2025年11月5日放送 22:00 - 22:58 テレビ東京

ワールドビジネスサテライト

出演者
豊島晋作 竹崎由佳 長部稀 嶺百花 入山章栄 
(オープニング)
オープニング

オープニング映像。

(ニュース)
トヨタが決算発表 業績を上方修正も株価急落なぜ?

世界販売台数が年間1000万台を超えライバルを引き離すトヨタ自動車。トランプ関税という逆風の中でも4月から9月までの半年間の世界販売台数は1年前に比べ5%増えた478万台と上半期として過去最高を更新した。得意とするハイブリッド車が世界販売の4割以上を占めるなど業績をけん引した。トヨタが強調したのは、みずからの商品力の強さ。現行の新車販売が好調な中来年3月までの1年間の業績予想では本業のもうけを示す営業利益を3兆4000億円、純利益を2兆9300億円と見込み前回予想から、それぞれ上方修正した。一方で、日米関税協議で自動車が15%に決まるなどしたトランプ関税により通期で1兆4500億円、利益が下押しされるとの見通しを示した。トランプ関税の妥結について「ほっているのか、それとも厳しいのか」という豊島晋作の質問に、近健太CFOは「どっちもだ」と答えた。今日の株式市場でもトヨタの決算には大きな注目が集まった。日経平均が朝から急落する中下落していたトヨタの株価は、決算発表で上方修正を受けた直後に急上昇。しかし、その後は再び大幅下落に転じ節目の3000円を下回る場面もあった。トヨタが発表した営業利益も純利益も上方修正の幅が、それぞれ市場の予想に届かず見通しが保守的だと受け止められたためだ。一方で近CFOは、今後の業績について更なる上方修正に含みを持たせた。

解説 世界に合わせて柔軟に対応 “マルチ戦略” トヨタに死角は?

トヨタ自動車の業績の強さの秘密について、早稲田大学の入山章栄教授は「トヨタは今、マルチパスウェイ戦略っていうのを取っている。ガソリン車だけじゃなくて、ハイブリッド、プラグインハイブリッド、それからバッテリーEVと全方位やるっていう戦略をとってきている。他の企業というのは比較的1本に絞ってしまっていてここで、まず1個、差が出てきてるだが、もう一つポイントがあって、今実は世界の自動車市場っていうのがローカル化が進んでいるが、EV化の流れの中で求められる車の種類が違ってきていて、それに対してトヨタは結果的に柔軟にいろんな国の状況に合わせた車が出せる」と答えた。またEVで「出遅れ」が指摘されているトヨタだが、その中国市場ではBZ4XというEVを発売していて、結構好調で売れているという。きょうのトヨタ側の会見では「今、非常に地域バランスがとれた収益構造になっていると思うそれぞれの地域のお客さんに寄り添った対応を続けていく。これに尽きるかなと思う」と述べていた。一方そうした地域性は死角でもあると入山教授は指摘「グローバル企業は基本的に2つの大きな戦略的な方向性があって、そのどっちを取るかのバランスが重要。1個はAppleのように世界レベルで全く同じものを作っていくっていう統合戦略。それに対して、各国ごとに違うものを作っていく。これマルチナショナル戦略とか我々、言うだが、いわゆる各国の適応戦略。トヨタは長い間、左上で統合戦略をとってたが、自動車全体が今、適応戦略のほうに移ってきてるから、マルチパスウェイ戦略とうまくかみ合ってる。ただ逆に言うとやるのは簡単じゃなくてやっぱり人と組織。現地への権限移譲とか、ローカル人材の育成とかそういう組織の改編とかそういったものが必要になってくるので、トヨタがこの戦略をさらに進めるとするとそういった組織とか人材のところがどうなのかなっていうのがポイントになってくる」とコメントした。

日経平均株価が急落 「AI相場」が逆回転?

