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- 矢内雄一郎 大浜平太郎 平出真有 中原みなみ 柳瀬和央 守屋のぞみ 佐々木融
アメリカの鉄鋼大手・USスチールの株主で、日本製鉄による買収計画に反対していた「アンコラ・ホールディングス」は、9日に買収を一転して支持し、新取締役選任などの株主提案を取り下げると発表した。トランプ政権の買収阻止命令の再審査指示を受けたもの。
守屋さんは、セブン&アイの決算について「事業構造改革に一旦目処をつけて、本業のコンビニの強化を進めていくと捕らえています。」などとコメントした。続いて、佐々木さんは日本の投資家の動きに注目しているとのこと。
ニューヨーク株式市場の動きを伝えた。
関税による先行きの懸念がある中での企業の決算発表について、久野さんは「1月~3月期は関税による影響もなく、足元の企業業績は依然として堅調となることが見込まれる。また4月~6月期からその後も増益が予想されていて、2025年全体ではプラス予想となっている。関税をめぐる企業の先行きは、不透明なままだ。JPモルガン・チェースの決算に注目される。」などと解説した。
為替、債権、商品の動きを伝えた。
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守屋さんがアメリカ関税政策にも揺るがない日本企業への課題をテーマにトーク。守屋さんはネガティブサプライズで今後も予断を許さない状況と話す。相互関税90日停止だが交渉によりどこまでさがるのかなどと見極めが必要と伝える。日本の成長要因としては中期的にみると困難を乗り越える力はあるなどと話す。財務レバレッジのグラフをみて、伸びしろがあるといい日本株について解説をした。日本企業についてはインフレ期待などがたかまっているといい、具体的に株主還元の拡充などをあげた。関税で不透明のなか企業は守りに入るのではときかれ守屋さんは不安定な事業関係だがら危機感をつのらせて変化する企業もいるだろうと期待をしていることを伝えた。投資家としては関税影響をうけずらいセクターに注目などだと伝えた。
日本経済新聞・柳瀬和央が解説。きょうのテーマは「高額医療が問う国民の選択」。今国会では高額医療の患者負担額に上限を設ける高額療養費制度に関する政府の見直し案が提出されたが紛糾し予算案も修正。柳瀬氏は「上限引き上げは今国会では見送り、凍結となった。政府が見直し案を提示した背景にある医療費の急増という問題にどう対処するのかという課題は残ったまま。今後の日本の医療の在り方をどうするかという難しい問いを投げかける」。どうすれば高額療養費制度を守れるのか?柳瀬氏は「高齢者が増えると負担が増える。医療はもう1つアクセルがある。それが高額化。医療技術の進歩で従来は治せなかった病気やケガが治せるようになり、入院期間が短くなり苦痛がやわらいだりしている。新しい治療法や医薬品を使用する場合、多くの費用がかかる場合がある。胃がん手術の場合は開腹手術だったが腹腔鏡手術となった。今は2018年手術支援ロボット、ダヴィンチを使った手術が保険適用。正確、精密手術で合併症や再手術のリスクは低下。2022年度には診療報酬が引き上げられた。胃の部分切除で73万5900円と腹腔鏡手術に比べ9万4700円高くなった。健康保険組合連合会によると1カ月の医療費が1000万円以上かかった例が2023年度2100件を超え5年で3倍となっている。開発製造コストがかかるバイオ医薬品が新薬の中心。1億6708万円という高額な遺伝子治療薬など画期的だが高額な薬が保険適用されている。2022年度の国民医療費は約46.7兆円と1.7兆円増加。高齢者人口の増加率を大きく上回った水準。(日本経済新聞9面3月29日付)
医療の進歩はありがたいが増える費用をどうまかなうか。柳瀬氏は「外来診療の場合、技術進歩で医療費が増えると患者の負担も増える構図。入院医療の場合は高額療養費制度があるため患者負担に上限がある。そのことで技術進歩の対価は医療保険がマル抱えする。石破政権は高額療養費の上限を上げることで技術進歩の恩恵を受ける入院患者に応分の負担を求めようとしたが患者団体と野党の強い反対を受けて見送りとなった。高額療養費に手をつけず保険料でまかなう選択肢もあるが、この場合は保険料は大幅増加。医療保険料の総額は22.1兆円だったが24年度には24.4兆円ほど増えている。政府は2040年になると35兆から37兆円程度が必要と推計している。足元の高額化の加速を反映していないためさらに増える可能性がある。手術など大きなリスクへの安全網を守るために小さなリスクは自分で対応。日本維新の会が主張する花粉症治療薬や湿布など市販薬に類似品がある薬を保険から外す。高齢者の窓口負担を3割にする案もある。費用対効果が小さい薬や治療法は保険適用しない。安全性が確認された薬や治療法は保険適用しているが費用の割に高価が限定的という薬について適用を見送ったり患者負担の割合を引き上げる考え方。この場合、保険診療でカバーされる治療法の選択肢が狭まる。医療体制そのものを見直す。患者が自由に好きな医療機関を利用できるフリーアクセスは日本の医療の特徴。はしご受診や重複検査など無駄を生みやすい。高齢者に限り主治医の登録制を導入して救急の場合をのぞき初期診療の医療機関を限定すれば医療の効率性は高まる」などと述べた。(日本経済新聞9面3月29日付)
