反発させると右側に電気が流れ電球が光る仕組み。1秒間に678万回プラスとマイナスを入れ替えていると答えた。しかし、速く入れ替えるとスイッチの所でできの損失がでてしまい、制御が難しくなってしまうが、それをしなくてもいい回路を開発したという。
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阿部は開発で大変だったことに、そもそもスイッチを速くすれば電気が伝わることも分かっていなかったという。金属の板を使えばきっと簡単に電気が送れるだろうというところから始めたと答えた。金属の板を使えば電気を送れるとは思っていたがどうすればいいかわからず、回路理論を構築し、1歩ずつ確立してきたと語った。また次世代半導体を生かせるようになったこともこの技術を実現できるようになった背景だという。回路の開発に阿部は10年はかかっていると答えた。
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製造現場では大量のセンサーが搭載され、無数の配線が張り巡らされている。自動車業界ではケーブルが断線し、30分から1時間が生産が停止するとその損失は数億円規模になることも。空気圧機器大手のSMCがワイヤレス給電技術を開発するエイターリンクと共同開発をしたのは無線オートスイッチ。送信機から電気のエネルギーを電磁波の一種であるマイクロ波にかえてそれを離れた場所にある受信機がうけとり電気機器を動かすことができる。工場でワイヤレス給電が実現すれば地球3周分のケーブルが不要になると言われている。
NTTが三菱重工と共同開発しているのはレーザー光による電力供給。遠くから放ったレーザー光を受光パネルをあてることで、太陽光発電と同じ原理で光を電気に変える仕組み。これまではレーザー光は大気のゆらぎによって乱れやすいために受講パネルに均一な光が届かずに発電効率が下がってしまっていた。そこでレーザー光の分布を均一化する技術を開発。そして実証実験を行った所、1キロ先で152ワットの受電に成功した。
堀はワイヤレス給電の普及のために必要なことに国が主導していかなければうまくいかないと答え、カリスマ性をもったトップダウンの意思決定が必要になるという。また走行中給電のモデルとして新潟県長岡市で誕生した消雪パイプが、温かい地下水を利用し路面の雪を溶かし凍結を防止する。昭和36年に全国で初めて設置されたが、当時は水で雪が溶けるわけがないと見向きもされなかったという。田中角榮元総理が普及を促したという。消雪パイプは豪雪地帯に欠かせない設備となっている。種田は今後の展望に社員一同技術を高め、安心して使えるものを作っていく。実績を示していくことが何よりも重要だとした。また工場や倉庫といった自動化が進む場所からスタートし、パブリックな場所に広げていく。そうした積み重ねが必要になってくると答えた。
種田は元々銀行員だったという。銀行員として日本の技術をコアに世界で戦うことがいかに重要科を日々勉強するなかで会社を設立することになった。種田と阿部の出会いには、元々会社をいくつか経営していたがその一つの会社で講演しているところに阿部が参加者でやってきたという。そこで意気投合し今に至ると答えた。阿部が仙台の高専にいたが、アンテナを張る遊びをしていたという。またワイヤレス給電でミニ車で遊んでいたが、そうしているうちに走らせながら場所がずれても給電できる技術として電解結合方式にであったという。
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- パワーウェーブ仙台電波工業高等専門学校
種田は自動車については2030年以降に実装を少しずつ進めていくとし、今は工場は倉庫の中で動く自動で物を運ぶロボットが24時間365日働けるように走行中給電を提案しているという。また将来、充電という概念をなくしたいと答えた。
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若林はきょうの総括に、充電のない世界を実現したいという言葉がインパクトが大きかったと答え、今日の話にはすごい未来がこれからやってくると感じたという。
アンパラレルド〜ニッポン発、世界へ〜の次回予告。
