- 出演者
- 山本隆弥 中谷しのぶ 足立夏保 澤麻美
オープニング映像と挨拶。
水曜日、政治資金規正法の改正案が、衆院の特別委員会で可決された。同じ日、岸田総理から届いたシュークリームは、自民党、公明党の国会対策委員会のメンバーをねぎらうためだった。一安心かと思いきや、公明党、日本維新の会に大幅に譲歩した岸田総理に対し、自民党・麻生副総裁と茂木幹事長が不満を示し、強く反発したとされる。
おとといの衆院本会議。政治資金規正法の改正を巡り、自民党案が採決される前に、各党の討論が行われた。改正案には抜け道が多いとして、政治資金の透明性を確保できないという野党・立憲民主党に対し、自民党が反論。改正案は、与党や日本維新の会など賛成多数で可決、参院に送られた。自民党の政治資金規正法の改正案については、他党との協議が難航し、岸田総理みずから決断を下した場面も。公明党は先週「自民党案に賛成できない」と異例の注文。自民党は、パーティー券購入者の公開基準額について、現行の20万円超に対し、当初10万円超としていた。しかし、公明党は5万円超に引き下げることを求めた。その公明党の主張を、岸田総理はトップダウンで受け入れた。さらに野党・日本維新の会・馬場代表と会談。政策活動費について、日本維新の会が求めたとおりに「10年後に領収書と明細書を公開」で合意した。ところが、火曜日予定されていた岸田総理への質疑や採決が見送りに。トップ同士が同意したものの、日本維新の会からは「修正案が不十分」だと反発が。岸田総理は、50万円以下の領収書も必要とする日本維新の会の主張を受け入れ、政策活動費の公開を「50万円超」としていた規制の削除を決断した。自民党の政治資金規正法の改正案をめぐり、国会では野党が追及。専門家は「公開基準が下がるということは誰が買ったかより明らかになるということ、そこだけは評価したい。しかしその他はとても評価できるものでは全くない」などとした。岸田総理が公明党や日本維新の会に大幅譲歩したことに、自民党・麻生副総裁や茂木幹事長が猛反発したとされ、政権基盤が揺らぐ可能性も指摘されている。
おととい、菅前総理大臣や小泉元環境大臣、萩生田前政調会長など、総理とは一定の距離を置く議員らが会合を開いた。宏池会OBの森田氏は「今の状況に焦っている。一番は茂木幹事長との信頼関係がない。信頼があったら任せておけるのだけれどそれがないという不満の表れ」などと指摘した。専門家はポスト岸田について「手を挙げる人がいない。依然として岸田首相が相対的に有利」などと指摘した。
「党内の求心力」「規制法改正案」「肝いり政策」という岸田首相に吹く3つの逆風について見ていく。政治資金規制法改正案は維新・公明の案を取り入れることで賛成を取り付けた形となったが、これは総理のトップダウンという形。自民党内からは反対の声が多かったが、森山総務会長は自民が折れるべきなどと助言していたそう。一方で麻生副総裁との関係に亀裂が生じ、政権基盤に少なからず影響があるだろうとのこと。規制法改正案はパーティー券購入者の公開基準が現行の20万円超から5万円超となり、収支報告書の確認書の作成義務付けなど罰則が強化された。また政策活動費は項目ごと+月単位、さらに10年後に領収書などを公開することとなった。
総理の肝いり政策と言われているのが賃上げ定着と少子化対策。火曜日にはデフレからの脱却に向けた「骨太の方針」の骨子案が示されたが、実質賃金は25か月連続でマイナスとなっている。水曜日には改正子ども・子育て支援法が可決・成立したが合計特殊出生率は去年統計開始以来最低の水準となっている。
路上で飲酒する人の姿が目立つ東京・渋谷区。区議会では、この路上飲酒を通年で禁止する条例改正案が議論されている。夜のパトロールに8時間密着し、実態を探る。ハロウィーン期と大みそかなどに限り、午後6時〜翌日午前5時まで路上での飲酒を禁止してきた渋谷区。このほど、時期やエリアを拡大する改正案を区議会に提出。今月での成立を目指している。渋谷区・注意人数のグラフ。東京・新宿区も今週火曜日、ハロウィーン期間、歌舞伎町などの一部で路上飲酒禁止の条例案を区議会に提出すると発表した。新宿区長の声明。渋谷センター商店街振興組合は、ごみ清掃費に年間400〜500万円かけていた。渋谷区は、路上飲酒禁止条例の10月からの施行を目指している。
