- 出演者
- 千葉雄大 福田麻貴(3時のヒロイン)
港で見かけるコンテナは海上輸送コンテナの父と呼ばれるマルコム・マクリーンが生み出した。コンテナが生まれたことでコストが大幅にカットされ、輸送効率も大幅にアップした。今回の舞台は大阪港。
- キーワード
- アメリカマルコム・マクリーン大阪港
大阪港の年間コンテナ取扱量は198万以上。巨大消費地大阪にあり、輸出よりも輸入が多い港。白色で電源が付いているコンテナは「リーファーコンテナ」。マイナス30℃~プラス30℃まで0.1℃単位の温度管理が可能なコンテナ。コンテナ内を一定の温度に保つため、太陽の熱を吸収しにくい白色が多いという。このコンテナは中国福州港から約1週間かけて大阪港にやって来た。中にはたこ焼き用のカットタコが入っていた。2023年の日本のタコの水揚げ量は約2.2万トンだが、輸入量は約3.1万トン。日本で流通するタコの約6割が外国産。タコの値段は年々高騰。現在のタコの平均価格は10年前の約2倍。世界的に漁獲量が減っており、すし文化の世界化によってタコの需要が増えていることも価格高騰の原因。また、EUもタコの輸入量を増やしており、輸入元の中国でもたこ焼きが人気だという。中国・福建省にあるタコのカット工場に潜入。ここでは1日約20トン~30トンのタコがカットされ、日本へ出荷されている。洗ったタコをボイルした後、氷水で冷却したらカット工程へ。一つずつ手作業でカットする。カット後はたこ焼きを焼いてゆで具合をチェックするという。中国では100万回再生を超えるタコ動画が多数投稿されている。
続いてはオマーン・ソハール港に輸出されるコンテナ。大阪港から約20日かけてソハール港に届けられる。中にはガラス製の魔法瓶が入っていた。今回は約2万本を輸出するという。魔法瓶は真空の2重構造で保温・保冷力を高めた容器。内部がガラス製の魔法瓶は大阪府が国内生産シェア100%。しかし、ガラス製の魔法瓶は落としたりすると割れてしまう。そのため、国内では軽くて壊れにくいステンレス製が主流。ただ、中東では現在でもガラス製の方が人気だという。オマーンの首都マスカットは古くから港湾都市として栄えた政治・経済の中心地。雑貨店にはガラス製の魔法瓶が売られていた。オマーンでは魔法瓶に直接コーヒーを入れる家庭が多い。オマーンコーヒーにはサフラン、カルダモン、クローブ、シナモンなどのスパイスを入れる。これらをたくさん使うため、ステンレス製よりも匂いや色が移りにくいガラス製が好まれる。大阪市西淀川区にあるガラス製魔法瓶の製造工場に潜入。2重構造を作るために大きさの異なるガラス瓶2つを重ね合わせていく。重なった2重のガラス瓶は約1000℃の炎で結合。気温や湿度にとって仕上がりが変わるため、絶妙な火加減を調整する職人がいる。この工場で作られたガラス製魔法瓶の約7割が中東をはじめとする海外で使われる。大阪は古くからガラス産業が盛んだった。やがて職人たちは電球製造を手がけるようになり、そのガラス加工と真空加工の技術が魔法瓶の製造に引き継がれていった。
続いては中国・大連港から来たコンテナ。約3日かけて大阪港にやって来た。中には活はまぐりが入っていた。温度を0℃から1℃に設定し、仮死状態で生きたまま輸入している。はまぐりは生命力が強く、海水がなくても1週間ほど生きるという。中国で収穫された後、弱るのを防ぐために麻袋に入れて日本に運ばれる。その後、貝毒検査が行われ、品質が保証されたものだけが流通する。日本でも収穫されていたが、開発による干潟の埋め立てや地球温暖化によって国産のはまぐりは徐々に減少。今では日本で流通する約4割が外国産になり、中でも中国産がそのほとんどを占めている。輸入後、はまぐりを乗せたコンテナは三重・桑名市近郊の楠漁港に運ばれる。その後、休ませるための生けすに入れ、鮮度を回復させる。桑名市は古くからはまぐりの産地として有名で、はまぐりの生育に適した場所。はまぐりの潜る習性を利用して新鮮なものを選別している。元気なはまぐりは30分ほどで砂地に潜るが、そうでないものは弱っているため、出荷しないという。元気になったはまぐりは豊洲市場などに運ばれる。スタジオではまぐりを上手に焼く方法を紹介。貝が開いたら、すぐにひっくり返す。最初に出る汁は海水のため、こぼれても大丈夫。
