- 出演者
- 中居正広 笑福亭鶴瓶 杉原凜 小峠英二(バイきんぐ) 佐野勇斗(M!LK) 塩崎太智(M!LK) 吉田仁人(M!LK) 山中柔太朗(M!LK) 曽野舜太(M!LK)
オープニングで登場した鶴瓶と中居。中居は「鶴瓶さんは歩くのが速いけど歩幅が狭い」とツッコんだ。
2011年4月22日、富山・小矢部市。「焼肉酒屋えびす」で、ある家族が食事をした。えびすは当時、富山・福井・石川・神奈川でチェーン展開していた人気店。メニューの多くは一皿100円で、人気の肉だけを大量に仕入れることで激安価格を実現していた。えびすで食事した家族の二男は翌日、体調不良を訴えた。
今夜のゲストはM!LKメンバー全員と小峠英二と紹介した。
二男は腹痛や吐き気の症状を抑えるため市販の胃腸薬を服用した。この時点では二男だけが体長不良を訴え、家族の誰も前日の焼肉店が原因だとは思っていなかった。さらに翌日、二男の腹痛は酷くなり、翌月曜日に近くの診療所を受診したが風邪からくる症状だと診断された。この時点でも他の家族に異常はなく、食べた物を疑うことはなかった。しかし、この日の夜に家族にも症状が出始めた。
中居はゲストのM!LKの「Kiss Plan」のMVを見てかっこいいと思ったと話した。佐野勇斗の祖母は鶴瓶と番組で共演したことを地元で自慢しまくり、「鶴瓶のばあちゃん」と呼ばれていると話した。
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- Kiss Plan
焼肉店に行ってから4日目、これまでにない腹痛が二男を襲い、症状は長男と父にも。二男は血便が出たことで、すぐに総合病院を受診。詳しい検査をすると腸管出血性大腸菌が検出された。腸管出血性大腸菌は主に牛の腸管内に生息し、牛の体表などにも付着している菌。産生するベロ毒素は青酸カリの数千倍という毒性でヒトの大腸をただれさせる。一家が症状を起こした原因は和牛ユッケ。生肉を細切りして食べるいわば“肉の刺し身”のユッケは当時はどこでも食べられる人気メニューで、この店でもユッケは人気で来店者の多くが食べていた。その生肉のユッケに腸管出血性大腸菌が付着していた。牛を処理する際に腸の内容物が食肉を汚染しないよう細心の注意を払って処理されるが、菌の汚染を完全になくすことは難しいという。一方で、この菌は熱に弱く75度で1分以上加熱すると完全に死滅するため通常の焼肉ならば問題はない。生肉のユッケを提供する際は、菌が付着しているかもしれない表面をトリミングと呼ばれる手法で切り落とし、菌を除去していた。トリミングは通常店側が行うが、焼肉酒屋えびすでは卸業者が行っているとして店舗でのトリミングは行っていなかった。一方、その卸業者でも生食用は作っていないとしてトリミングを行っていなかった。二男から菌が検出された家族が検査を受けると、全員から菌が検出された。
ユッケは現在は許可を得ている店では出していいことになっている。吉田は1人焼き肉が好きでユッケを1人で食べきったことがあると話した。
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菌の除去が不十分なユッケを食べて腸管出血性大腸菌に感染した二男。菌は家族全員からも検出され、免疫力が弱く症状の重かった長男と二男はすぐに入院。ちょうどその頃、病院には同じ症状を訴える患者が相次いでいてパニック状態になっていた。共通していたのがユッケを食べていたことだった。
山中柔太朗は帰省したときに母が育てたニラで餃子を作ってくれたが、ニラではなくスイセンがが入っていたと話した。ニラとスイセンはよく似ているが、スイセンは食べると下痢や嘔吐などの症状が出る。区別ポイントはスイセンは切ってもにおいがしないことだという。曽野は真夏に食べ残したお弁当をあとから食べて食あたりを起こしたことがあると話した。