スタジオではSNSが発端であり情報リテラシーについて考えさせられるなどと話された。
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- 渋谷(東京)
20年ぶりとなる新紙幣の発行まで1か月を切った。対応に追われていたのはATMを製造する会社。コインパーキングを運営する会社も、生産機のお札を読み取る部品を新紙幣対応のものに交換していた。経費節約のため社員みずから作業を行っているという。全国で見ると、新紙幣発行に間に合うコインパーキングは全体の半数程度で、飲料などの自動販売機も対応が追いつかない可能性があるという。
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- 日本自動販売システム機械工業会
今週、コンビニ大手ローソンが導入したのは、イニシャルの名札。その背景についてローソン人事担当者は、「従業員が名札、実名を不特定多数にさらすということについての不安感、負担感という、そういうところがやっぱり大きい」と話す。客という立場を盾に、不当、悪質な要求をするカスタマーハラスメント、いわゆるカスハラ対策。実名をSNSでさらされるなど、カスハラ被害への不安を訴える声が増加したことから、イニシャルを認めるルールに変更した。またファミリーマートでは「仮名」の表記を認めるなどの対策を始めた。飲食、ホテルなどのサービス業が加盟する労働組合「UAゼンセン」が調査を行ったところ、全体の約半数が直近2年以内で被害に遭ったことがあると回答したという。深刻化するカスハラ。従業員が安心して働ける環境の整備が求められている。
函館名物、生きのいい新鮮なスルメイカ。水曜日、今シーズン初の漁を終えた漁船が港に戻ってきたが、漁師からは「20匹。もう休み。商売にならない」「だめだと思って覚悟して行ったが、それでも油代だけは取ってきた。厳しい」との声。近年、北海道では記録的な不漁が続いているというスルメイカ。この日の水揚げ量はおよそ200キロで、去年の6分の1程度。ことしはさらに厳しい船出となった。
トヨタなど5社の不正問題について、スタジオでは業界全体の信頼に関わる大きな問題などと話された。
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(中継)東京都江東区。東京都江東区にある旧中川水辺公園のアジサイと、そこから見える東京スカイツリーを紹介。最近、外国人観光客が増えているという。
北朝鮮による拉致被害者・曽我ひとみさんの単独インタビュー。曽我さんの運命が大きく動いたのは2002年。当時の小泉総理が、総理大臣として初めて北朝鮮を訪問し、当時の北朝鮮・金正日総書記と日朝首脳会談が行われた。外務省アジア大洋州局長だった田中均さんは交渉の舞台裏を知る人物。外務省アジア大洋州局長(当時)・日本総研・国際戦略研究所・田中均特別顧問「ひとつは拉致問題を解決すること。ひとつは北朝鮮の核、ミサイル問題を封じて、より安全な体制をつくること。それを僕はやりたいと思った。小泉さんは「それはやってくれ、だけど秘密でやってくれ」と」。田中さんは、ミスターXと呼ばれる人物との交渉に着手。ミスターXは、交渉では決して拉致の事実を認めなかった。田中さんは「信頼がベースにならないと、交渉なんて危なくてできない」と話す。日朝首脳会談実現の決め手は、総理の決断だった。そして、2002年9月に行われた日朝首脳会談の席で、金正日総書記は初めて拉致を認め謝罪し、5人が生存、8人が死亡したと伝えた。この年、曽我ひとみさんは夫・ジェンキンスさんと娘2人を北朝鮮に残し日本に帰国。しかし、一緒に拉致された母の行方は分からないままだった。曽我ひとみさん「日本の調査団が来たときに聞いた。「お母さんは日本にはいませんよ」と。今までずっと騙されてきたんだという気持ちと、じゃあどこで、あれからどうしたんだろう」。