今回は住宅メーカーと大学が組んで大阪・関西万博のパビリオンで披露する準備が進められている、人工光合成を使い家庭のエネルギーを作り出す技術があり開幕前の万博会場で取材。10月13日までの半年間開かれる大阪・関西万博。会場のシンボルで世界最大級の木造の構造物でもある大屋根リングの外側に真っ赤な屋根が特徴の飯田グループホールディングスのパビリオンがある。パビリオンはまだ準備中となっているが、未来の家と街をイメージし提案している。施設内には2050年の水素社会を実現した未来都市をイメージした大きなジオラマが来場者を迎えている。街のコンセプトは“人工光合成”。展示では息を吹きかけると光合成を説明してくれるコーナーもある。自然界の光合成は植物が太陽の光をうけると二酸化炭素や水を取り組み酸素やデンプンなどを作り出すもの。一方、今回開発中の人工光合成では太陽光エネルギーを利用し水と二酸化炭素から蟻酸と呼ばれる化合物を生み出す。その蟻酸を必要な時に分解し水素を取り出し活用する取り組みをしているという。飯田グループでは実際に作り出した水素でパビリオン内にあるジオラマの一部の明かりを発電しようと考えている。この人工光合成を共同で研究開発しているのが大阪公立大学。研究センターでは光合成パネルでエネルギーをあつめ、葉緑体の役割となるギ酸生成セルにおくられ、水素と二酸化炭素に分解し水素で発電する研究が行われていた。発電はできるが、大量の水素を発電し貯蔵する必要があるが、蟻酸は少量からでも多くの水素をつくれる特徴があり、一般家庭電気を1日分まかなうためには通常住宅よりも大きな水素タンク24基が必要となるが蟻酸の場合は2kgに圧縮できるという。さらに濃度を薄めると火もつかず危険物にもならないため貯蔵に優れているという。コンパクトな人工光合成の装置を住宅に取り付けることで水素社会の実現が夢から現実のものとなる可能性がある。飯田グループホールディングスの西野社長は、人工光合成について日本の国家的課題はエネルギー受給。この課題に向き合いたいと考えているという。この万博終了後は、沖縄・宮古島で実証の場を移し研究開発を加速、10年以内の商品化を目指しているという。国内の住宅マーケットは縮小しているとされているが、自立型のエネルギー住宅に関してはこれからのマーケットだとみている。
全国の天気予報を伝えた。
9日、アメリカのトランプ大統領は、報復をしていない貿易相手国に対する相互関税を90日間停止し、一律10%に引き下げると自身のSNSで明らかにした。一方で報復措置を発動した中国に対し、「関税を125%に引き上げ、即時発動する」と発表。9日、中国政府はアメリカからの輸入品に50%の追加関税を課し、税率を84%に引き上げる報復措置を表明していた。ベッセント財務長官は「アメリカは今後、確実に誠意を持って交渉に臨む。同盟国もそうするだろう」と述べ、「中国が今後、どう動くのか様子を見る」としている。
日本製鉄によるUSスチールの買収計画について、トランプ大統領は「USスチールが日本に買収されるのを見たくはない」との見解を示した。今週、トランプ氏は安全保障上の審査を再度行うように対米外国投資委員会に指示する文書に署名し、買収計画が進展するのではという見方が浮上していたが、先行きは油断を許さない。
2月のドイツ連邦議会選挙で、第1党になったキリスト教民主・社会同盟は9日、社会民主党とメルツ党首を首班とする次期政権の連立協定書案を発表。5月上旬にもメルツ氏が首相に就任する見通しだ。
9日、FRBは先月18日と19日に開催したFOMCの議事要旨を公表。参加者ほぼ全員が「インフレは上振れ傾向で、雇用は下振れ傾向」との認識を示し、不確実性が高まるなか、インフレと景気後退が同時に起きるスタグフレーションのリスクを指摘。参加者は、現在の政策金利は、インフレと経済の見通しがより明確になるまで、適した水準にあるとの見解を示した。
きょうのポイントについて、守屋さんは「懸念のほうが強かったところから、90日間の関税停止ということで、ここから交渉により関税率がどこまで下げられるのかが焦点が移る。カードを有効にきって、交渉を進められるかというのを見ていきたい」などと解説。佐々木さんは「センチメントが変わったので、円安が進んだというところはある。為替をコントロールするのは難しいので、貿易のほうでやっていくのではないか。」などと解説した。
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