ユッケを食べて腸管出血性大腸菌に感染し息子2人が入院した一家。同じ症状を訴える患者が相次いでいた。腸管出血性大腸菌は生肉だけが感染源とは限らない。かつてO157が発生したときは肉類を中心に調査したが、患者に共通する食材がなく原因が特定できず、肉以外で調査すると複数の患者が同じキムチを食べていたことが判明。製造元は関東の漬物会社で品名は「和風キムチ」。管轄の保健所に連絡するとその管轄内でもO157による集団食中毒が発生していた。腸管出血性大腸菌が野菜についていた可能性が高く、栽培中に牛糞堆肥を使用したときに大腸菌が生存していた可能性などがあるという。最近では漬物などに使われる野菜は次亜塩素酸ナトリウム添加溶液に浸して殺菌消毒することが義務付けられているが、食中毒を出した漬物会社は水洗いのみでキムチを製造していた。さらに浅漬けだったため発酵が弱く細菌が死滅しなかった可能性がある。
浅漬けに関する事件は他にも。高齢者施設で集団食中毒が発生し87人が入院、うち8人が死亡した。原因は白菜の浅漬けだった。この商品はスーパーやホテル、飲食店などにも流通しており、最終的に169人が感染する大規模な食中毒事件になった。
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五十君先生がキムチでの食中毒について解説。浅漬けは野菜を調味液に短時間漬け込んで味を付けたもので、調味液は栄養素が多く菌が増えやすいという。牛からの腸管出血性大腸菌は6~9月に多く、腸管出血性大腸菌の感染症も7~9月に多いという。土のついた野菜はよく洗って新鮮なうちに食べればほとんど問題はないという。
関東を中心にキムチ風味の浅漬けが原因で発生したO157の集団食中毒事件。漬物会社による白菜の殺菌消毒が不十分だったことがわかった。集団食中毒を起こした人たちに重症者は出ず、漬物会社には5日間の営業停止の処分がくだされた。
焼肉店でユッケを食べた家族の子どもたちは症状が重く、特に二男は悪くなる一方だった。被害は焼肉店がチェーン展開する4県全てで確認され大規模な食中毒事件となった。ユッケを食べて6日目、二男は溶血性尿毒症症候群を発症。二男は痛みが出始めた段階から下痢止め成分の薬を服用していたことで菌が大概に排出されにくくなってしまい、菌が体内に長くとどまり毒素が増加したとみられる。腎臓の機能が低下した二男には透析療法が施された。しかし、二男は意識を失い自発呼吸もできなくなった。
塩崎太智は冷凍したしゃぶしゃぶ用の肉を完全に解凍しないまま食べて1週間お腹が痛かったことがあると話した。
ユッケを食べてから11日目、二男は脳死状態になった。一方で事件から1か月がたった頃に長男は回復して退院できた。二男の意識は秋になっても戻らず息を引き取った。
2011年10月、この事件がきっかけとなり国は生食肉を規制する法律を定めた。ユッケを調理する場合は60℃で2分以上湯せんした上で表面から1cm以上カットして提供することなどが義務付けられ、刑事罰も設けられた。現在では保健所の許可がおりている店でのみユッケの提供が認められている。さらに、当時同じように人気があった牛のレバ刺しは現在も一切の提供が禁止されている。被害者への補償は焼き肉経営会社の保険金8600万円から治療費に応じた均等分配がなされただけだった。
事件から約13年、食中毒被害に遭った一家の父は「無念しか残っていない」と話した。
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一家の母はユッケを食べていなかったのに菌が見つかった。腸管出血性大腸菌は感染力が高く、おそらくユッケを食べた箸でつつかれたサラダから感染したと考えられているという。細菌の経路の伝染を蛍光塗料を使って実験すると、肉を切ったときのまな板・包丁で別の調理をする、箸でとりわけたときにも菌がつくことが確認された。
食中毒予防クイズ。「レアステーキとハ ンバーグ、食中毒の危険性が高い料理は?」。