2年後には2度目の日朝首脳会談が行われた。その結果、曽我ひとみさんはインドネシアで夫、娘との再会を果たした。それから20年。北朝鮮側は、拉致問題は解決済みと主張し、首脳会談には至っていない。日本側は8人の死亡を裏付けるものがないとして、被害者の即時帰国と納得のいく説明を求め続けているが、目立った進展はないまま。こう着状態が続く中、拉致問題を生徒たちに課外授業などで伝え続ける教師がいる。東京・立川市立立川第七中学校・佐藤佐知典教諭「(横田めぐみさんは)先生の自宅の目の前で拉致された」。佐藤教諭は新潟出身で、妹が横田めぐみさんと中学校の同じ学年だった。めぐみさんの両親を招き、講演会を行ったことも。年々感じるのは、拉致に対する関心の低下。
事態の打開に向けた動きは、再び活発になりつつある。去年7月、曽我ひとみさんと面会した岸田総理は「日朝首脳会談を早急に開催するべく、私直轄のハイレベルでの協議を行っていきたい」と述べた。曽我ひとみさん「交渉のテーブルを一日も早く、一時間でも早く、作っていただいて」。そしてことし、北朝鮮側も動きを見せる。北朝鮮・金与正氏「すでに解決された拉致問題を両国の関係の展望の障害物として置かなければ、首相がピョンヤンを訪問する日も来るだろう」。しかし、日本側が拉致問題がすでに解決されたとの主張は全く受け入れられないと表明すると、日本側とのいかなる接触も交渉も無視して拒否すると態度を硬くした。総裁の任期が残り僅かとなった岸田総理。訪朝カードを切ることはできるのか。安倍政権下で拉致問題担当相・拉致議連会長・古屋圭司議員は、訪朝には結果が求められると指摘する。「条件を付けずに会うというのは、会うこと自体はいいが、やっぱり解決には互いの思いがあるから、ちゃんと条件が整ったら行くべき。そうではないときに行くべきではない」。外務省アジア大洋州局長(当時)・田中均氏「こういうふうに政権が追い詰められて、それで北朝鮮のような国と協議、交渉するのはとっても危ないこと。相手は足元を見るから」。曽我ひとみさんの母・ミヨシさんは、ことしで92歳。行方は現在も分かっていない。
まだ帰国できていない拉致被害者の家族の親世代でご存命なのは、横田めぐみさんの母親の早紀江さん、有本恵子さんの父親の明弘さん。親世代の高齢化が進む中、ことしに入ってから大きな動きがあった。2月、家族会と支援団体は新たな活動方針を発表した。「親世代が存命のうちにすべての被害者の一括帰国が実現するならば、北朝鮮に対する日本の独自制裁の解除に反対しない」。一方で、これが実現しないのであれば、強い怒りを持って独自制裁強化を求めるとしている。ジャーナリスト・岩田明子「岸田政権は水面下で独自のチャネルで交渉は続けていたのは事実で、そのチャネルは切れていないよう。ただ、北朝鮮は軍事衛星打ち上げ、偵察衛星も打ち上げているし、弾道ミサイルの発射も続けていて、ロシアの技術も提供を受けながら着々と進化させている。そういう中で、もし北朝鮮が日本に融和的な態度を示すということが、日米韓の対北朝鮮に対するこの連携を、くさびを打つというねらいがあるのであれば、これはなかなか応じるわけにはいかない。やはり拉致問題、核ミサイル、こうしたものが解決する、そういった確信を持てなければ、なかなか前進は難しいと思う」。
全国の気象情報が伝えられた。
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- 舞鶴市(京都)
全国の気象情報が伝えられた。
韓国の脱北者団体が、北朝鮮・金正恩総書記を批判するビラを北朝鮮に向けて飛ばす中、別の団体がコメなどを入れたペットボトルを北朝鮮に向けて流した。韓国の脱北者団体はおととい、キム総書記を批判するビラや、ドラマ「冬のソナタ」などが収録されたUSBメモリなどを北朝鮮に向けて飛ばした。そしてきのう、別の団体が米やUSBメモリ、1ドル札などを入れたペットボトル500本を南北境界線に近い海岸から北朝鮮に向けて流した。さらに、ほかの脱北者団体も、ビラ60万枚や携帯ラジオ、菓子などを飛ばす予定だと韓国メディアが伝えている。北朝鮮は、ビラが飛ばされれば100倍のごみを送ると警告していて、あすにも対抗措置に出るとの見方が出ている。