今日の東京株式市場は取引開始直後から売り一色となった。昨日の終値から2400円以上下落し節目の5万円を割り込む場面もあった。4日のニューヨーク市場が下落した流れを受けたものがそのきっかけとなったのが、アメリカの大手証券会社ゴールドマンサックスのソロモンCEOは4日今後、株価が下落する可能性に言及。その理由として挙げたのがAIや半導体などハイテク株の過熱感だ。NVIDIAなど主要な半導体銘柄で構成する株式指数はこの半年間で2倍近い水準に急騰していた。ソロモンCEOの発言などを受け市場では相場の過熱感への警戒が広がりハイテク株を中心に売られる展開となった。日本でもソフトバンクや半導体検査装置大手のアドバンテストなど相場を支えてきたAI関連の銘柄が大幅に下落する事態となった。ニッセイ基礎研究所の井出真吾はファンダメンタルズが傷ついた話ではないので今回の下落は、一時的なものだと分析。一方、今後の株価についてはこれまでのような上昇一辺倒にはなりにくいだろうと指摘した。

WBS Quick
高市総理 早期解散を否定 ガソリン減税 年内実現へ

高市総理大臣は衆議院本会議で行われた代表質問で国民民主党の玉木代表から衆院解散について質問され「とにかく急ぐべきは、物価高対策だ」と強調し、早期の解散総選挙には否定的な考えを示した。具体的な物価高対策としては寒さが厳しい冬の間に電気ガス料金の支援などを行う方針を改めて示した。一方、自民党と立憲民主党など与野党の6党はガソリン税に上乗せされている1リットルあたり25.1円の暫定税率について年内に廃止することで正式に合意した。軽油引取税の暫定税率も来年4月1日に廃止する。物価高対策の柱としたい考えで財源については今後、検討を進める。

ゼレンスキー氏と電話会談 ウクライナ支援継続伝える

高市総理大臣は今夜、就任後初めてウクライナのゼレンスキー大統領と電話で会談した。高市総理は「日本として引き続きウクライナを支援する」という考えを伝え両首脳は緊密に連携していくことで一致した。

上海で国際輸入博覧会 過去最多4100社が出展

中国の李強首相は、上海で開幕した中国国際輸入博覧会でアメリカなどを念頭に「世界の貿易制限の措置が、多国籍企業や発展途上国の利益を損なっている」と指摘し「貿易投資の自由化円滑化の水準を高める」と強調した今回の輸入博には過去最多の4100社あまりの企業が参加している。

(ニュース)
百貨店各社が発表 福袋の主流は「体験型」?

今日、百貨店各社が来年の福袋をお披露目した。高島屋が発表した1億2000万円の福袋に入っているのが、純金のサッカーボール。人気サッカー漫画「キャプテン翼」の純金フィギュアに。原作者の高橋陽一先生に似顔絵を描いてもらえる権利を合わせて1億2000万円。サッカーワールドカップが開催されることを反映している。さらに来年は午年ということで馬主気分を味わえる体験型福袋も販売。競走馬デビュー前の育成馬の、一口馬主として牧場見学や馬主席での観戦などができる。東武百貨店でも来年の干支にちなんで乗馬体験をすることができる福袋を販売。純金およそ16gの馬の置物うあ小判とカレンダーの金製品3点セットで120万円。さらに物価高を意識して、お得な「うまい」を味わえる福袋。9万円相当で、およそ4.5kgの和牛の盛り合わせは5万円。体験型の福袋は映画スターやアイドル写真を撮影販売してきたマルベル堂の店長兼カメラマン、武田仁さんによる撮影を体験できる「私もアイドル!私推し福袋」。自分だけのポスターや缶バッジなども作ることができる。来年で4回目になるこの福袋。前回は限定3組の募集に対し倍率は100倍を超えた。松屋銀座では展示されていた12種類の福袋のうち中身の分からない福袋は、たった1種類。ほぼすべてが「袋に入らない体験」を売りにしている。オーダーメードスーツづくりや1万5000円のディナー、他に人力車での浅草観光など複数の体験をしてもらう。6つの体験がセットで、価格は11万円だという。