続いてはベトナム・ハイフォン港から来たコンテナ。約8日かけて大阪港にやって来た。中にはチタン鉱石を砂状にしたものが入っていた。原料の砂を輸入して工場で化学反応を起こし、チタンを製造する。チタンはサビにくく、重さは鉄の6割ほどと軽いが、強度は鉄の2倍だという。強くて軽いことから航空機のエンジン部品にも使われている。また、インプラントや人工骨などにも使われている。砂状のチタン鉱石はダンプアップという取り出し方をする。取り出す際に専用のコンテナ用トレーラーを使い、コンテナ自体を傾けることで中の砂を取り出す。チタンの原料は工場に運ばれると、大きな容器に入れられ、様々な化学反応をさせた後、1000℃に熱する。約100時間熱することで純度を高めていく。この後、4日かけて熱を冷ますとチタンの塊ができる。見た目がスポンジ状であることから“スポンジチタン”をいう。高品質なスポンジチタンは国内外で高い評価を受けており、50%以上はアメリカやイギリスなどへ輸出される。
1時間に30以上のコンテナを船から陸へ、陸から船へと積み替えるガントリークレーンや海に浮かぶゴミを吸い込む清掃船。AI技術を使って無人運航を可能にしたハイテクコンテナ船など、日本・世界の物流を支える港のスーパーマシン。大阪港には夢洲と舞洲を結ぶ全長876メートルの夢舞大橋がある。毎日約1800台のコンテナトレーラーが通行し、関西圏の物流を支える重要な橋。この橋は世界初の旋回式浮体橋。橋の下にはポンツーンと呼ばれる大きな浮き輪が設置されており、ロックを外すと浮き輪の上で橋が浮いた状態になり、ボートで押すだけで簡単に旋回することができる。大阪港は大型船が通れる航路が一つしかなく、その唯一の航路が船舶事故などで通れなくなった時に緊急時の予備航路として開発されたのが夢舞大橋だった。この橋が作られたのは神戸の造船所で、船にひかれて運搬された。夢舞大橋はわずか1日で取り付けが完了した。
続いてはベトナム・ハイフォン港から来たコンテナ。約10日かけて大阪港にやって来た。中には紅しょうがが入っていた。日本で流通しているしょうがは加工品も含めると約6割が輸入。海外のしょうが生産地の中でも近年、その量を伸ばしているのがベトナム。ベトナム北部の山岳地帯は年間を通じて湿度が高く、降水量が多いため、霧が多く発生する。しょうが作りは気温が高く、湿度が高い水はけのいいところが適している。その条件に朝霧が加わることで、葉が水分を吸収し、ハリのあるしょうがになるという。ベトナムではここ数年でしょうが農家が急増。しょうがは米やトウモロコシの6倍もの収益になるという。収穫されたしょうがは加工工場に運ばれる。洗浄した後、巨大なタンクの中で約2か月間、塩と酢でしょうがを酢漬けにする。そして、一つずつ手作業で皮をむき、千切りにし、最後に味と色をつける。ベトナムでもしょうがは重宝されており、スライスしたしょうがをゆで、砂糖をまぶした「ムットグン」というスイーツが一般的だという。
千葉雄大は世界の食べものが知れておもしろかったと話した。福田麻貴はコンテナ生まれと言っても過言ではないと話した。
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