2025年11月1日放送 10:30 - 11:00 テレビ東京

ブレイクスルー

出演者
佐々木明子 相場英雄 
(オープニング)
趣旨説明

今回も“プラスチックの魔術師”の理化学研究所・相田卓三さんが登場。相田さんは今さらなる驚きの開発を進めていて、“燃えない”プラスチックを開発。

キーワード
理化学研究所
オープニング

オープニング映像。

(ブレイクスルー)
“魔術師”のプラスチック革命

生活の必需品のプラスチック。しかしそのゴミが海に流れ込み、世界的な問題となっている。さらに人間が食べる魚の中や、空気中にもこうした微粒子ほどのマイクロプラスチックが漂っていて、人の体への影響も懸念されている。そこで前回紹介したのが、塩で溶けるプラスチック。原料は、FDA(アメリカ食品医薬品局)が安全性を認める物質のみ。この新・プラスチック、実はある身近な場所でもその真価を発揮する。

キーワード
アメリカ食品医薬品局

塩で溶けるプラスチックについて相田卓三は、たとえば土壌に埋めてガーデニングをする土を買ってきて、土壌の上に置いておくと、生物学的に分解されていることが確認できたという。土に含まれる僅かな塩分でも分解される。微量の塩分で分解される素材を生み出す魔術師・相田卓三はさらにある挑戦に踏み出していた。それがプラスチックの再発明。塩で溶けるのに、高い弾力性や硬さのプラスチックを開発。さらにアルミ合金に匹敵する引っ張り強度をもたせることにも成功した。そして相田がいま心血を注いでいるのが、燃えないプラスチック。これまでプラスチックの種類によっては火災時に炎を広げてしまうケースもあったが、この燃えないプラスチックなら不燃なだけでなく延焼防止の効果も期待できるという。さらにプラスチックの常識を覆す、自己修復プラスチックもある。真っ二つに割れたプラスチックが断面を合わせ20秒ほど待つとくっつく。しっかり強度も取り戻している。割れてももとに戻る理由は相田が独自に開発したポリエーテルチオ尿素という素材にあるという。この自己修復プラスチック、老朽化が問題となる社会インフラだけでなく、住宅の水回りなどにも活用が見込まれていると言う。あるいは車みたいに振動が常にくるところは見えない亀裂がたくさん生じていて、古くなるとそれが突然壊れる、そういうところに使えると相田は語る。

相場英雄は、溶けるプラスチックや繋がるプラスチックは全く新しい技術と発想だという。既存メーカーとの軋轢を乗り越える覚悟を聞かれ、相田は自信はないけど乗り越えることが必要だと思っている、幸いポジティブなボイスがいっぱいある、それを力にしていくのが今の考え方だと答える。そんな相田が尊敬してやまないのがアップル創業者のスティーブ・ジョブズ。電話機の概念を打ち壊し、通話だけでなく様々なアプリを搭載。生活を一変させた人物。相田は、iPhoneを初めて作ったときの彼の言葉は「reinvent」だった、再発明をするということを伝えてみんな立ち上がった、そういうところは普通の人は出来ないなどと語った。

キーワード
iPhoneアップルスティーブ・ジョブズ

“塩で溶ける”プラスチックに、燃えないプラスチック、さらに自己修復するプラスチックまで開発。魔術師と呼ばれる理化学研究所の相田卓三。研究をしたいと思ったきっかけを聞かれた相田卓三は、ドクター(博士)まで進んでいたけど、マスター(修士)のときにうまくいかなくなったといい、それで2年間ぐらいすごく自信も無くなって自分はこの程度だったのかと思っていたときに、明け方の3時くらいに測定をしていたら期待通りの結果が出てきて初めて体が震えた、それまで感動しない人間だと思っていたが、研究で感動するということを初めて経験して、研究者になりたいと思ったという。学生時代から40年以上、プラスチックの研究に没頭してきた相田。以前は好きなことだけに情熱を傾けてきたというが、転機になったのがプラスチックごみ問題。これに残りの人生をかけてみたいと塩で溶けるプラスチックの開発に乗り出した。今、相田のもとには教えを請おうと世界中から研究者が集まっている。研究室のロッカーには外国人の名前ばかり。相田の研究室では、外国人留学生・研究者が8割にものぼる。世界的な権威となった相田には強い信念がある。相田は、研究をやっていて一番楽しいことは国境・言語・文化の壁を超えることだと話す。私の部屋はノック不要というラボ、いつでも入ってこいという話、大きな仕事ほど最初の予定と違う形で見つかっている、1+2が3になる研究ではなく1+2が10になる研究は最初からデザインできない、いま世界にえている仕事のほとんどはそういう形で偶然見つかったものだと話していた。学生たちの情熱から新たな発想を引き出し続ける相田。

キーワード
理化学研究所
配信情報

TVerで配信中。

キーワード
TVer
“魔術師”のプラスチック革命

相田にとってのブレイクスルーとは?と聞かれた相田卓三は、答えがないことに挑戦していくこと自体がブレイクスルーだと思う、と回答。今回はその1つがかなり形の見える状況で出来たことが一番楽しいところ、だと話していた。

配信情報

テレ東BIZ・U-NEXTで配信中。

キーワード
U-NEXTテレ東BIZ相場英雄

© 2009-2025 WireAction, Inc. All Rights Reserved.