初のイスラム教徒 NY市長に急進左派のマムダニ氏

ニューヨークの市長選挙が投開票日を迎え、イスラム教徒で34歳の民主党左派候補、ゾーランマムダニ氏がクオモ前ニューヨーク州知事らを破り当選を確実にした。勝利宣言でトランプ大統領に「我々の誰かに手を出すのなら、全員で立ち向かう」メッセージを送ったマムダニ氏はアフリカウガンダ出身でインド系の両親を持つイスラム教徒だ。7歳のころにニューヨークに移住し政治活動を行う前はラッパーとして活動するなど、異色の経歴を持つ。急進左派であるマムダニ氏が大企業や富裕層への増税を主張していることなどから民主党系であるクオモ氏をトランプ氏が支持する異例の事態となっていた。マムダニ氏の看板政策が、家賃の値上げを禁止する「家賃凍結」や市営バスの無料化や保育の無償化など高い生活コストに苦しむ人々に寄り添った政策を打ち出し支持を広げてきた。特にマムダニ氏を支えているのがZ世代の若者たち。マムダニ氏を支持する24歳のソフィアさんはマンハッタンのワンルームアパートにパートナーと2人で暮らしている。家賃は1800ドル、およそ28万円。運よく手ごろなアパートに暮らせているがマンハッタンのワンルームアパートの平均家賃はおよそ63万円。もともとソフィアさんがマムダニ氏を支持したきっかけは政策ではない。マムダニ氏がインスタグラムに上げた写真にこれまでの政治家にはない親近感を抱いたという。こうしてTikTokやインスタグラムで等身大の姿を発信するなど巧みなSNSによる情報発信はマムダニ陣営の最大の武器となった。マムダニ氏の勝利は来年の中間選挙に向けてアメリカ全体の政治の方向性に大きな影響を与えたとタフツ大学のルビー・ベル・ブース氏は指摘する。

中継 NYで急進左派市長誕生 トランプ大統領に打撃は

ニューヨークから中継。奇しくもきょうはトランプ政権が誕生することになった去年の大統領選から、ちょうど1年を迎える日だが、今回の市長選はトランプ氏にとって打撃になると指摘。トランプ大統領としては、対立候補のクオモ氏への支持を表明するなど、いわば介入を強めていた形ですのでトランプ氏自身も敗北したという印象が残る結果となった。逆に、これまで劣勢だった民主党にとっては大きな勝利で、今回はニューヨーク市長選に加えニュージャージー州知事選、バージニア州知事選のすべてで勝利した。来年の中間選挙に向けて現地メディアも民主党に復活の兆しなどと報じている。結果を受けてトランプ大統領はSNSで「自分の名前が投票用紙に書かれていなかったことと政府閉鎖が敗因だ」というふうに投稿して不快感をあらわにした。勝利した民主党のマムダニ氏はですねトランプ氏に裏切られた国で彼の倒し方を示せるのは彼を生んだこの街だというふうに述べるなどトランプ大統領との対決姿勢を前面に打ち出した。トランプ大統領としては支持率も政権発足後、最低水準に落ち込んでいる中中間選挙に向けて民主党が過激な左派政党になろうとしているというストーリーで攻撃を強めてくることが予想される。一方で勝利したマムダニ氏の政策につい「大企業や富裕層への増税というのも掲げているので資本や人材がフロリダなどに流出してしまうのではないか」と金融関係者は警戒感を強めている。家賃凍結で家主の収入が減り家主がローンを組む銀行の株価が下落するといった株式市場への影響が出る可能性もある。ただマムダニ氏の支持者を取材するとこういったマイナスの影響というのは十分に理解したうえでそれで「もニューヨークには変化が必要なんだ」と現状への怒りや失望感みたいなものを強く感じている。マムダニ氏が、こういった期待に本当に応えることができるのか、今後の焦点となる。

解説 “古い民主党”に風穴開ける マムダニ氏が示す新たな潮流

ニューヨークにイスラム教徒の市長が誕生。マムダニ氏が当選した理由について入山は「アメリカの国民が望んでいるインフレ対策、家賃があまりにも高いこと、それに対して自分たちの給料がそれほどでもないっていう。それに対してマムダニさんは家賃凍結とか市営バスの無償化とかわかりやすい政策を提供したっていうことが勝因だと思います」などと語った。

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ゾーラン・マムダニ民主党
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医療・農業で活躍!大気圧低温プラズマ

