- 出演者
- 松田利仁亜
赤嶺政賢が質問。2018年12月、辺野古川の埋め立ては半年余りで完了することが計画であったが、埋め立ては完了したのか。木原稔が回答。辺野古川の埋立工事については昨年9月末以降の進捗率が99.5%となっている。赤嶺政賢が質問。当初は半年で終える計画だったが、実際には5年かかっている。何故、これほど期間がかかったのか。木原稔が回答。移植移築対象の3語類にかかる特別採捕許可が得られなかったことなどから計画を進めることが出来なかった。
沖縄の米軍基地に関する質疑。赤嶺は、防衛省が決めた工程は半年だが、実際には5年の時間がかかっており、今後行われる大浦湾側の工事は、水深が深く、超軟弱地盤が広範囲に広がる海域で行われ、最も深いところで90mの地盤改良工事が予定されているが、現在の作業船の能力で施工できるのは、70mまでであり、本当に完成できるのか疑問視されているなどとし、計画どおりに工事を進められるのかなどと質問した。岸田総理は、防衛省において、技術検討会の助言を得つつ、工事計画について検討し、地盤改良工事の追加などの見直しを踏まえて、変更後の計画に基づく工事に着手してから、工事完了までに9年3か月であることを明らかにしており、政府としては、こうした計画に基づいて、工事を進めていくなどと話した。赤嶺は、1996年4月、普天間基地を5年ないし7年以内に全面返還すると日米両政府は説明していたが、その後、返還時期は先延ばしされ、28年になろうとしていて、政府が辺野古に固執する限り、普天間基地は固定化されることになるなどとし、辺野古が唯一という固定観念から抜け出さない限り、普天間基地の返還は実現できないなどと指摘した。埋め立て土砂の調達場所について、赤嶺は、政府は、設計変更に合わせて、調達場所を九州・瀬戸内地方などから、沖縄県内各地に広げ、県内だけでも必要な量を確保できるとしているなどとし、県内の調達可能量の7割を占めるのは、沖縄・糸満市と八重瀬町で、ここは、沖縄戦最後の激戦地であり、現在でも、戦没者の遺骨を発見し、遺族に届ける活動が続けられている地域で、戦没者の遺骨が残る土砂を米軍基地の建設に使うのは、戦没者を冒涜するものではないかとの声が広がっており、計画の中止を求めて、全国の地方議会から、約200件以上の意見書が上がっているなどとした。沖縄県遺骨収集ボランティア代表らが南部からの土砂採取をやめるよう、防衛省に要請したが、防衛省は、遺骨の問題は真摯に受け止めるとしただけで、採取をやめることには言及しなかったなどとし、これは人道上の問題であり、防衛省に対して、この地域の土砂を辺野古の埋め立てに使用するのはやめるよう指示するべきだなどと指摘した。岸田総理は、埋め立て土砂の調達場所は、県内外に、候補地が複数あり、現時点では確定しておらず、指摘のあった戦没者の遺骨の問題は重要なものであり、そうした事情も踏まえ、今後、防衛省において、調達場所を適切に判断するなどと話した。
日本共産党・赤嶺政賢氏の質疑。埋め立て土砂を戦没者の遺骨が眠る土地に指定しているが見直し防衛大臣にやめろというべきではないかなどと述べた。木原氏は工事で使用される材料は工事の仕様書で示された規格等をふまえて工事の受注者において選定し発注者においても規格等に適合しているかの確認を行うものと承知しているなど述べた。
日本共産党・赤嶺政賢氏の関連質問で厚生労働省は2003年度以降戦没者の遺骨のDNA鑑定進めたが、これまで何件の申請があり何人の身元が特定されたのか求めた。武見敬三氏は2003年から2023年までに1716名の遺族からDNA鑑定の申請があり、うち遺骨の身元が特定されたのは6柱のみである等と述べた。赤嶺政賢氏は戦没者の無念と遺族の心情に寄り添って、南部の土砂を辺野古の埋め立てに使うのはやめるよう求めた。岸田総理は土砂の調達先は県内外に複数候補地があり、まだ候補地も決まっていない状態であるため配慮等を念頭に置きながら判断をしていく等と述べた。
日本共産党・赤嶺政賢氏の関連質問で、2016年に県事業局がPFASを発見し原因調査をするための米軍基地への立ち入り調査が求められたが、2016年以降進展がなく岸田総理がバイデン大統領に嘉手納基地への調査申し入れをすべきである等と述べた。岸田総理はこれまで米国環境保護庁・米国防省等とやり取りを行い、これからも様々な方面から働きかけを続ける等と述べた。
有志の会・吉良州司氏による質疑。アベノミクスをめぐってはデフレでない状況をつくりGDP・企業収益を拡大し雇用は増進したと説明していたが、実際はGDPはドイツに抜かれて4位となっているのが現状だとしている。デフレでない状況を作ったと主張しているが、デフレは失われた30年の中で生じたものでありバブルの崩壊・崩壊後の対応はすべて自民党の責任だと批判。生活を豊かにする事が重要だったが、デフレ脱却という目標設定を行ったことで円安を気にせず物価を優先する本末転倒な結果になったとしている。GDPの拡大を巡っては日本円での名目GDPは拡大しているが、ドルベースだと減少するかタイトであり、民主党時代よりも後退していると指摘し、賃金を上げ将来不安をなくさないとドルベースのGDPは増えていかないとしている。株価の上昇も個人消費に結びつかず、ドルベースのGDPは日本経済の低迷を示すものとしている。企業収益については、GDPと国民総所得GNIの差を見てみると、投資収益は34兆円となっていて貿易赤字の黒字化に貢献しているが、背景にはドル建ての配当が膨らんでいることがあり、企業収益の拡大は間違っていないものの、国民には還元されず、円安から輸入物価高騰に一般国民が苦しむのに対し企業への所得移転の要素が見られるとしている。現在進行中の株高をめぐっては売買比率の6割を外国人投資家が占めていて、円安から割安と考えて投資が進められているのが現状としている。また、有効求人倍率は1倍台となっているが、これは団塊世代の退職や少子化による人手不足が原因ではないか、少子化による人手不足に対し自民党は有効な手立てを講じなかった事が現状であり、有効求人倍率の向上と低賃金分野での雇用拡大でしか内としている。一方で賃上げ機運が高まる歓迎すべき状況となっているが、これは人手不足の中で人材を確保しようとする企業の本能ではないかとしている。輸出産業は優秀な社員の集合体であり、現地生産やサプライチェーン構築などで円高に耐えるとともに、政府の支援がなくても自力で世界と渡り合ってきたが、政府は自由貿易協定・TPPなどの経済連携で日本が不利にならないようにインフラを整備することが必要だとしている。一般国民への経済政策は必要としている。
吉良氏の指摘に対し、岸田総理はアベノミクスの評価が中心であり、前の30年のデフレはリーマンショックやアジア金融危機の影響があると説明。為替によりGDPへの影響もあったと見られるが、その中で円建てのGDPについても頭において政策を実行する観点は重要としている。成長・分配の好循環や、企業収益を消費・賃上げ・投資に振る政策を行っているが、賃上げは人手不足によるものとの意見については賃上げは単に民間の競争では実現できないものであり、官民が協力することで動員していると説明。新しい資本主義という経済モデルを進めることで30年ぶりに訪れたデフレ完全脱却のチャンスを物にしたいとしている。