- 出演者
- さかなクン 香音 堀内健(ネプチューン)
やって来たのは朱鞠内湖。案内するのは地元漁協・中野信之さん。イトウに会う方法は釣り。この釣りには針の形や数の規制、キャッチ&リリースの徹底などのルールがある。さかなクンと香音が釣りに挑戦。産卵のために集まるウグイの仲間を狙い、イトウがやって来る。ウグイやサクラマスを釣った後、見事62cmのイトウを釣り上げた。
漁協で飼育しているイトウを観察。口が大きく、水玉模様は尾びれまで入っている。210cmのイトウが捕獲されたこともある。北海道にはシカやクマを丸呑みにしたという伝説も残っているという。
イトウは川のふちや湖の深い場所に潜むように暮らしている。大好物はウグイ。イトウの丸太のような姿は泳ぐのには効率が悪いと考えられているが、筋肉量を増やすことで瞬発力を得ているという。大きな体を維持するため、ワカサギやフクドジョウなども食べる。イトウは漢字では魚偏に「鬼」と書く。
2人がやって来たのは北海道・北見市にある「北の大地の水族館」。北海道に暮らす淡水魚を中心に展示している。ここでは1mのイトウを10匹飼育している。2人はイトウがニジマスを食べるところを見学した。イトウは哺乳類のトガリネズミを食べることもあるという。イトウの上顎には2列の歯が生えており、舌には“舌歯”という棘がある。
やって来たのは北海道・釧路市にある「阿寒湖アイヌコタン」。コタンとはアイヌ語で集落を意味する言葉。西田正男さんはアイヌ文化を伝える活動をしている。アイヌの暮らしの道具や工芸品を展示しているところには「チェプケリ」というサケの皮でできた靴などがあった。イトウはアイヌ語でチライ。2人は「チライのオハウ」というアイヌのイトウ料理を食べた。オハウは温かい汁を意味し、イトウの切り身と山菜を煮込んだ料理。
日本には10種以上のサケの仲間が暮らしている。それらは長年、地域の伝統料理として受け継がれ、サケの仲間は日本人にとって最も身近な魚のひとつ。ここからはサケの仲間を徹底調査。サケ・カラフトマス・サクラマスはサケ目サケ科サケ属。ヤマメ・アマゴは種としては同種。ヤマメは北海道や東日本、アマゴは西日本にいる。小判のような模様「パーマーク」が並んでおり、川などで暮らす時には小石に溶け込んで保護色になるという。続いてはサケとイトウを捌いた。サケは海で甲殻類を食べることで身が赤くなる。一方、イトウの身は白色。
イトウが幻と呼ばれるようになった理由を探る。やって来たのは北海道・幌加内町。浅い小川には産卵床というイトウが産卵した場所があった。石を取り除くと約5mmの卵が出てきた。イトウが産卵するのは春、5000~10000粒の卵を産卵するという。イトウは川の最上流部で生まれる。続いてやって来たのは朱鞠内湖淡水漁協。そこにはイトウの赤ちゃんがいた。漁協が飼育実験のため、人工授精させたものだという。ここには2年経って成長したイトウもいた。幼魚の頃は川の上流部で過ごすという。
やって来たのはオホーツク海。イトウは淡水魚だが、オホーツク海に来ることもあるという。実際に海でイトウに出会った漁師・伊藤正吉さんは近くの斜里川から来て、たまたま定置網に入ったのではないかと話した。近年の研究でイトウは海にくだることが分かったという。まず、イトウの頭の中にある耳石を調べた。耳石は主に平衡感覚をつかさどる組織。成長と共に周りの元素を取り込み、少しづつ大きくなり、内側は木の年輪のような模様を刻む。耳石の成分を分析することで魚がどんな場所で成長してきたかが推定できるという。ポイントは“ストロンチウム”という元素。これは川よりも海の方が100倍以上多く含まれている。ある個体を分析した結果、耳石の外側はストロンチウムが多かった。川よりも海の方が豊富にエサがあるため、くだるのではないかと考えられる。カレイの仲間やサンマを食べている個体もいたという。
イトウは川と海を行き来している。しかし、人間が河川やその周辺の開発を続けたため、イトウが行き来できる川が失われた。その結果、イトウが減少してしまったという。
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森田釣竿が料理する魚を捌く。1皿目は「サクラマスのますずし」。ますずしは富山県の郷土料理、酢飯の上に天然のサクラマスを乗せた押し寿司のひとつ。2皿目は「ヒメマスの炊き込みご飯」。元々は北海道にしか生息していないヒメマス。味の良さから全国で放流されるようになったという。3皿目は「イトウのムニエル」。イトウはくさみがなくて食べやすい。
エンディング映像。
イトウについて、さかなクンは大切にしていきたいと話し、自身が描いたイトウの絵を披露した。
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2023年12月27日(19:33)