横浜市緑区にある東京科学大学ではプラズマの研究を行っている。従来の大気圧プラズマは数千度以上の高温状態で生成されていたが現在では40から200度の大気圧低温プラズマの生成が可能となった。沖野准教授はマイナス20から200度程度まで1度以内の精度で温度を制御可能なプラズマ装置を世界で初めて開発した。沖野准教授はこれによって植物や人体により適切なプラズマを照射できるようになるとし、レタスの水耕栽培での実験映像、医療分野での豚の胃の実験映像を紹介した。シャーレ上のがん細胞にプラズマを照射するとがん細胞のみ死滅し正常な細胞には影響がない研究も報告され、沖野准教授はこの方向での研究も進めることにしている。

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プラズマ東京科学大学緑区(神奈川)
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大手商社5社 中間決算 非資源分野などが好調

大手商社5社の2025年4-9月期の純利益(前年比)が出揃い、伊藤忠商事は5002億円で14.1%アップ、三井物産は4237億円で2.9%アップ、住友商事は3012億円で18.6%アップ、丸紅は3054億円で28.3%アップ、三菱商事は3557億円で42.4%ダウンとなった。各社ともに原料炭価格の下落が業績の重荷となった一方で非資源分野などが好調であった。きょう決算を発表した三井物産は2026年3月までの1年間の純利益の予想を500億円上方修正し8200億円とした。伊藤忠商事は繊維や食料事業が好調で純利益や時価総額などの指標で商社3冠を狙うとした。

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三井物産三菱商事丸紅伊藤忠商事住友商事千代田区(東京)時価総額港区(東京)純利益
日産 国内2工場で減産へ 中国半導体の輸出制限で

ネクスペリアの出荷停止問題の影響で日産自動車が11月10日の週に国内で減産することがわかった。減産するのは神奈川県の追浜工場と福岡県の日産自動車九州の工場で、国内向けのノートやエクストレイル、北米に輸出しているローグなどが対象の見通し。減産規模は全体で数百台で「いつまで続くかは不明」としている。中国当局は条件付きで輸出を再開する意向を示しているが、日本政府関係者は「再開するのか注視している」としている。

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日産自動車
AIで倉庫故障の前兆検知 イトーキが発表

オフィス家具のイトーキはきょう、AIが物流倉庫の故障の兆候を検知する保全システムの開発を発表。日本オラクルとの協業で開発したシステムで故障を事前に予知し適切なタイミングで保全作業を行うことによって倉庫が突然運用を停止してしまうなどのリスクを軽減する。

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イトーキ中央区(東京)日本オラクル
「日本への投資意欲高まる」米投資会社社長が認識示す

アメリカの投資会社ブラックストーンのグレイ社長は都内で講演し、「世界中で日本への投資意欲が高まっている」との認識を示した。日本企業について主力事業に資本を集中し収益を高める企業が増えていると分析。

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ジョナサン・グレイ
解説 “ネクスペリア問題”で見える トヨタと日産の違いとは?

入山章栄がネクスペリア問題”で見えるトヨタと日産の違いについて解説。トヨタは在庫に余裕を持たせ、調達先も分散させることで柔軟なサプライチェーンを構築している。一方、日産は効率性を徹底的に追求したサプライチェーンを採用しており、今回の問題ではその差が現れたのではないかと述べた。

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トヨタ自動車日産自動車
マーケット最新情報

マーケット最新情報を伝えた。

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NYダウ先物円相場
(ニュース)
カルビーが発売 ジャガイモで「代替ノリ」

カルビーがジャガイモで作った代替ノリを発売。使っているのはポテトチップスの製造工程でジャガイモを洗う時に出る「でんぷん」。これをこんにゃく粉と配合し、成型したものとなっている。代替ノリ開発の理由について担当者は余り使わない割に高いので、もう少し安ければ手に取りやすい商品として使ってもらえると思ったと説明。海水温の上昇などで不作が続くノリ。1枚あたりの平均単価はここ3年で2倍以上に上昇。開発した「のりやん」は4.5グラム入りで198円。今後、量産体制を整え低価格化を目指す。

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のりやんカルビーカルビープラス 東京駅店全国漁連のり事業推進協議会宇都宮市(栃木)
解説 “AI時代”到来で働き方は アメリカの“波”が日本にも?

あすの注目ニュースで入山章栄は「毎月勤労統計」に注目。中長期的にもこの指標は重要で、これからのAI時代には雇用の形が大きく変わると指摘。アメリカではすでにその変化が起きており、同じ流れがいずれ日本にも訪れると述べた。

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毎月勤労統計調査
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